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【PREXリレーコラム №27】若者の海外交流を盛り上げよう!- PREX Island

日本企業の方々
PREX評議員 日本生命保険相互会社 代表取締役副社長執行役員 三笠 裕司 氏

昨年度より関西経済同友会の教育問題委員会の委員長を務めています。大阪・関西の経済発展を担う「人づくり」を意識し、大学教授をはじめとする有識者の皆様の力をお借りし、大学教育の現状や産学連携の在り方等について調査・研究を進めています。

「人づくり」の観点では、若い頃からの海外との交流が非常に重要であると考えています。言語力が養われるのはもちろんのこと、様々な価値観に触れることで地域社会や文化の再構築に繋がるインスピレーションが育まれ、産業・経済の活性化も促されることが期待できます。私自身、社会人になってからではありますが、留学や海外駐在などを経験したことで、少なからず視野が広がったことを実感しています。

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の調査によると、日本人学生の留学状況は、2018年度の約11万人をピークに、コロナ禍の影響もあり2021年度には約1万人へと激減しています。また、内閣府の調査によると、諸外国では海外留学を希望する者が5割を超える中、日本の若者は「外国留学をしたいと思わない」と答える者が5割を超えており、経済的な理由や留年・就職への不安、情報不足などを背景に、若者の留学への意識は低調です。

ただ、昨年アメリカのハーバード大学を訪問した際に、対面で繰り広げられる熱のこもった議論を目の当たりにし、リアルでの交流の良さを再認識するとともに、リアルでないと積むことのできない経験値のようなものがあることを久しぶりに思い出しました。

日本でも、初等・中等教育の段階で文系・理系の垣根を超えたSTEAM教育が広がりつつあり、創造性や課題解決力(総合知)に富んだ若者が育ってきています。
総合知を更に伸ばすためにも、若者には海外に積極的に目を向け、多様な人々との交流を通じて様々な経験を積んで欲しいと思います。

一方で、我が国の大学等の国際化を促し、教育・研究力を向上させる観点では、外国人留学生の積極的な受け入れも大切です。世界各国が留学生の獲得にしのぎを削っていますが、残念ながら日本での外国人留学生の受け入れ数は、コロナ禍の影響や他国に比べて厳しい水際対策を敷いたこともあり、2019年の約31万人をピークに、2022年には約23万人にまで減少しています。諸外国でも留学生受け入れに向けた諸施策が実施されており、日本も留学先として選ばれるための諸施策に加え、日本の持つ強みの効果的なPRが必要でしょう。

この点、私費外国人留学生を対象としたJASSOの令和3年度の調査では、日本を留学先に選んだ理由として、日本で高度な教育を受けるためという目的よりも、日本のアニメ・マンガ等の日本文化を勉強したいという目的を挙げた人の数が多くなっています。

アニメやマンガのみならず、島国として自然に寄り添いながら独自の発展を遂げてきた日本の様々な文化は、世界に誇れる強みなのだと思います。大阪・関西にもお笑いや多様な食文化があります。
2025年に大阪・関西万博を控えていますが、万博は世界に誇れる関西ひいては日本の文化を強みとして海外に発信する絶好の機会でもあります。万博をきっかけに一人でも多くの外国の方が、関西や日本に興味を持ち、留学先として関西・日本を選んでくれることを期待しています。

新型コロナウィルスが第5類に移行され、水際対策も緩和されました。これまで我慢を強いられてきたリアルの海外交流が実現できるようになっています。
今後の関西ひいては日本を支える若者のリアルな海外交流の活性化に向け、官民で盛り立てていければと思います。

  • 掲載日:2023年8月8日
  • 企業名:日本生命保険相互会社
  • 氏名:三笠 裕司 氏
  • 役職・職名:PREX評議員

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