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【PREXリレーコラム №9】神戸市「やさしい日本語」の取組み- PREX Island

日本の公的機関
PREX評議員 神戸市 市長室 国際部 部長 檀特 竜王 氏

神戸市に住む外国人の数は、2022年3月現在、46,923人(133か国・地域)です。人口減少や少子高齢化により人手不足が深刻化する中で、経済の持続的な発展のためには、多様な人材の活躍が必要で、外国人材の獲得が一層、重要になります。
PREXにおかれましては、関西企業と各国とのネットワークを構築し、留学生・日本人学生のグローバル人材育成や開発途上国の人材育成を通じて、KANSAIの信頼向上に貢献されてきました。神戸市も、世界的な人材獲得競争の環境下で、外国人に信頼され、選ばれる都市でありたいと考えています。

神戸市は、海と山が近く、外国人学校、外国人コミュニティ、多様な宗教施設があり、外国人にも暮らしやすいという評価をいただくこともありますが、選ばれる都市であるためには、外国人材や帯同家族が安心して働き、生活しやすい環境をつくる不断の取組が重要と考えています。そのための施策の一事例として、神戸市が全庁的に進めている「やさしい日本語」の取組を紹介します。

①新たに日本で生活を始める外国人は、母国の生活文化や制度との違いから、ごみ出しルールや、市税、国民健康保険の納付書をみて、戸惑いを覚えることがある。②日本語が得意ではない外国人のなかには、役所から届いた案内が難しいため、内容をよく理解しないままに放置してしまったり、捨ててしまったりする人もいる、と外国人の方から聞きました。
一方で、特に、新型コロナワクチン接種の準備段階では、ワクチン接種のお知らせを全ての市民に漏れなく、分かりやすく、正確に伝えることが最重要課題でした。そこで、神戸市では、日本語が得意ではない外国人にも伝わる「やさしい日本語」の活用を推進しています。

令和3年度は、市税、国民健康保険、ごみ出しルールなど、外国人の関心が高い分野について、関係部署の実務担当者が、「やさしい日本語」の専門家や外国人留学生のアドバイスを受けながら、既存文書の改善を進めました。改善した文書については、庁内で成果報告会を行い、市長、専門家、外国人の講評を受けました。

今後、文書改善の経験、成果物、講評で学習した内容を整理し、広く職場で共有し、受益者目線に立った分かりやすい行政文書の作成が神戸市の組織文化として根付くように、継続的な取組を進めていきます。

「やさしい日本語」の取組は、外国人のみならず、日本人にとっても理解しやすい行政文書の作成につながります。引き続き、「やさしい日本語」の取組を通じた外国人への分かりやすい情報発信、良好なコミュニケーションに努めてまいります。

【「やさしい日本語」を活用した行政文書の改善事例】  

 

【「やさしい日本語」を活用した多言語版広報KOBE】

「やさしい日本語」を活用したワクチン接種案内はこちら 
⇒ https://www.city.kobe.lg.jp/a74716/kenko/corona/vaccination.html

#役所をやさしく ~神戸市の挑戦~ withnewsの連載はこちら 
⇒ https://withnews.jp/article/f0201113004qq000000000000000W0fo11101qq000021802A

  • 掲載日:2022年4月1日
  • 企業名:神戸市
  • 氏名:檀特 竜王 氏
  • 役職・職名:市長室 国際部 部長(PREX評議員)

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