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【PREXリレーコラム №24】一生ものの「縁つなぎ」を- PREX Island

日本の公的機関
独立行政法人国際協力機構(JICA)関西センター 所長 木村 出 氏

一生ものの「縁つなぎ」を

日本、特に関西地域において、2025年は節目の年だと思っています。4月から10月にかけての大阪・関西万博に加え、1月には阪神・淡路大震災から30年を迎え、夏頃には第9回アフリカ開発会議(TICAD9)が開催されます(開催都市未定)。これらの機会を通じ、日本と海外との関係、中でも社会課題に共に取り組む関係を深めることが、その先の関西・日本にとって重要と考えます。

具体的には、防災、感染症、少子高齢化、食料・気候変動問題、言論の自由などの「普遍的価値」の共有、など、個々人の日常に影響を与えながらも、一国だけの取り組みでは太刀打ちできない課題に取り組む関係の強化です。個々の機会を有機的な縁の拡大に繋げることが肝要で、縁を広げ、深める上で、その要諦は、人と人との信頼関係にあると思っています。

JICAは、日本の政府開発援助(ODA)の一元的な実施機関として、「信頼で世界をつなぐ」をビジョンに掲げ、新興国・開発途上国のインフラ整備や人材育成などに協力しています。関西センターが展開する事業の柱の一つが「研修」を通じた人材育成で、PREXには長きに亘って様々な研修の実施にご協力頂いています。
 
ところで、本稿をお読みの皆様は、「研修」と聞いて何を想像されますか?社内研修、スキルアップ研修などが一般的でしょうが、JICAの研修事業は、「知見の共有」と「縁つなぎ」にその意義があると思っています。2週間程度から3年近くまで様々なコースがあり、参加者は概ね相手国の行政官を中心とする中堅リーダーです。想像して下さい。海外での研修に公費で2週間から3年近くに亘って参加する同僚を。紛れもなく、選りすぐりの幹部候補、中堅リーダーが日本に来られ、研修後に数年経つと中央官庁の局長や次官、中には閣僚になられた実績もあります。海外での研修は、全キャリアの中でも殆どの方は1回、多くても3~5回程度でしょう。その期間中に知見・経験を共有する機会は、特別なものです。特別な機会に特別な関係を築けた温かい記憶は一生もので、個々の人と人の関係が、新たなビジネスの機会を生んだり、国と国の関係をぐっと近づけます。

コロナ禍の行動制限が緩和される中、節目の2025年に向けて、国内の企業、自治体、大学、NPO等の皆様と共に、事業を通じて国内外の縁を広げていきたいと思っています。一生ものの日本ファン、関西ファンを増やすべく、共に取り組ませて下さい。


研修参加者とともに


研修参加者とともに

<関連リンク>
●JICAの技術協力: 本邦研修
https://www.jica.go.jp/activities/schemes/tr_japan/summary.html

●JICA開発大学院連携/JICAチェア
https://www.jica.go.jp/dsp-chair/index.html

●JICA関西センターHP
https://www.jica.go.jp/kansai/index.html

●JICA関西センターの研修員受入事業
https://www.jica.go.jp/kansai/enterprise/kenshu/index.html

  • 掲載日:2023年6月12日
  • 企業名:独立行政法人国際協力機構(JICA)関西センター 所長
  • 氏名: 木村 出 氏

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