【PREXリレーコラム №21】関西の国際化(私の業務体験の一端から)- PREX Island
日本の公的機関
PREX評議員 大阪府 府民文化部 国際交流監 一坂 浩史 氏
⦅以下、PREXの歴史と重なる私の職歴の中で、関西の国際化に関わった一端を振り返り、コラムということで少し自由に書くことをお許しいただきたい。⦆
PREX設立は1990年4月。70年大阪万博の20年後である。この年、先物取引所(FUTURES EXCHANGE)の発祥の地・大阪で、大阪証券取引所「日経平均株価(日経225)」の先物取引は、取引代金ベースで世界一となった。
4年後、1994年9月、関西国際空港が開港する。当時、大阪府では、高齢化・情報化と並ぶ国際化という基軸に沿う施策に弾みがつき、空港対岸のりんくうタウン開発やアクセス道路の整備など、急ピッチで進められた。残念ながらいくつかの事業はバブル経済の崩壊で痛みを伴いながら挫折した。
1995年、APEC非公式首脳会議が大阪で開催された。首脳級会議の東京一極開催の殻を破った。24時間都市、大交流時代、ボーダーレス社会などの言葉が賑わった頃である。(2010年、中国GDPがわが国を超え、世界2位となる。)
2012年、関西広域連合が関西観光・文化振興計画を策定し、関西への外国人旅行者数(年間、約345万人)を10年間で約1,000万人(1,800万人に改定)とする数値目標を掲げた。インバウンド数はうなぎ上りに増え、2019年には約1,320 万人(推計)に達した。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で、翌年から激減。ようやく2022年から入国時の水際対策措置が緩和され、海外との往来が再び動き始めた。
職務を通して世界の中での大阪・関西の立ち位置の変化の一端に接してきたが、今後は、多くの市民が地球規模の環境・社会の変動と直接関わるような好機とリスクに浴することになると考える。そして今後とも、ボーダーを越えた活動を支えるのは対話をベースとした人と人のつながりであろう。
PREXは、発足以来、人材育成という将来の成長(リスク回避も期待できる)の種をまいてきた。2025年、再び大阪で「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに大阪・関西万博が開幕する。PREXの空気を吸った内外の人材が、世界の課題解決に活躍する姿を見るのが楽しみだ。そんな“FUTURE”こそ、国際化の取り組みから得られる黄金の果実だと思う。
- 掲載日:2023年2月14日
- 企業名:大阪府 府民文化部 国際交流監
- 氏名:一坂 浩史 氏
- 役職・職名:PREX評議員
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