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シンポジウム2024パネルディスカッション⑧- PREX Island

日本の専門家 SDGs
パネルディスカッション:世界とともに歩む。~国際協力=日本と世界をつなぐヒト・コト~⑧

左から 日比野 純一氏:特定非営利活動法人エフエムわいわい理事
半井 真明氏:合同会社CHEZA 共同代表
コーディネーター 大野 泉氏:政策研究大学院大学(GRIPS)教授
遠山 晴香氏:ダイキン工業株式会社 ダイキンフィリピン社 出向 営業企画マネージャー
河添 靖宏氏:海士町郷づくり特命担当グローカルコーディネーター

「これからの国際協力」に向けて

コーディネーター 大野 泉氏

皆様に、最後に「これからの国際協力」に向けて、ひと言お願いします。
河添さんからは、JICAとの協力が重要だったというお話がありました。
これに関し、シンポジウムの視聴者の方から、県の理解や協力があったのか、それとも海士町が独自で切り拓いたのか。
また、サステナブルな取り組みにするためにはどうすればよいか、など身近な質問が寄せられています。
それも含めて、ひと言よろしくお願いいたします。

河添 靖宏氏

あらゆる味方づくりをやっていくことが大切で、海士町は、そういうところが非常に上手だと思います。
隠岐島前高校は島根県立です。
ですが、「町」という違う行政機関が仲良くやっています。
それは、危機感をうまく共有できたからだと思います。
そういった仲間作りが大事だと思います。
海士町は、ピースウィンズ・ジャパン、上智大学、デロイト・トーマツ社など、連携協定を結んでいる団体がたくさんあります。
そういった仲間づくりが大事なだと思います。

私からのひと言として、若い世代が国際協力に参加すること、そういう舞台を踏むことが大事だなと思います。
将来世代を担う若者には世界を舞台に活躍してほしいです。

遠山 晴香氏

国際協力と言うと、遠い、ちょっと大層な活動に思う人もいるかもしれませんが、私自身は、一般企業に入っても、「国際協力」は自分事として続いていると実感しています。
むしろ、「多文化共生、国際協力」の経験や知識は、国際化するビジネスシーンにおいて必要とされる力だと思っています。
今後も当事者意識を持って、身の回りからできること、草の根の活動からやっていきたいと思っています。
そういうことをされている国際協力に関心のある視聴者の皆様も、益々活躍されると思います。
私もその皆さんの活動を聞いて、より発展していけたらいいと思っています。
ありがとうございました。

コーディネーター 大野 泉氏

今日のシンポジウムで、遠山さんのお話から刺激を受けた方が多くいると思います。
遠山さんは、遠山さんのやり方で、そして、皆それぞれの国際協力への関わり方があるのだと思います。
では、半井さんには、視聴者の方から「神戸市で、手頃なハイキングに適した山々を有する特徴を生かして、外国人講師によるスポーツイベントをお願いします」というエールも寄せられています。
半井さんの取り組みに関心を持っている方、活動に参加したい方がいたら、どうすればいいですか。
そして最後に、日比野さん、仲間を増やすための一言を含め、よろしくお願いします。

半井 真明氏

神戸市あるいは関西の行政は、非常に高いポテンシャル持っています。
私自身も日本人として、日本で教育を受けて非常に多くを学びましたが、この日本の教育システムに育ってきた人間という誇りを持っています。
ただ、一方で、謙虚な心も忘れずに現地の方に対してサポートしていく姿勢は大事だと思っています。
弊社の事業に関心を寄せいただいて、大変ありがとうございます。
ホームページで常にイベントの情報等をアップし、協力していただくサポーターの方も募集しています。
ご関心ありましたら、アクセスいただけると大変ありがたく思います。
ぜひ、関西の力を束ねて日本の方、あるいは海外に想いと動きを届けてまいりましょう。

日比野 純一氏

2006年に世界の人たちと出会い、神戸の経験を教えてほしいと言われました。
その時に、「国際協力」は、どうしたらいいのかわからず、私は、JICA関西センターに電話をして、教えてくださいと訪ねてきたのが、そもそも始まりです。
大きな国際協力NGOとかがある中で、私たちみたいなところが、本当にできるんだろうかと思っていました。
やがてインドネシアで活動することになり、最初は全然わからなかったのですが、やがて言葉ができるようになり、コミュニティに入っていったら、遠山さんが先ほどのお話の中で、フィリピンで毎日おじちゃん、おばちゃんと話しているという話をされていましたが、どこに行っても、世界に行っても、そこに待ってるのは、自分が住んでるコミュニティと同じように、おじちゃん、おばちゃんがいて、お兄ちゃん、お姉ちゃんがいて、おじいちゃん、おばあちゃんがいて、子どもたちがいます。
そのコミュニティの中で大切なことは、挨拶やコミュニケーションや一緒にご飯を食べることとか、そういうことです。
入り口は日本にあるコミュニティでなくても構いません。
海外のコミュニティに入って、そのことの大切さを知り、日本に帰ってきた時に、自分のコミュニティで同じようなことをすれば、地続きでいろんなものはつながっていきます。
私が最後に言いたいのは、世界どこに行っても、待ってるのは、地域コミュニティだということです。

コーディネーター 大野 泉氏

まだお話を伺いたいことがありますが、これからも、PREXやJICA関西のホームページを見ていただいて、こういった活動を一緒にできる仲間が増えていければと思います。
私も大変感動しました。
改めて感じたことは、世界で起こっているいろいろなことや、日本の課題には共通することがたくさんあります。
また海士町での課題は、日本での課題でもあります。
それをどう解決していくかという時に、やっぱり外の方の力も必要です。
防災コミュニティ作りは、世界共通の課題です。
志を共にする仲間がいて広がっていく。
そういった意味で、海外と交流し、海外経験を共有しながら、そこから共創していくことが、日本にとってもすごく重要な原動力になるのだと思いました。
これからの国際協力は、より良い世界をつくることはもちろんですが、私たちも学び、新しい日本を作っていく推進力になることを確信しました。
そのためには、いろいろな経験を持った多くの人たちや組織が繋がるプラットフォームを作ることが求められているのではないでしょうか。
身近なところに国際協力があり、誰でも当事者になれる、なりましょうーーこれが日比野さんのメッセージであり、また今日のディスカッションを貫く視点だったように思います。
PREXやJICAにおかれては是非これからも頑張っていただき、プラットフォーム作りを含めてお願いいたします。

PREX

大野先生、パネリストの皆様、ありがとうございました。
世界とともに歩むというテーマでお送りしたシンポジウムでございますが、ご登壇者様の皆様のご経験や、本日のディスカッションを通じて、国際協力が日本と世界をつなぐ場として欠かせないということをお伝えできたのではないかと思っています。
本日はご視聴ありがとうございました。

  • 掲載日:2024年4月6日
  • 研修名:PREX×JICA関西シンポジウム
  • 氏名:大野 泉氏,河添 靖宏氏,遠山 晴香氏,半井 真明氏,日比野 純一氏
  • 役職・職名:大野 泉氏(政策研究大学院大学(GRIPS)教授)
    河添 靖宏氏(海士町郷づくり特命担当グローカルコーディネーター)
    遠山 晴香氏(ダイキン工業株式会社 ダイキンフィリピン社 出向 営業企画マネージャー)
    半井 真明氏(合同会社CHEZA(チェザ)共同代表)
    日比野 純一氏(特定非営利活動法人エフエムわいわい理事)

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