シンポジウム2024パネルディスカッション②- PREX Island
日本の専門家 SDGs
パネルディスカッション:世界とともに歩む。~国際協力=日本と世界をつなぐヒト・コト~②
アフリカと日本をつなぐプロジェクト
半井 真明氏
合同会社CHEZAの半井(ナカライ)と申します。
私からはアフリカと日本をつなぐプロジェクトを紹介させていただきます。
まず私の略歴です。
私自身は工学の都市計画を専門にしています。
大学院を修了してから都市計画コンサルタントとして日本で勤め、その後、JICA海外協力隊というプログラムを使ってアフリカに渡航して、現地で2年間活動したのが、私の海外事業の経験の第1歩でした。
その際、現地の国交省にあたる「地方自治住宅省」という機関で、都市計画のプランナーとして既存プロジェクトを推進しつつ、開発計画の策定と、現地の職員に対する技術指導を行いました。
この2年間の活動の中で、配属先の事務所スタッフらが様々な技術を習得してくれ、配属前と比べ大変成長したと感じました。
現地の方に技術移転を行う過程で、私の存在意義を感じることができた2年間でした。
こういった取り組みを継続していきたいと考え、「開発コンサルタント」として日本工営という会社に入り、JICAの専門家として海外諸国を移動し、都市計画の側面から現地をサポートしてまいりました。
私は、東南アジアや南アジアとアフリカでお仕事をさせて頂く機会が多く、様々なプロジェクトを現地のローカルスタッフと一緒に進めてまいりました。
私自身、業務を遂行する上で、プロジェクトを成功させること、それに加え、一緒に関わってくれたローカルスタッフ、あるいはカウンターパート機関の職員の方々に、私たちとの活動を通して何か1つでも技術や経験を共有し、その後の彼らのキャリアアップに繋げてもらいたいという思いで活動をしていました。
日本工営での業務の終盤には、ケニアにコーエイアフリカという現地法人を設立するというミッションで赴任し、その会社の取締役として従事する傍ら、ローカルスタッフと共に近隣諸国にてプロジェクトを進めてまいりました。
現地に都市計画プランナーと呼べる人材があまりいない中、私自身、誇りをもって、ケニアで1番の都市計画プランナーと思える人材も育てることができ、一定の成果を自分の中で感じ、自身のさらなるステップアップとして起業をしたというのが、私の辿ってきた道です。
ODAのような大型事業は、非常に重要で、これによって、現地の方に多くの職業が生まれインパクトを与えています。
同時に、教育や能力開発の取り組みにも関心がありました。
それを、さらに、ビジネスの側面から、サステナブルに実施していくのが、私自身のミッションではないかと感じ、教育と、スポーツ、この2つを掛け合わせてプロジェクトをしていこうと、現在、神戸を拠点に取り組んでいるのが、CHEZAという会社です。
CHEZAのプロジェクト紹介
CHEZAのプロジェクトをご紹介します。
1つめは人材育成事業です。
都市計画の分野の技術指導、またGIS(地理情報システム)を使って統計データを可視化するノウハウなどを国内および現地の方々に指導しています。
この他、お子様、小学生や中学生を含む広く一般の市民の方を対象に、アフリカを知っていただくセミナーや出張講座なども実施しています。
少しユニークなプロジェクトとしてスポーツを絡めたアフリカを知ってもらうための異文化交流の取り組みも行っています。
「アフリカチャレンジ」というプロジェクトです。
アフリカについて解説しようとすると、どうしても発展途上国、支援する対象という切り口で入ってしまいがちです。
一方でスポーツという側面で見ると、現地には運動能力が非常に高い方も多くいるので、その高い運動能力に日本人がチャレンジしていくというような入り方をすることができます。
これにより、参加した人たちが、アフリカを知る入口が変わってきます。
協力してくれているローカルサポーターもこの取り組みを推進して日本とつながることに意義を感じてくれており、私自身も喜びを感じながら進めています。
もう1つ、「GLORTSACDEMY」という英語でスポーツを教えるアカデミー事業があります。
現在、神戸市内に4つ拠点があり、コーチとして複数名のアフリカ人材を採用しています。
アカデミーの子どもたちは、既に黒人の方を身近な存在として捉えてくれています。
英語やスポーツだけでなく、彼らが大きくなった時に、どのような人種とも自然に打ち解けられる国際人としての素地ができるのではないかと期待しています。
また現在、筑波大学・TIAS2.0(つくば国際スポーツアカデミー)の皆様と一緒に東アフリカにスポーツアカデミーを設立するという目的を持ってプロジェクト進めています。
ルワンダで1番大きなスポーツアカデミーを運営しているSGI社と弊社が、2023年にパートナーシップを締結しました。
これまで築いてきたネットワークも活かしながらプロジェクトを加速させていきたいと考えています。
コーディネーター 大野 泉氏
どうもありがとうございました。
なぜスポーツに着目したのかなど、いろいろなお話をお聞きしたいです。
この後でまた伺ってみたいと思います。
- 掲載日:2024年4月6日
- 研修名:PREX×JICA関西シンポジウム
- 氏名:大野 泉氏,半井 真明氏
- 役職・職名:大野 泉氏(政策研究大学院大学(GRIPS)教授)
半井 真明氏(合同会社CHEZA(チェザ)共同代表)
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