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【アフリカコラム⑬】「キャッサバ」の可能性は無限大- PREX Island

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【アフリカコラム⑬】「キャッサバ」の可能性は無限大

「キャッサバ」は、「マニョック」とも言われる植物。タピオカの原料となっている芋です。
古くから中南米で栽培され、ポルトガル人によって世界の熱帯に伝えられ、現在、主産地ナイジェリア、タイ、ブラジル、インドネシア、ガーナ、コンゴ民主共和国の6か国で、世界の総生産量の59%を産出しているそうです。
(日本大百科全書(ニッポニカ)より)

長い時間をかけて根深く芋が付きます。
掘り起こし作業の難しさははサツマイモやジャガイモ掘りの比になりません。
少しでも傷がつくと保存期間が短くなってしまうため、丁寧に掘ります。
私は、はじめキャッサバは毒がある食べ物だと思っていましたが、食べてみるとほくほくしています。
アフリカ旅期間中、様々な国でキャッサバ芋料理に出会いましたが、煮込んだり、もち状にしたり、湯がいたり、油で揚げたり、調理方法は様々でした。
セネガルの村人が、キャッサバを生でかじっていたので、「毒があるはずなのにな・・・」と思いつつ、私も堀りたてを食してみましたが、これはより甘い。
驚きました。
次回アフリカ渡航する際は、持って帰って糖度計で調査してみたいほどです。
最近は日本でも外国人の要望からか、冷凍キャッサバやキャッサバ粉などがインターネットで販売されています。
日本の南部にはキャッサバを栽培している農家もあります。

キャッサバの芋部分は、キャッサバを栽培している国なら、どの国でも食べますが、葉っぱは国によりけりです。
私の友達に聞いたところ、少なくとも、タンザニア・ザンビア・コンゴ共和国・コンゴ民主共和国・マダガスカル・ギニア・シエラレオネ・リベリア・マリ・中央アフリカでは食べているよ、と連絡をもらいましたが、セネガルやケニアでは食べないようです。
苦みのある葉で、パーム油と一緒に料理するのが、一般的なようで、見た目はインド料理のホウレンソウカレーのようになります。
以前シエラレオネ人と一緒に開催したオンラインのイベントでは、母国から大切に持ってきたキャッサバの葉の乾燥粉末を見せてくれた方がいました。彼らにとってはなくてはならないものですが、日本ではめったに手に入りません。

また、先日の「 JICA投資促進のためのキャパシティ・ディベロップメント(B)」において、ナイジェリア行政官の発表から、キャッサバが食用だけでなく、工業用加工としても利用価値があるものだと学びました。
ナイジェリアはこの工業用利用も目指して、キャッサバの生産量向上を目指しているそうです。
ナイジェリア人の聡明さをここでも感じました。

このようにキャッサバの可能性は無限大。
アジアはすでにJICAの「キャッサバプロジェクト」が入っていますが、アフリカはまだまだこれから。
農業大国アフリカのキャッサバ市場に、今後注目してみてはいかがでしょうか。
参考:キャッサバの基礎の基礎がわかるキャッサバABC cassava_about.pdf (jica.go.jp)

  • 掲載日:2021年10月11日
  • 氏名:前田(智)

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