アフリカコラム③アフリカに帰るディアスポラたち - PREX Island
PREXスタッフ
【アフリカコラム③】 アフリカに帰るディアスポラたち
皆さま。こんにちは。
PREX職員の前田です。アフリカコラム3回目です。
奴隷貿易によって数えきれないアフリカ人たちが戻らぬ扉を超えて、世界各地に送られました。
彼らは何代にもわたってその地に根付きジャマイカ人、アメリカ人、イラク人等として生きていますが、歴史的事実からいまだ差別に苦しんでいる方々が多くいます。
現代においての移動は、奴隷貿易のように強制的に移動させられるものは少なく、留学、結婚、就労、難民などの理由で自分の意志によって母国から移動される方が主です。
そのように様々な理由で離散した人々「ディアスポラ」が約3億5000万人に上るいわれています。
アフリカは発展に必要な多くの人材が大陸外へ今も昔も流出しています。
しかし、それと同時に、逆の流れも渦巻いています。
「パンアフリカニズム」です。
ディアスポラを含むアフリカ人を1つにし、アフリカをアフリカ人の手で復権・発展させていこうという思想です。アフリカ連合(AU)もディアスポラたちの力を借りて、アフリカ大陸をより豊かにしていくための組織委員会をもっています。
毎年ディアスポラたちから約650億米ドルがアフリカ大陸に送金され、多文化と混ざり合ったアフリカ文化が逆輸入されるなど、大きなインパクトを生んでいます。
そんな流れの中、ガーナは「The Year of Return」と称してディアスボラたちの帰還をバックアップするキャンペーンを2019年大成功させました。
例年より23万人も多くの“アフリカ人”たちが自分のルーツを知るためにガーナを訪れ、歴史を学び祖先への思いをはせるダークツーリズムも生まれました。
実際にガーナ国籍を獲得し、数百年の歴史を越えてアフリカに帰還した方もいるそうです。
Youtubeで「the Year of rerurn」と調べると、参加者の声も聞けますのでぜひ調べてみてください。
ガーナの成功を受けて、ナイジェリアも「Door of return」という同様の取り組みを始めています。
ガーナ観光局のウェブサイト「The Year of Return」
アフリカは国内外の知恵と知識を持って変わり続けています。
ガーナやナイジェリアは国産車ブランドもあります。
モバイルマネー・バンクは日本より急速に発展し、ディアスポラ起業家たちへの投資も多く集まっています。
たしかにまだまだ不安定要素は多くありますが、私の記事が、広く「アフリカ」をとらえて注目していただくきっかけになればと思います。
- 掲載日:2020年10月27日
- 氏名:前田(智)