PREXシンポジウム2019:パネリスト インタビュー②- PREX Island
日本企業の方々 発見
株式会社日吉屋 代表取締役社長 西堀 耕太郎 氏 「いま伝統と 呼ばれるものも、 最初はベンチャーでした」
プロフィール: |
「伝統は革新の連続」を企業理念に、インターネット販売やメディアと連動した新しい京和傘のブランディングや、各分野のデザイナーやアーティストとのコラボレーションに取り組む。 自らも伝統工芸の職人でありながら、その技術を活かした海外向け商品開発で成功し、世界15カ国に代理店網を構築。 2012年、株式会社TCI研究所を設立し、のべ約400社の海外展開を支援。 |
創業百余年古都、京都で五代に渡り受け継いできた伝統美を活かしたシンプルで、新しい照明。 |
めざしていることは?
世界から注目されるブランドや新しい世界を見せるような日本企業をどんどん増やすことを目指しています。
日本の製品で、世界の人の生活に潤いを与え、世界の人によい時間、喜びを作っていきたいと考えています。
どういうきっかけで今のお仕事をされているのですか?
日吉屋で和傘の伝統技術をいかした製品(照明器具)の海外展開を成功させました。
西洋化が進み、マーケットの拡大が望めない和傘を売るためには、母数を広げるしかなく、海外に出たのは必然でした。
ものづくり、 販売、ブランディング、商品開発はデザイナー等の外部専門家の方々にも助けて頂きながら進めました。
そのあと、中小企業庁の当時の幹部の方が日吉屋を訪問された際に、「日本の多くの中小企業が苦境に立っている。特別な1社が成功しただけではだめで、3,000社を成功させる普遍的な支援方法を考えてほしい」と言われたことがTCI研究所設立のきっかけです。
今の時代をどう見ていますか?
インターネットやSNSなどで、人は世界に繋がっていて、あらゆるチャンスを持っています。
どんなこともできる可能性のある時代です。
しかし、実際に海外に行ってみると、国内で思われているほど世界の中で日本の存在感は感じられません。
日本のブランドで世界の誰もが知っているような認知度が高いのは、一部の自動車ブランドぐらいではないでしょうか。
日本には作り手はいるのですが、売れる形にするプロデュ―サーが少ないと感じています。
求められているプロデュ―サーとは、作り手と世界のパートナーを繋ぎ、現地ニーズを反映させた商品開発、ブランディング、販売の多岐にわたる支援ができる人です。
みなさんへのメッセージ
今、中小企業の中には、海外に行ったことはないけれど、海外にむけて製品を売ろうとしている方があります。
まずは、世界の文化や商習慣、ニーズを知らないと、本当に売れる商品は作れません。
自分は、約20年、日吉屋の仕事をしてきて、約15カ国以上にパートナーがいます。
現地に、デザイナー、バイヤー等日本企業の商品開発にアイデアを出してくれるネットワークがあります。
日吉屋が何をどのようにしたのかをオープンにし、その実体験に基づくメソッドや知見を元にした支援ができるプロデュ―サーを育てることで、日本企業のものづくりや海外展開に役に立てればと考えています。
現地のバイヤーやデザイナー達と一緒になって日本の生産地が物を作っていくと、生産者だけでは思いつかなかったアイデアがでて、現地で売れやすい産品ができます。
そのためには良好な人間関係を作ることが何よりも大切で、飲み会等の非公式なふれあいも大切にしています。
PREXシンポジウムを終えて
アフリカのお話を多く聞かせてもらいました!楽しかったです。
- 掲載日:2019年6月7日
- 企業名:株式会社日吉屋
- 氏名:西堀 耕太郎 氏
- 役職・職名:代表取締役社長