世界は人で、できている。
HOME > 研修レポート > 経営管理 > ベトナム人リーダー育成研修!ベトナム人社員がリーダーに変わる10日間

ベトナム人リーダー育成研修!ベトナム人社員がリーダーに変わる10日間

2018年9月に実施したベトナム人リーダー育成研修のご紹介

2019年度の研修は9月に終了いたしました。
次回(2020年度)の研修については内容が決定次第掲載します。
本研修へご関心をお持ちの方は、PREX瀬戸口、小林までお問い合わせください。
【お申込み、お問い合わせ先】 
メール: seminar_vn2019@prex-hrd.or.jp 
ご連絡先:PREX 06-6779-2850

研修に参加したヴァーンさん

株式会社日進工業のヴァーンです。
金属プレス加工の仕事をしています。
妻と子供二人と一緒に大阪に暮らしていて、会社の役に立つ人材になるのが夢です。
この研修では、人の管理の仕方や不良品をなくす方法を学びたいと考えていましたが、思っていた以上にさまざまなことを学べて、とても満足しています。
日進工業には、ベトナム人の先輩も後輩もいます。
中には、やる気のない先輩もいて、今回の研修を受けて、自分がリーダーとして、どうやってみんなをやる気にさせることができるのかと考えています。

研修の中で他の会社を訪問させてもらえたのも貴重な機会でした。
企業には経営理念が大切で、経営者は経営理念に沿って会社を発展させること、社員は経営理念に沿って目標を立てるということ、社員は給与ではなく、会社の理念や目標が働くモチベーションになっているということがよく分かりました。
見学させていただいた企業で経営者の方から、「売り上げを重視しない」という話があり、驚きました。
その理由を質問すると「売り上げは大切だが、そのために無理をして仕事をするとパフォーマンスが下がり、疲れてしまう。これでは会社は持続できない」とお話しいただき、納得しました。
会社に帰ったら、この研修で学んだことをまわりの人に伝え、自分の目標とチームの目標を立てて、みんなのモチベーションを高めるよう働きかけたいと思います。

社長の声:
ベトナム人社員が日本人社員と溶けあうように、学んだことを広げてほしい…

株式会社日進工業 代表取締役社長 文岩省修です。
大阪市生野区の金属プレス加工の会社です。
三栄金属製作所に紹介され、この研修のことを知り、初めてヴァーンさんを参加させました。
当社は社員23名でそのうち8人がベトナム人です。
ベトナム人社員の中には、1年しか日本にいられない社員や、難民で奥さんと子供さんのいる社員もいます。
一番困るのが、日本語でのコミュニケーションです。
会議の時にベトナム語のできる学生さんにサポートしてもらうこともあります。
ヴァーンさんには、日本語もしっかり勉強してもらい、この研修で学んだことを、これから入ってくる新入社員にも教えてリーダーとして現場を引っ張っていってもらいたいです。
彼の成長が楽しみです。

研修に参加したビエンさん

株式会社三栄金属製作所のビエンです。
生産管理部に所属しています。
ベトナムで大学卒業後、兄の働く日本に来て技能実習生として3年、社員として2年が過ぎました。
初めの3年はお給料をもらうことが、日本で働く大きな理由でしたが、今は、自分の子供のために教育環境のよい日本で長く働きたいと考えています。
来月は、夢に一歩近づき、妻と子供が日本に来て一緒に暮らすことになっています。
10年後には、日本に家を建てて家族みんなで暮らしたいです。
10日間の研修で、多くのことを学びましたが、まず、今回立てた自らの目標を実行し、5年後には、各部門の架け橋として活躍する品質管理者を目指したいと思います。
夢は、会社のみんなのあこがれの社員になることです。

社長の声:
今、日本の中小企業では、日本人の学生を採用できません。

株式会社三栄金属製作所 代表取締役社長 文です。
大阪市生野区の金属プレス加工、設計の会社です。
当社では、10年前から日本人の採用が難しくなり、ベトナム人の技能実習生を採用しています。
2014年にはベトナムのロンアン省に工場を開設しました。
今は、生野区の本社に30人程度のベトナム人社員がいます。
今回研修に参加したビエンさんのようなモデル社員を育て、他の社員が、彼を目指して頑張れるような流れを作れたらと考えています。
月2回、日本語の先生に来てもらって、みんなで勉強する機会も作っています。
PREXのベトナム人リーダー育成研修には、毎年ベトナム人社員を参加させています。
ビエンさんが4人目です。
これまで、この研修に参加した社員は、今、部門の長になって頑張ってくれています。
研修後、仕事に対する姿勢が目に見えて変わり、学んだことを実践し、責任を持って取り組んでくれています。

講師の声:株式会社クリエイション 代表取締役 内海政嘉氏

株式会社クリエイション 代表取締役 内海政嘉です。
PREXと一緒にこの研修を企画し、講師を務めています。
ベトナム人リーダー研修でベトナム人の皆さんに学んでもらいたい点の一つめは、経営理念の大切さです。
理念に反した行動をしていると、顧客ばかりか社員までもが離れてしまう。
理念に沿った目標を立て行動していくことが、会社の継続的な成長につながることを話しています。
だからこそ、リーダーは理念を理解し、行動することが大切であると強調しています。
二つめは、なぜ会社としてカイゼン活動をしないといけないかということと、チームワークを理解してほしいということです。
国が変われば、個人主義的な考えが強いこともありますが、個人にできることには限りがあります。
互いに協力し合ってこそ、カイゼンの継続や成果に結びつきます。
チームワークは、一緒に一つの仕事をして、振り返った時に作られているものです。
まずはチームで一つの目標を立て、みんなで取り組むことから始めるとよいと伝えています。
三つめは、日本の会社は、人を大切にし、長期に人を育てようとします。
中でも、人を引っ張っていける能力を職場のリーダーに求めますし、そのような人が尊敬される風土があります。
そうしたチカラのある人を評価し、処遇を良くするしくみもあります。
この点を踏まえて行動するとよいと話しました。
自分が学んだ点を、社内に広げていくことに是非チャレンジしてほしいと思います。
研修後もPREXとサポートしていきます。

研修に参加いただいた企業の声

大和合成株式会社 取締役 営業部長兼技術部長の中島真敏です。
2人を研修に参加させて手ごたえを感じています。
堺市にあるプラスチック成形品の製造並びに販売の会社です。
堺市には34名の社員がおり、ベトナム人社員が3名です。
ベトナムのホーチミン市とハノイ市に工場があり、ホーチミン市の工場には336名、ハノイ市の工場には991名が働いています。
ベトナムのホーチミン市の拠点で働いているディンさん(金型設計担当)とチュンさん(プラスチック成形加工担当)は、昨年から2年間の予定で堺市の工場で働いています。
ベトナムに帰ったら日本で学んだことを伝えてもらい、共通の技術や知識を持ったリーダーを育ててほしいと期待して、このリーダー研修に参加してもらいました。
研修を終え、二人が多くのことを学んだことがわかりました。
ディンさんは「考え方が変わった。昔の自分は、目標を立てることが大事だとは思っていなかったけれど、研修を受けて、自分の目標を立てて、自分を常に向上させていきたいと思った。自分をカイゼンできなければ、他の人もカイゼンできない。ベトナムに帰ったら学んだことを伝えたい」と話してくれました。
自分が変わらないと、他のカイゼンができないことに気づいたのは、とてもすばらしいと思いました。
チュンさんには、「見て学ぶだけでなく、長期の視点での具体的な教育計画が必要だと感じた」という人材育成の計画をベトナムで実践してほしいと思います。
研修が終了した今が、スタート。ベトナムでリーダーとして活躍することを期待しています。

10日間にわたる研修プログラムの内容

初日(導入)オリエンテーション、課題設定、講義「競争力ある日本の中小企業の特徴」
プログラム①【経営理念】
   講義「経営理念に基づいた経営」
   企業訪問:株式会社ベル
プログラム②【改善】
   講義「改善を知る」「品質管理」「5S、3S」
    企業訪問:株式会社太洋工作所、株式会社山田製作所)
プログラム③【組織管理】
    講義「チームワーク」「金銭だけに頼らない動機づけ」「目標管理」
    企業訪問:中川産業株式会社
プログラム④【人材育成】
    講義「長期的視点に立った人材育成」「技術と技能の伝承」
    企業訪問:三元ラセン管工業株式会社
終了日(まとめ)振り返り、成果発表、修了式

導入:研修初日には、オリエンテーションや課題設定を行い、参加者の現在の課題や問題意識に基づいて、研修で理解すべき切り口を設定します。
また、導入講義として、日本の企業の特徴について分かりやすく紹介し、その後研修への意欲を向上できるようにします。
ベトナムから来日し日本で働く参加者同士は初対面ですが、コミュニケーションをとりながらリラックスした雰囲気で学ぶことができます。

研修の中核となる部分は、①経営理念、②改善、③組織管理、④人材育成の4つをテーマとしています。
一番の特徴は、講義だけでなく、体や手を動かして体験的に理解する演習、また、それぞれのテーマに応じた企業への訪問という組み合わせです。
座学で学習した内容が、実際の企業ではどのように実践されているのか、またそれぞれリーダー(経営者や幹部)がどのように考え行動しているかを理解することで、より深く理解することを目指しています。
写真は、愛と感動のビルメンテナンスの株式会社ベルを訪問した際の様子です。(①「経営理念」の訪問先として)

また、すべてのプログラムに、ベトナム語の通訳を入れることで、ベトナム人社員の皆さんが安心して自分の課題や疑問について、確実に理解できることを目指します。
また、プログラム中はPREXのスタッフが同行し、皆さんが安心して参加し学べる環境も提供しています。
写真は、全社員で5S・カイゼン・QCサークル活動に取り組む株式会社太洋工作所を訪問した様子です。(②「改善」の訪問先として)

最終日には、研修を通じて学んだことを確認・整理するとともに、今後の目標についてまとめます。
そして、勤務先の上司や社長が参加する場で、研修を通じて学んだこと、また、これから取り組みたいことや抱負を発表します。
今回の参加者の皆さんは、「経営についてベトナム人だけでなく全員に伝えたい」「カイゼンに真面目に根気強く取り組みたい」「自らの目標は自らが作る」「みんなのモチベーションを上げられるようリラックスした職場環境、創造的な労働環境を作りたい」「部下が目標を達成したら、ほめる風土を作りたい」等、発表してくれました。

ベトナム人リーダー育成研修フォローアップレポート

2014年から始まった「PREXベトナム人リーダー育成研修」。
研修に参加した皆さんは、学んだことを自分の企業で実践しようと努力しています。
しかし、他の社員に学んだことを伝えたり、上司の理解を得ながら取り組んだりすることに課題を抱えています。
そこで2018年12月、PREXは研修参加者と企業の社員の皆さんの意識や考え方のギャップを埋め、社員全員で課題解決に取り組むきっかけに つながるように、これまで研修に多加いただいた3社のベトナム拠点それぞれで、全社員を対象にセミナーを実施しました。

・講師:株式会社クリエイション 内海政嘉氏 
・日時:2018年12月16日~22日
・セミナータイトル:「日本の中小企業の特徴について」
・実施企業:テクノグローバルベトナム・中農製作所・丸十ベトナム

PREXの研修を受けた方は、他の社員に学んだことを伝えたり、 上司の理解を得ながら取り組んだりすることに課題を抱えています。

現在、現場を管理するリーダーのトップとして活置しているトゥーさん。
3か月聞の丸十本社での研修期間中に、「ペトナム人リーダー育成研修』にも参加しました。
丸十に就職する前は実習生として日本で働いていた経験がありましたが、PREXでの研修を受けて、意識や考え方が変わりました。
しかし、すぐに環境の全く違うペトナムに戻ったので、実際にはあまり活用することができませんでした。
ベトナム人は考え方が違いますし、そもそも日本企業がどのように考えているのか、基本的なことも知らないので、学んだことを上手く伝えられませんでした。
人の意識を変えることは雌しいです。
しかし今回、ペトナムで働く従業員全員とセミナーを受けることができました。
セミナー直後には仕事に活かせそうだという声も聞こえてきて、これからは自分が伝えたいことを他の従業員にも理解してもらえそうです。
今回のセミナーを受けて、2015年に研修を受けた時の自分と同様こ、みんなの窟謙や考え方が変わったと思います。
同じような考え方、ペースをもつことができました。
これからは各チームのリーダーとコミュニケーションを取りながら、ー人ではなく、一緒に取り組む仲間を作って少しずつ進めていきたいと思います。
実際に、「これまで日本で働いてきたけれどもなぜカイゼンをするのか、なぜチームワークを重視するのか、など分からなかったが、研修を受けて 目本企業の考え方を理解できた、自分の会社でも取り入れていきたい。」と多く研修員が言います。

研修を受けた後、上司あるい周りの日本人社員の言っていることについてより理解しやすくなり、「なぜ’」がわかるのでモチベーシヨンが高まるということが期待されます。
ですが、リーダーとして学んだことを伝えたり、実践したりしていく時には難しさが伴うようです。
特に今回、ベトナムで働く方を見ているとそれが顕著に感じられました。
周りの社員は日本企業のぺースの考え方を知らないので、カイゼンに取り組もうと言っても自分の仕事が忙しければ取り組もうと思わないかもしれません。
日本の企業の考え方を理解している人が少ないベトナムでは特に、社長や上司とどれほど思いを合わせて取り組んでいけるかが重要なのではないかと思いました。
この状況は日本でも同じだと思います。
今回フォロー アップで訪問させていただいた他の企業では、研修を受けたペトナム人の思いをしっかりと受け止め、社長と二人三脚でカイゼン活動を進めてい らっしゃいます。
また、この企業では、ペトナムではカイゼン活動がなかなか進められていなかったのですが、今回の全社員を対象にしたセミナーを受け、社員のやる気が高まると共に、社長からの提案でカイゼンを行う体制が作られました。
社員のやる気を発揮できる環境があって初めて学んだことを十分に実践することができると感じました。
研修に送り出す熱い思いをもった社長、上司の方と‘リーダーとして引っ張っていく役割を担う研修員が思いを一つにして、努力し続けることで、研修をより活かしていただけるのではないかと感じました。

追加情報:ベトナム国ドンナイ省におけるものづくり人材育成事業

PREXではホーチミンから1時間、ドンナイ省・ピエンホア市の大学 1校、職業訓練短大1校の主に電気・電子科、機械科を対象に、3S、安全を学ぺるコースのカリキュラム開発と、これらのテーマを教えられる教員の育成を2014年から実施しています。(2014年・2016年度JICA草の根事業として。2017年AOTS事業として。)
最終的にはそれらの学校から、ものづくりの基礎を理解した卒業生を輩出し、近隣の工業団地に入居している日系企業へのスムーズな就職に結び付けたいというのが目的です。
本事業で育成されたベトナム人の教員は、ベトナムでは珍しく、演習を取り入れた体験型、双方向型の授業を実施することができます。
また、学校には手作りの安全体感室もあり、モーターの巻き込み、重量物物落下の危険(安全靴着用の重要性)などを実際に体感することで、安全の重要性も学生に理解してもらいます。
学校の周辺にある企業を対象に出張講座をした経験もあり、ベトナム国内で日本のモノづくりの基礎を教える教員が育っています。
この先生方が学校で指導すると同時に、ベトナムにある日本企業で指導を行うことによって、日本企業の考え方を身に付け、一緒に取り組める人を増やすことで、「ベトナム人リーダー育成研修」との相乗効果を目指したいと思います。