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インタビュー記事3:ロッテ株式会社の完全子会社への決断と経緯について- PREX Island

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インタビュー記事3:‐出口としての役割にDari Kがかける想い-

2022年のはじめに、Dari Kはチョコレート会社大手のロッテ株式会社の完全子会社になったと発表しました。
Dari Kのファンはもとより、業界全体が驚いたこの発表に関して、決断に至った経緯をお伺いしました。

※2022年3月に代表取締役の吉野慶一さんにPREX職員の児島がインタビューをさせていただきました。(以下敬称略)

農家さんが心をこめて生産したカカオ豆の出口としての役割

【吉野さん】
途上国の貧困農家に対して、国際的な機関やNGOは色々な援助を行っています。
高品質な作物を栽培できるようになるための技術指導や、必要資材の提供など。

ただ、どんなに努力をして身に付けた技術で高品質な作物を生産しても、適正な価格で買い取ってくれる販売先がないと、十分な収入を得ることができません。
それでは、農家の生活は向上しません。

援助で提供した資材が他の用途で使用されていたり、活用されずに放置されていたりと、援助者が撤退した後は、元の状態に戻ってしまうといった悲しい事例も耳にしますよね。

技術指導や必要資材を提供することは、もちろん農家たちへのサポートになると思いますが、農家が継続的に収入を得て、貧困から抜け出した生活を送るためには、生産した作物の出口(販売先)をどのように確保するのか?
このポイントが非常に大切だと思っています。

Dari Kが生産から販売までを手掛ける一貫したサプライチェーンを築いた理由もここにあります。

【PREX児島】
どんなに良いサポートも持続性がないと、一過性のもので終わってしまう。
なぜDari Kが出口戦略を重視しているのかが、よく分かりました。
出口戦略を含め、カカオを通じて世界を変えていくために、業界を驚かせた”ロッテ子会社化の決断”があったのだと推察しますが、詳しくお話をお伺いできますでしょうか。

【吉野さん】
いくら良い取り組みをしても、少しの人にしか効果が伝わらず、理解を得られないとすると、自己満足の範疇で終わってしまう。

Dari Kは先物市場で価格が決定され、農家が頑張っても報われない現状を変えるために活動しています。

これは、必ずしもDari Kだけで取り組まなければいけない問題ではありません。
先ほどお話した農園ツアーの話にも繋がりますが、同じ想いや未来を描いている仲間と共に取り組むことで、現在の状況を更に良く変えていけると思っています。

これまでにも積極的にコラボ活動をしてきましたし、最終的にはロッテの子会社になる決断をしました。
ロッテとDari Kは規模感や辿ってきた歴史など全く異なる会社ですが、実際にロッテの社長にお会いして、話を重ねる中で目指している未来が同じことがわかりましたので、今回の決断に至りました。

特に、“自社さえよければ良い“という視点ではなく、チョコレートの市場の形成を真剣に考え、消費者の意識変革に伴い、義務的に行われているCSR活動を、やってあたりまえの社会に移行する必要があると考えられている部分に大変共鳴しました。

広い販売ネットワークと高度な技術力をもつロッテに、原料のサステナブルな調達に強みを持つDari Kが加わることで、日本でもトップクラスのチョコレートメーカーであるロッテと共に、世の中に大きなインパクトを与えることが出来ると思っています。

【PREX児島】
インタビューの冒頭でもお伺いしましたが、カカオを通じて世界を変えるという吉野さんの想いが、Dari Kの数々の決断から伝わってきます。
ロッテ子会社という大きな決断を経て、周りからの反響はいかがでしょうか?
また、最後に今後の意気込みをお伺いしたいと思います。

【吉野さん】
発表して間もないですし、大きく変わった取り組みをしていないので、直接的な反応はわかりませんが、SNSなどの反響をみていると、異色の組み合わせを楽しみにしているといった、ポジティブな反応をいただいています。
今後は、みなさんの目に見える形で取り組みを加速させていきたいと思っています。

次のインタビュー

インタビュー記事4:‐Dari Kさんと出会って、私が思ったこと(PREXスタッフ寄稿)-

  • 掲載日:2022年5月31日
  • 企業名:Dari K株式会社
  • 氏名:PREX児島

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