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インタビュー記事1:生産者、消費者、環境、みんなを笑顔にする魔法のチョコレート(通称All-win Chocolate)を手掛けるDari K。立ち上げたのは、元金融アナリスト!?- PREX Island

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インタビュー記事1:‐Dari Kから始まるAll-win Chocolate-

チョコレートの生産から販売まで、一貫したサプライチェーンを構築し、こだわりぬいたチョコレートを私たちに届けてくれるDari Kさん。
様々なコラボ商品を発売し、コンビニでも商品を買うことの出来るDari Kのチョコレートをご存知の方は多いのではないでしょうか?
そんなDari K誕生のきっかけやチョコレートへのこだわりをお伺いしました。

※2022年3月に代表取締役の吉野慶一さんにPREX職員の児島がインタビューをさせていただきました。(以下敬称略)

Dari Kの誕生

【吉野さん】
Dari K誕生のきっかけは、旅行先のカフェで偶然見かけたカカオ生産地の地図にあります。
その地図には、インドネシアでカカオが生産されているということが書いてあり、アジア圏でもカカオが生産されているんだなぁという好奇心が湧きました。

なので、日本からも近いですし実際に行ってみようと。

インドネシアのカカオ農家を訪問することが出来て、私はとても楽しかったのですが、農家の人たちは、カカオ生産に対して、こだわりや、楽しさを感じていなかった。
そこがとても印象に残りました。

理由を考えてみると、カカオのような商品作物は相場が決まっています。
特にカカオの場合だと、ロンドンやニューヨークの先物市場で価格が決定されます。
つまり、生産した農家の意思は全く反映されず、取引価格も常に不安定です。
更にインドネシアのカカオは”発酵”と呼ばれる、味に深みを出すためのプロセスを行っていない農家が大半のため、品質が悪いとされ、低価格で買い取りされます。

この現状に、勿体ないと感じました。
”発酵“という作業は、ノウハウがあれば、インドネシアのカカオ農家も出来ます。
しかし、発酵させて少し高価格で買い取られたとしても、取引価格が不安定なままだとしたら、発酵させようと努力するカカオ農家は増えません。
また、取引価格が不安定なままだと農家を希望する人は増えません。
カカオを育てる農家がいないと、私たちはチョコレートを食べられなくなります。

カカオ農家を実際に訪問して、チョコレートを取り巻く環境をもっと良く出来ないのかな?と強く感じました。

【PREX児島】
旅行先で見かけたカカオ生産地の地図から、関心が湧いた実際の生産地(インドネシア)まで、行ってしまう行動力に驚きです。
カカオ農家への訪問からDari K設立までに、どのようなストーリーがあったのでしょうか?

【吉野さん】
自分の純粋な好奇心から、インドネシアのカカオ農家を訪問しただけなので、何か事業を始めようとは全く思っていませんでした。

当時私は、金融アナリストの経験しかなかったですし、チョコレートの製造や販売は全く分かりません。

ただ、カカオ農家は日本からやってきて、色々と質問する私になんだかの期待をしていたようなので、カカオの豆を購入して帰国し、日本のチョコレートメーカーさんに繋げようと企業の問い合わせページからメールをしたり、電話をしたりしました。
「インドネシアに品質の高いカカオを生産できる農家がいます。サンプルを送付するのでお話をきいていただけませんか?」といった感じで。

結果は、上手くいきませんでしたね。(笑)

だけど、インドネシアの農家は自分に期待をしているし、じゃあ、自分がチョコレートを作ろう!という決断に至りました。

【PREX児島】
カカオ農家の期待を大きく背負って、Dari Kが誕生したんですね!
チョコレートを取り巻く環境をもっと良くしたいとの想いから生まれたDari Kですが、適正な取引価格や高品質なカカオ生産のためにどのようなこだわりを持っているのか教えていただきたいです。

Dari Kがこだわる3つのこと_環境と安全と品質

【吉野さん】
私たちが普段、口にするチョコレートは、誰がどのように生産したのか、よく分からないですよね?

甘いチョコレートを食べながら、「カカオを生産してくれた農家は貧しい生活をしているのだろうか?もしかして、児童労働によって生産されたカカオだろうか?」なんて苦い現実を考えたくないじゃないですか。(笑)

だけど、児童労働や貧困という現実がインドネシアのカカオ農家さんのみならず、世界のいたるカカオ農家で生じています。

Dari Kは「KICスタンダード7ヶ条」を作りました。
環境・安全性・品質を担保したチョコレートをお届けするために、具体的な評価項目を作り、農家さんに提示します。
アグロフォレストリー農法による”環境保全”や、先ほどお話した”児童労働”の禁止、品質向上のための”発酵”に関する項目などが入っています。

実は、一般的に広く利用されている、第三者認証制度(環境や人権に配慮したことを担保するフェアトレード認証等)の中に“品質”という項目は入っていません。
Dari Kはチョコレートメーカーとして、美味しいチョコレートを消費者に届けるために、”品質“という部分には強いこだわりをもっています。

また、先ほどもお話しましたが、カカオはニューヨークなどの先物市場で、価格が決められてしまいます。
Dari Kは品質の良い(発酵させた)カカオに対しては、通常のカカオよりも高い価格(適正な価格)で買い取ります。
具体的には、KICスタンダート7ヶ条のうち5つクリアしたものを買い取りの対象にしています。
7つの項目全てをクリアした場合は、更に高い金額で買い取ります。
生産から販売までを一貫して手掛けているDari Kだからこそ、全工程にこだわることが出来ています。

Dari Kの取り組みから、チョコレートを取り巻く環境を良い方向に変えていきたいと思っています。

【PREX児島】
Dari K誕生の背景やチョコレートへのこだわりから、生産者、消費者、そして環境まで、みんながハッピーになれるAII-win Chocolateの仕組みがよく分かりました。
続いてはインドネシア現地での活動を更に詳しくお伺いしたいと思います!

次のインタビュー

インタビュー記事2:-誰でもDari Kカカオの生産地を見学できる?-

  • 掲載日:2022年5月31日
  • 企業名:Dari K株式会社
  • 氏名:PREX児島

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