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インタビュー記事1:次の50年もその先も永続する企業になりたい- PREX Island

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インタビュー記事1: ‐サステイナブルな商品サービス開発を次々と実現する今の山陽製紙は「当社を未来に残したい」という強い想いから始まった‐

山陽製紙さんがサステイナブルな商品やサービスの開発と販売を新規事業として始めたのは2007年。
そこには50年後も残る企業で在りたいという強い思いがありました。
50年後の存続を目指し始めたきっかけと今後の夢をお話いただきました。

※2021年9月に原田六次郎社長、原田千秋専務、企画開発部の武田さんと山﨑さんにインタビューさせていただきました。以下、敬称略。

経営理念の刷新

【原田社長】
創業は昭和3年、広島で紙の卸から始まりました。会社を設立したのは1957年です。2007年に社員OBとその家族も集まって会社設立50周年をホテルで祝い、「次は100周年だ」と掛け声が上がりました。しかし、次の50年を考えた時、当社の既存事業である紙の再生は衰退していくことが目に見えていて、10年も当社を維持できるのか、50年先も残ることができるのかと。でも、次の50年も残せる企業にならないといけないなと思い、経営理念を刷新しました。

山陽製紙の経営理念
私たちは紙創りを通してお客様と喜びを共有し、環境に配慮した循環型社会に貢献します。

【原田専務】
理念を刷新したのは50年後の社会に必要とされる会社になっているためです。

「50年後に製紙会社は存在しているのか」ということを真剣に考えました。
存在するためには、「限られた地球の財産を地球上の全生物と分け合って暮らす」という考え方が大切だと考えるに至りました。
自然界のようにゴミというものを作らない、循環型社会に貢献できる会社を理念として掲げたのが我が社の経営理念です。

サステイナブルな商品開発の始まり

【原田社長】
こうして経営理念を刷新した頃、偶然か必然か、和歌山の南高梅の炭を抄き込んだ紙(現Sumideco paper)を作れないかとお声がけいただいたんです。
初めて作るものでしたが炭で顔を真っ黒にしながらも1年かけて納得のいく紙を作ることができました。
しかし、売れなかったんです。
せっかく経営理念通りの紙ができたのに売れない。
それなら自分たちで売ってみようということになりました。
とはいえ、自分たちでの販売も商品企画もしたことがなかった会社です。
ここからは試行錯誤の連続でした。
(試行錯誤の様子についてはインタビュー記事2で紹介。)

【原田専務】
新規事業を始めてしばらくは野の物とも山の物とも言えませんでした。
ですが、世間でSDGsが注目されると応援してくださる方々が増えて、業務提携のお話もいただくようになりました。
本当にありがたいことです。
そのためにも、より進化していかなければならないと考えています。

【武田】
crepピクニックラグは消費者の皆さんから想像以上に良い評価をいただくことができました。
えほんピクニックというイベント(大阪市・靭公園)があるのですが、昨年ピクニックラグを買ったお客様が今年も買いにきてくださって、とても嬉しかったです。
紙でできているので絶対に破れないというものではないのですが、レジャーシートは青色無地かキャラクターものが多いため、デザイン性を気に入って買ってくださる方が多いようです。

【原田社長】
実際には、言うは易し行うは難しです。売上を伸ばすということは実際には難しい。
けれど、将来に向けてやっていかないと企業が永続できないというのがありますので。
今は社会にSDGsが浸透してきて市場からの要求が大きくなっているので、当社としても商品開発に力をいれ、来年度はより大きな目標を掲げて進めていきたいと考えています。
現時点では既存事業におんぶにだっこ状態なのですが、既存事業が存続する間に新規事業を進めることができるのは良い環境だなと思っています。

次の世代へ

【原田社長】
あと6年で1928年の創業から100年です。
今年、私は72歳になったのですが、あと6年という重い責任を感じています。
しっかりバトンタッチしないといけない。
若い人たちがどんどん育ってきているので、経営を託せるように環境を作っていくことが私の使命だと思っています。
企業は50年先も続けていかなければと思います。
50年後も続く会社にするために新しい事業を何とか作っていこうと、入社間もない人も含め皆に参画してもらっています。

経営理念として循環型社会に貢献するとなると紙の循環に意識を持っていかなくてはならない。
当面はPELP!(PAPER HELP PROJECT)を中心にして100周年には に賛同いただける企業を1,000社くらい集めたいです。
環境省は地域循環共生圏をつくる方針を出しているのでPELP! 、うちの事例が成功して先駆けになれれば。

全国に中小の製紙会社がありますので連携を深めながら、各地元で紙がぐるぐる回ればいいなと。
そんな夢を持ちながら、社員の皆さんにも協力してもらって、PREXさんにも協力してもらって、紙を大切にするという文化を広めていきたいなと思っています。

次のインタビュー

インタビュー記事2:‐ 梅炭再生紙Sumideco paper、コピー用紙のアップサイクルサービスPELP!、工業用クレープ紙から生まれるcrep開発の経緯-

  • 掲載日:2022年5月31日
  • 企業名:山陽製紙株式会社
  • 氏名:PREX奥村

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