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【PREXオンラインカフェ「e-toco(えーとこ)」】#10- PREX Island

日本企業の方々
e-toco#10:スターフードジャパン株式会社の新古社長と協力隊経験者の平松さん

スターフードジャパン 新古佑子社長 平松佑理さん

スターフードジャパン株式会社 新古佑子社長、平松佑理さん

 

PREXオンラインカフェ「e-toco(えーとこ)」では、JICA海外協力隊の帰国隊員の可能性について、お伝えしていますが、#10は和歌山にあるスターフードジャパン株式会社の新古社長と協力隊経験者の平松さんにゲスト出演いただきました。

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PREX 瀬戸口

まず、スターフードジャパンについて教えて下さい。

新古社長

スターフードジャパンは、地域の企業さまの支援を目的に設立した会社です。 企業によっては商品開発や営業のサポートをすることで、今までになかったような新しい企画や販路を導き出すようなことを行っている、プロデュース業に近い会社です。 

平松さん

食品の商品開発をしています。 関空と兵庫県豊岡市に実店舗があり、その運営も行っています。

瀬戸口

平松さんのお仕事を教えて下さい。

平松さん

和歌山本社で、卸の営業活動や商品開発のお手伝いをしています。

瀬戸口

スターフードジャパンは和歌山の会社ですが、兵庫県豊岡市の商品にも関わっているということですね?

新古社長

兵庫県の会社は事業承継として、事業が立ち行かなくなったところに、人や知恵も投資させていただいて大きく改革をしていく、まさにJICA協力隊OBの方が得意とするような仕事をやらせてもらっていて、お菓子を作っています。パッケージや製品の原料から見直すものもあれば、今あるものを少し視点を変えて販売ルートに乗せるという形で、常に業務改善や改革、もっとこんな風にできないか?という問題意識をもって働いてもらっています。

豊岡はコウノトリが有名なので、それをモチーフにしたお菓子です。

缶詰は地域団体商標で商品開発をしたり、新しい販売方法ということで、パッケージや企画を提案したり農家さんとのコラボでのカレーの企画などをしています。
商品は多岐にわたって企画をしているというのが特徴です。
JICA協力隊での問題解決の経験は、商品開発に役に立ち、非常に助かっています。

瀬戸口

平松さんはフィリピンに協力隊で行かれていたと思いますが、そこでの活動とスターフードジャパンさんに出会うまでのストーリーを教えて下さい。

平松さん

フィリピンでは「コミュニティ開発」の活動をしていて、地域の市役所に所属して女性の支援を行っていました。
地域に自生している植物を使って、ハンディクラフトを作っているお母さんたちの支援をしていました。
植物で作ったスリッパやカバンの品質改善や販路拡大の支援、また商品開発のセミナーなどをしていました。
フィリピンから日本に戻って、地域の良さを再確認して、日本でも地域や田舎をキーワードで仕事を探しているときに、JICA和歌山デスクの方を通じて声をかけてもらったというのがきっかけです。

瀬戸口

新古社長はどうやってJICA和歌山デスクとつながったのですか?

新古社長

もともと和歌山県庁の方とつながっていて、県庁の方から面白い人がいるよ、と紹介してもらいました。
JICA協力隊の活動は初めてそこで知りました。
JICA協力隊の話を聞けば聞くほど、帰国隊員のスキルはとても高いのではないかと考えるようになりました。
当社は設立から10年経過していますが、ベンチャー精神をもってやってもらわないと、物事が前に進まない企画会社なので、問題意識をもってやってもらえるということが、求めている人材と帰国隊員人材がマッチしたいということです。

PREX 前田(智)

私もJICA協力隊経験者ですが、協力隊から帰国してから田舎の魅力が分かるようになったので、平松さんはそれが仕事になっていて、いいなぁと思いました。 フィリピンや海外で働きたいとは思わなかったですか?

平松さん

海外で働きたいという気持ちももちろんあったのですが、フィリピンとつながっていたいという気持ちが強くて、当時は起業したい気持ちもあったのですが、スターフードジャパンでは兼業という形で、あきらめずに繋がれることを応援してくれるというところもあったので、入社を決めました。

前田

今はフィリピンとのつながりはありますか?

平松さん

今はないです。フィリピンにある「モリンガ」という飲んだり食べたりされているものを輸入販売したいと思って、自分自身でやっていたのですが、生産者さんと遠隔でコミュニケーションを取るのが大変で、中断してしまっていて、今は仕事を通じて繋がっていることはないです。

前田

フィリピンでの協力隊の経験、人に話を聞くとか、どういう風に動いたら周りの人とうまくいくという、協力隊での経験が生きた部分があるんじゃないかなと思います。

平松さん

今年の3月まで和菓子の店舗で働いていたのですが、豊岡市は小さい町で直営店で働いた経験はフィリピンの田舎での経験に通じることもあったのかなと思います。

瀬戸口

海外での経験を日本と線引きしてしまいがちですが、フィリピンでの経験が日本でも生きる、日本でのビジネスでもベンチャー精神や地域での活動などは活用できていて、境目なくフィリピン・海外と日本とを行き来できる発想でお仕事をされていますよね。 協力隊の経験者の方もそんな風に考えられたら、能力や経験を活かせる可能性もさらに広がるんだなと思いました。

新古社長からご覧になって、協力隊経験者の強みは何でしょうか?経験を踏まえて教えて下さい。

新古社長

協力隊経験者の強みは、自ら行動することができることだと思います。

途上国に放り出されて、自分で考えないといけないわけですから、自分で棚卸をした中で、協力できることを見出す力は、海外だけでなく日本の企業でも必要とされるスキルだと思います。
そういうところが、協力隊経験者は他の方よりもかなり優れていると感じました。
平松も待ちの姿勢ではなくて、こうした方が便利ではないか、こういうのはどうですか?と自分からの提案が多くて、こちらもびっくりするようなことあり、会社としてはいろんなことを一緒に考えていってもらえる、上下関係以上の仲間意識があります。

瀬戸口

平松さんはご自身で感じることは?協力隊経験者として感じていることは?

平松さん

商品開発もそうですし、豊岡での店舗運営の時もそうですが、直接やり取りする社外の方のほとんどが、地域の農家さんや個人の店舗経営者などなので、例えば一つのことを説明するにしても、かみ砕いて丁寧に伝えなければ、なかなか理解してもらえないことなどは、フィリピンと似ているなと思います。
そういう点は活かせていると思います。 コミュニケーションを取るとか、いかに理解してもうようにするかなど、日本語でも難しいところだと思います。 また、相手が複数いるときは、それぞれで思いや受け止め方も違うので、この点もフィリピンでの経験が活かされているな、と感じています。

前田

平松さんは和歌山の出身ですか?

平松さん

はい。

新古社長

当社としては、和歌山出身者でなくても、和歌山や豊岡で働いてもいいよという方でもいいし、関心のある方がいたら歓迎します。

平松さん

和歌山出身でフィリピンで田舎の良さを感じたので、できれば和歌山で働きたい気持ちが芽生えて、スターフードジャパンが自分が希望している仕事にマッチしていると思い選びました。

前田

お二人の関係性がとてもいいですよね?

新古社長

食べ物の好みも似ていてびっくりしています。

瀬戸口

PRしたいことがあればお願いします。

平松さん

豊岡の城崎温泉にもお店がありますが、コロナの影響で人手が少なくなっていますが、ネット販売もしているので、ぜひ見て下さい。
(検索:「豊岡」「わこう堂」)

瀬戸口

これからこんな地域を注目しています、ということなどがあれば教えて下さい。

新古社長

豊岡と城崎にお店があるので、山陰地方はまだまだ知られていないことが多いし、やりがいや一番になれる要素がたくさんあると思います。四国エリアもこれから伸びる可能性があると感じています。
和歌山の南の方、竜神や中辺路などの地域も、まだまだ可能性があると思います。

瀬戸口

ありがとうございます。スターフードジャパンさんの取り組みにも関心を持っていただきたいです。
山陰や和歌山で可能性を秘めている地域の方、ぜひスターフードジャパンさんに連絡してみて下さい。

協力隊経験者がキャリアを考えるときに、海外とつながっていなくても、国内の特に地方に活かせる場があるのではないか、ということをお伝えできたら嬉しいと思っています。
また、海外協力隊について詳しく知りたい、帰国された方にアプローチしたい方は、#8でJICA関西の津田さんに出ていただいて紹介してもらっていますのでご覧ください。

協力隊経験者の可能性も今日のお話で広がったと思います。
ありがとうございました。

  • 掲載日:2021年8月30日
  • 企業名:スターフードジャパン株式会社
  • 氏名:新古佑子社長、平松佑理氏

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