コロナに負けない。③新型コロナ感染拡大の影響は?- PREX Island
日本企業の方々
株式会社友安製作所 代表取締役社長 友安 啓則氏
自分がこれだと思うことを信じてやり続けるなら失敗はない
PREX:新型コロナ感染拡大の影響は?
株式会社友安製作所
代表取締役社長 友安 啓則氏
新型コロナウイルスの感染拡大により業績に悪影響を受けた企業が8割に上るといわれています。
その中で弊社はオンラインショップだけでなく、対面を伴うカフェや工務店の事業もお客様に来ていただけています。
このコロナの非常事態の中でお客様からの信頼を得て事業を続けられているのは、これまで「ブランディング」を大切に考え、広報や情報発信、さまざまなクリエイティブな取り組みを行ってきた結果だと考えています。
広報は一見お金を生まないイメージがあります。
どこかで紹介されたり、講演活動を行ったりして、どうなるのという雰囲気もありました。
そんな中、私たちがこれだと思うブランディングやマーケティングの方法を地道に続けてきたことが、今回のような非常時において、お客様とのコミュニケーションの基盤となっていて、着実に売り上げに結びついたと思っています。
自分がこれだと思うことを信じてやり続けるなら失敗はないということをあらためて思っています。
PREX:社員はどのように仕事をされていますか?
株式会社友安製作所
代表取締役社長 友安 啓則氏
これまで防寒対策用などで扱っていた商材「ビニールカーテン」のコロナ需要増への対応、カフェの休業期間を利用したオープンテラス改装や感染症対策のマニュアルづくり等、社員は、今できることを工夫して積極的に動いてくれています。
カフェは来店したお客さんが「友安製作所Caféは感染防止対策にしっかり取り組んでいる」とSNSで評価してくれ、これが広がっていることもありがたいです。
社長の仕事は「雇用を守ること」です。
社員には忙しいとき、辛いことにも、はっぱをかけなければいけなません。
今回は、特に物流部門にいる社員は感染への不安を抱えながら出勤をしており、負担も大きかったと思います。
社員の安全を考えれば休業すべきだったかもしれないし、休業して社員の安全を守っている会社もありましたが、自分は「仕事を止めたら、経営が続かない」と判断しました。
何が正解だったのかは分かりません。
7月には在宅勤務を解除し、通常勤務に戻しました。
「引き続き在宅勤務を続けたい」という社員も何名かいましたが、会社の方針として在宅勤務制度を導入するつもりがないことやその理由を説明し理解してもらいました。
友安製作所の社員は、「オフィス」という空間で互いから刺激を受けて色々なものを生みだしてきました。
実際に「会う」ことで生まれるものが大きく、リモートではイノベーションは生まれないと感じています。
効率だけを考えるのではなく、一緒に同じ場所で働いてコミュニケーションをとってきたことが会社のアイデンティティだと思っています。
そこは、大切にしたい点です。
PREX:社員とはどんな話をされるのですか?
株式会社友安製作所
代表取締役社長 友安 啓則氏
経営者として、将来、教科書に載るだろうこの「コロナ時代」に経営させてもらえていることを貴重な体験ととらえていますし、社員には感謝していると伝えています。
日頃は海外に出ることも多く、社員と顔をあわす時間が限られるのですが、今回は、会社にいる時間が長かったので社員と話す時間もありましたし、社員と共に商品の管理や出荷の作業をして日頃の社員の仕事ぶりを知ることができました。
リモートワークを実施している期間中、出勤する社員、在宅勤務をする社員双方がストレスを感じていました。
出勤する社員は感染への不安を抱えながら働かなければならず、在宅勤務をする社員は通常よりも不便な状況での業務が負担となっていました。
少しでも負担を和らげることができればと思い、社員全員に対して自らプレゼントを選んで小包を郵送し、この状況の中働いてくれていることに感謝の気持ちを伝えました。
リフレッシュになるように入浴剤や延長ケーブル、お菓子、メッセージを入れて、社員一人一人のこと思いながら送付ラベルを作りました。
そうした時間を持てたのもこの時期だったからだと思います。
社員は本当によく頑張ってくれています。
リモートになって「出勤しました、退勤しました」の報告だけが仕事という話も聞きます。
うちの社員は、「おうち時間にできるDIY」の動画を作ってツイッターやYouTubeに発信する企画を始めました。
会社にいないからできないではなく、自分で考えて行動しているのです。
うちの売り上げがいいのは、こういう社員がいるからです。
どういう風にしたら会社にメリットになるのだろう、と考えてくれています。
入社3カ月の中途採用の社員と面談した際に、「こんなにスタッフが働いている会社は他にない」と言われたこともとてもうれしかったですね。
「おうち時間にできるDIY」動画はこちらからご覧いただけます。
PREX:社員が自由に発言できるいい関係をつくられていますね。
株式会社友安製作所
代表取締役社長 友安 啓則氏
自分と社員は距離が近いです。
ただ、私一人が全員のことを把握するのは難しいです。
各部署に幹部をおいて事業を推進しています。
よくフラットな組織が良いという話を聞きますが、私は階層があり、そして、トップダウンではなくボトムアップで「自分はこういうやり方でやりたい」と新しいことを話せる組織を目指しています。
上司がいることは、スタッフの安心につながることもありますし、仕事を進めるうえでは、上からのプレッシャーがある程度は必要です。
それが成長できる組織だと思います。
今後の展開としては、友安製作所というブランドがあらゆる場面で結びつく「友安経済圏」を作っていきたいという想いがあります。
例えば、ECサイトで商品を購入した人や工務店でリフォームをした人がレンタルスペースに興味を持ち、レンタルスペースやカフェで家具に触れた人がインテリアや空間提案に興味を持つ、など、いま個々に展開している事業をつなげることで、当社のミッションである「Add Colors to everyone’s home ~全世界の人々の生活の一部に自社製品を~」に近づけていきたいと考えています。
株式会社友安製作所
代表取締役社長 友安 啓則氏
創業:1948年(昭和23年)
従業員数:86名
事業内容:
カーテン・カーテンレール・ウォールステッカーなどのインテリア商品や、床材・タイル・壁紙などのDIYアイテム、ビニールカーテン・ネットなどの業務用資材をオンラインショップ中心に販売。
東京浅草橋と大阪阿倍野の友安製作所Cafeでは、最先端のインテリアやDIYアイテムに囲まれたおしゃれな店内で飲食やDIY体験が楽しめる。
YouTubeチャンネルでは、「おうちDIY」「DIYチャレンジ」などDIY体験を楽しんでもらう情報発信も。
株式会社友安製作所ホームページはこちらから
受賞歴:
働きやすく生産性の高い企業・職場表彰 優秀賞
はばたく中小企業・小規模事業者300社
八尾市中小企業地域経済振興功績者顕彰
令和元年度 新・ダイバーシティ経営企業100選他多数。
- 掲載日:2020年10月15日
- 企業名:株式会社友安製作所
- 氏名:友安 啓則氏
- 役職・職名:代表取締役社長