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中小企業の井戸端会議「みせるばやお」- PREX Island

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コロナでもイノベーションを止めさせない!①みせるばやお 八尾市 松尾 泰貴氏

こんにちは!大阪の八尾市経済環境部産業政策課の松尾 泰貴です。

八尾市は1万2000社の中小企業さんが所在しているまちです。
コロナの影響で、特に製造業は大変な状況ですが、「みせるばやお」では新たに「おとなばやお」と銘打って八尾の企業経営者の対談をライブ配信し、リアルに会えないからこそ、メンバー企業の魅力が伝わるようなイベントを実施しています。
さらに、12月には「オープンファクトリー」を開催し、ものづくりのリアルな魅力を伝えるイベントを予定しています。

PREX:途上国の行政官から見た「みせるばやお」とは?

研修員受入事業に参加した途上国の行政官にとって、「みせるばやお」訪問はとても印象に残っているようです。
「地元の企業さんが集まって交流できる場を行政の方が仕掛けて作っているのが “目からうろこ” だった」という感想が多いです。
「みせるばやお」は、新型コロナウイルスの中でも盛況ですね。

松尾氏:やる気がある変革と挑戦を求める企業をとことん応援する八尾市

八尾市経済環境部産業政策課 松尾 泰貴氏

八尾市は、やる気があって変革と挑戦を求める企業をとことん応援しています。
地域の企業さんとともにまちを元気にしていければと思っています。
今までの「みせるばやお」は、リアルの対面を「売り」にしていましたが、今回はコロナの影響で「オンライン」に切り替えるしかないなと考えました。
八尾市の企業経営者からの「今、こういう手立てを打っている」という生々しい話や「人材どうしてるの?」という話を、リラックスしながら、みんなに聞いてもらうライブ配信「おとなばやお」を始めました。
「こんなの誰が見るのだろう、会員企業さん100人ぐらいに見てもらえれば‥」と思っていたのですが意外と反響があり、最初の動画はFacebook ライブで2,000回も再生されています。
結果、テレビ局の取材にもつながりました。

PREX:社長たちのしゃべり場「みせるばやお」

お忙しい社長さんが決まった時間に集まって、こういうお話ができる時間を作れるのが、すごいなと思いました。
雰囲気がすごく楽しそうで、何分か1回に「ワハハハハ」みたいな感じになっていますよね。

松尾氏:で、「ホントのところどうなの?」を大切に

八尾市経済環境部産業政策課 松尾 泰貴氏

登場している経営者の方にとって「おとなばやお」は、知っているメンバーが集まっている場です。
だから、みんな普通にしゃべっていて、ホンネを話し合える。
僕はそこに価値があると思っています。
コロナの影響をマスメディアなどが多くの情報を発信されていますが、「ホントのところどうなの?」といった手触り感ある話をしたいと思っており、僕自身が聞きたいことを話してもらっています。

 

企業は「地域づくりのプレイヤー」

松尾氏:企業は地域や行政と向き合った方が絶対いい。企業も「地域づくりのプレイヤー」の一人

八尾市経済環境部産業政策課 松尾 泰貴氏

八尾市の企業さんは東京や名古屋、海外の企業と仕事をしているところが多いです。
中には、八尾の地域内で自分たちの仕事を知ってもらわなくても生きていける、あまり地域を意識しないという会社もあります。
ですが、企業は地域や行政と向き合った方が絶対いいです。
行政には、様々な支援があります。
従業員が働く「環境」に対しての支援もその一つです。
企業にとって行政や地域とのつながりは、企業が成長する重要なポイントになると思います。

例えば、「みせるばやお」では企業同士が知り合って、「今まで他地域の会社に頼んでいたけど、八尾にこんなにいい会社があるのか、これからは、あなたの会社にお願いします」ということがあります。
地域内だとちょっと困ったことがあったらすぐ相談に行けます。
地域に経済の「循環」=「地域経済循環」をつくることは「地域づくり」にとっても大切な点です。

企業が「地域づくりのプレイヤー」として前面にでることは、これまでなかったかもしれません。
「住民自治」といわれたら、主人公は住民で、企業は入っていないと思ってしまうからです。
でも僕は、企業も「地域づくりのプレイヤー」の一人だと思っています。
「みせるばやお」では、経営者の皆さんが「地域」のことを話題にされます。
そして、今まで「大阪の企業です」と自己紹介されていたのが、「大阪の八尾市の企業です」と言ってくれるようになります。
さらに「八尾市にはこういう会社があって、「みせるばやお」の活動をしていまして・・・」と各地で話題にしてくれます。
最近は、東京の人にも八尾の存在が認知され始めてきた実感があります。
とても嬉しいことです。
行政が「このまちはすごい」とか「うちはものづくりのまちです」とPRしても、あまり発信の拡散力はなく、企業やこの地域に住む人からの発信で「八尾市」、「みせるばやお」、「八尾のものづくり企業」のブランディングが始まると思っています。

「おとなばやお」はこちらからご覧いただけます。
「おとなばやお」

 

アウトドア×フライパン

松尾氏:「みせるばやお」から生まれたもの

八尾市経済環境部産業政策課 松尾 泰貴氏

「みせるばやお」から生まれたものに、アウトドアの会社、ナチュラムさんとフライパンの会社藤田金属さんが作った鉄のフライパンがあります。
アウトドアの人気用品として、ウェブ販売でめちゃくちゃ売れています。
フライパンを作っている会社は、家庭用品を作っていて取っ手が熱くなって触れないフライパンは普通作らないです。
でもアウトドアをする人は、グローブをしているから取っ手の部分が熱くないように木の素材で加工すると、その部分が燃えたり劣化してしまう。
家庭用のフライパンを扱っている会社からは全く発想できないことなんですよね。
「みせるばやお」で異業種の方々が出会うことによって、こういうコラボ商品が生まれることが結構あります。

松尾氏:「コミュニティづくり」から始まった「みせるばやお」

「みせるばやお」は、「コミュニティづくり」から始まりました。
「コラボによる商品開発」から始まるのではなく、お互い知りあうところが大切で、その中で「あんたの会社知りたくなったから、会社見に行かせて」という興味や知的好奇心から始まっています。
集まるメンバーの中には、1年にいくつも商品開発する企業があって、その「挑戦する空気」の影響で他の会社も挑戦してみたくなるというのはあります。
その時、自分の会社だけでは完結できなくても、「みせるばやおのメンバー」に一度できるか聞いてみよう、といった流れでコラボ商品が生まれたこともあります。
例えば石鹸を製造する木村石鹸工業さんとDIYインテリア商材を製造販売する友安製作所さんとがコラボした「ウッドクリーナー&ワックス」。
床掃除はまず汚れをふき取って、さらにワックスつける2度ふきが基本ですよね。
友安製作所さんから「これ、1回にならないかな」と相談を受けた木村石鹸工業さんが、「多分できるよ」って感じでできたものです。
これも売れています。

「みせるばやお」は、社長だけではなく若手社員も参加しています。
そこから生まれた商品もあります。
例えば、木村石鹸工業さんが大人向けに「自分のオリジナルアロマスプレーを作ろう」というワークショップを友安製作所の従業員さんが見て、「これキットにした方が面白いのでは?」という話になって、商品化や動画づくりが始まりました。
この商品は木村石鹸工業の入社1年目の方が完成させ、すごく面白いものができました。
販売するまで、どちらの社長も知らなかったそうです。
従業員同士の交流から新たなものが生まれる。
これも「みせるばやお」らしいと思っています。

木村石鹸工業と、友安製作所のコラボレーション商品。
100%天然成分のオレンジオイルとラベンダーオイルで自分だけのオリジナルな香りを作れます。

コラボから生まれた商品は、「みせるばやお」ウェブサイトのアンテナショップページにも紹介されています。
→「みせるばやお」ウェブサイトのアンテナショップページはこちらから

 

「挑戦」する人ばかりが集まる場

松尾氏:信頼できる人が集まる「コミュニティ」、「挑戦」し、その「挑戦」をさらにシェアする

自分が新しいことをやろうと思ったときに、誰か応援してくれそうな人に話しますよね。
カメラ好きな友達がいたら、友達に撮影の方法をきいてみたり・・・。
でも仕事になると、聞ける相手は限られてしまいます。
そういうとき信頼できる人が集まる「コミュニティ」があったらどうでしょう。
「あの会社、動画うまく作っているから、動画の撮影の仕方とか聞いてみようか」となりますよね。
意外とお金をかけずに、自力でやれることもあります。

まずはお互いのことを知ること、そして刺激を受けて「あの人の会社が新しく挑戦しているように、うちもやってみたい」とか、「うちも、やっぱり、どうしても、新しいものを作りたい」とか思うようになること、そうしたことがどんどんつながっていくと「挑戦」ばっかりになりますよね。
その「挑戦」をさらにシェアする。
「みせるばやお」はそういう場所です。

松尾氏:企業版「井戸端会議」である「みせるばやお」

「井戸端会議」で、僕たちは知識を得ます。
誰かが困っていることとか、うわさとか、会社の方針とか、地域の話とか。
「みせるばやお」はその企業版です。
この「井戸端会議」からは、信頼関係、アイデア、商品が生まれています。
僕ら行政は、それを支援しています。
「ロケットを打ち上げるような大きいプロジェクトをしないのか」とよく言われますが、一過性で終わってしまうプロジェクトではなく、コミュニティづくりを根っこからしっかりしていかないと「持続可能」にはならないと思っています。
「熱い人」をどんどん集めて、その人たちの「思い、熱量」も伝達しながら、コミュニティがどんどん大きくなっていくのが「持続可能」のイメージです。
コミュニティからコラボ商品や企画が生まれてくると、「みせるばやお」に関わるみんなが「すごい」となります。
どこかの一企業がすごいというのではなくて、個性ある会社がぼこぼこあって、その人たちのカラーがでる方がいいと思っています。
主役がどんどん変わっていくのが理想です。

皆さん、ぜひ一度「みせるばやお」をご覧ください。
「みせるばやお」について詳しく知りたい方はこちらから

八尾市経済環境部産業政策課 松尾 泰貴氏
2008年、八尾市役所に入庁。
2015~2016年に経済産業省 近畿経済産業局にてベンチャー政策に携わる。
「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員2019」受賞。

  • 掲載日:2020年10月14日
  • 訪問先:八尾市経済環境部産業政策課
  • 氏名:松尾 泰貴氏

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