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PREXグローバルネットワーク フォーラム (ブレイクアウトルーム1:地域活性化・産業振興)

プレゼンテーション① ナイジェリア・ヘンリー氏

ナイジェリアのラゴス商工会議所で勤務しています。
JICAの中小企業振興関連のコースに参加しました。
多くの興味深い事例を知ることができましたが、私は、日本の東京都中小企業振興公社、神戸市の創業支援の取り組み、日本の中小企業の特徴、中小企業振興策、日本政策金融公庫の役割を主にアクションプランに反映させました。
帰国後に、上司に中小企業支援センター設立の大切さを説明し、その際に前述の日本での学びも関係者と共有することができました。
最終的には、上層部との話し合いを経て、2020年、ラゴスに中小企業支援センターを開設することができました。
コロナで色々なサービス提供に支障も出ましたが、将来的にも継続的に中小企業への継続的な支援を目指し、中小企業用のアプリケーションを開発するようなことを考えています。
今はコロナの影響を受けているので、対面のサービスは提供できない等、課題もありますが、中小企業への継続的な支援、そして、国内の中小企業とコンサルタントをつなげていく取り組みなど、あきらめず取り組んでいきたいと思っています。
このフォーラムに参加できて光栄です。

株式会社マネジメントオフィスいまむら 今村氏
ヘンリーさんのプレゼンテーションで、ナイジェリアの中小企業支援に対してどういった課題があるのか、関心がわきました。
日本では経営者の高齢化という特有の課題があるのですが、ナイジェリア特有の問題は何でしょう?

ヘンリー氏
やはり貸付レートが高すぎて資金へのアクセスができないことが一番大きな課題ですね。
あと、企業に対する技術導入をしたいのに、そのための資金を得るルートがないので、そこをどうにかしなければいけません。

山陽製紙株式会社 山村氏 
ヘンリーさん、サマさんご両名にお伺いしたいのですが、お二人の国でSDGsに対する関心は、どの程度高いか、ざっくりとした感触で結構ですので、ご教示いただけますでしょうか。
弊社は、紙の再利用などに注目し、環境を意識したビジネスを展開しているので、お二人の国の環境に対する状況をお伺いしたいです。

ヘンリー氏
ここ何年か、リサイクル、フードロス、ごみの分別等は、ナイジェリアにとって大きな問題になっています。
これに対して、国や地方自治体は住民の方々の意識付けが重要であると考えています。
特に今は廃棄物問題が大きな課題になっていて、まずはごみ廃棄の場所を決める、ごみの分別をしてもらう、という教育を学校でもしています。
企業に対しても、環境汚染を引き起こすような廃棄はいけないということを伝え、法律の整備をしている所です。
あとは、日本企業とパートナーシップを結び、廃棄物のリサイクルの仕方ノウハウを教えてもらう、という取り組みをしているという状態です。

サマ氏 
モルディブデでもSDGsは多くの人に知られており、関心も持っています。
課題で言えば、モルディブは観光立国なので、旅行客が出す廃棄物が多くあります。
それらの処理は、その島で発生した廃棄物は、その島内で処理をするという方法を徹底しています。
どうしても処理できない廃棄物が出たときだけ、特別な廃棄物処理施設を持つ島に持っていき処分をします。
あと、環境という視点から言えば、今モルディブではエコツーリズムを推進しています。
できるだけエコな、そして環境を意識したツアーを推進するようにしています。
山陽製紙様はリサイクルペーパーを作られているとお伺いしました。
前述のエコツーリズムの話題の中でもリサイクルペーパーは当然知られていますし、私も使ったことがあります。
御社がモルディブに商品を輸出されたいとお考えなら、マーケットは必ずあると思いますし、喜んで使わせていただきたいと存じます。

山陽製紙株式会社 山村氏
世界的にSDGS、環境、というのは大きな課題になっていると思います。ぜひチャンスがあればモルディブにも伺ってみたいと思います。

公益財団法人東京都中小企業振興公社 山本氏 
お二人に、お二人の国のスタートアップに関する動向について、お伺いしたいと思います。
と申しますのも、自分は東京でスタートアップ支援をしていますが、規制が多いため東京ではなく、より規制の少ないところで事業を始めよう、というような動きがあります。お二人のお国ではいかがでしょうか。

ヘンリー氏 
ナイジェリアは規制も少ないですし、創業は簡単で、とてもシンプルです。
外資とのパートナーシップを求めていることもありますので、特にナイジェリアの商工会議所を通じてお話いただければ、特に簡単です。日本のJETROと連携がありますので、JETRO様を通じ、ナイジェリア商工会議所にコンタクトいただければと存じます。

サマ氏 
モルディブではスタートアップは簡単です。規制もそんなにありませんし、求められている基準さえクリアすれば起業できます。100%外資でも大丈夫ですし、モルディブのパートナーと共同で創業することも可能です。個人的には、後者の方が簡単ではないか、と思います。

プレゼンテーション②  モルディブ・サマ氏

もともと観光省で勤務していましたが、今はモルディブ空港で勤務しています。皆さんご存じの通り、モルディブの主要産業の一つに観光があります。
今回のコロナ禍で色々ありましたが、政府も各種対策をとり、観光業は順調に回復しています。
私はJICAの観光振興研修に参加したのですが、日本で学んだ「おもてなし」が印象に残りました。
「おもてなし」は見返りを期待せず、より一層の無形のサービスを提供しようとする心だと理解しました。
そして、「おもてなし」のこころは私が日本で研修を受けている間、実際に体験したことです。
日本の皆様の親切な心は、「おもてなし」の精神の体現で、私にとって最上の体験でした。 この体験を生かし、勤務を続けていきたいと思います。

田代珈琲株式会社 田代氏
モルディブの研修員の方が来られて、それがご縁でモルディブにカフェを作りたいという方に協力することになり、私たちもコーヒーをモルディブに輸出するというご縁ができました。
紆余曲折があり、ご縁のできた方はコロナの影響も受け、カフェを作る、という戦略よりは、リゾート地域に自分の商品を販売していく方向に方向転換をされています。
モルディブの中小企業の方にとっては、リゾート地域に自社製品を販売していく、というのは一般的な事なのでしょうか。

サマ氏
たいていの場合は、中小企業直接ではなく、卸売りは大企業が担うことが多いですね。
ですので、その方がリゾート地域に商品の販売をお考えなら、自社単体として売り込みをされるよりは、卸売りをしている大企業につなげてくださるような仲介業者さんを探されるほうが有効では、と思います。

平井准教授(ファシリテーター)
ナイジェリアとモルディブからのプレゼンテーションをいただきありがとうございました。
お二人には、参加者の方からの多くの質問に答えていただきました。
出てきたトピックとしては、SDGsがそれぞれの国でどう受け取られているか、またスタートアップとそれに関する規制などについての質問がありました。参加者の皆様には多くのご質問をいただき、ご協力ありがとうございました。

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