外国人社員の存在が、私自身の意識や価値観を変える原動力でした。- PREX Island
日本企業の方々
インタビュー①:株式会社三栄金属製作所 代表取締役社長 文 敬作氏
株式会社三栄金属製作所(金属プレス加工 金型製作 大阪市生野区)代表取締役社長 文 敬作氏
成果と能力によって日本人と平等に評価しています。
株式会社三栄金属製作所の文敬作です。
弊社は2006年に従業員10名でスタートしました。
今、従業員は100名となり、うち50人がベトナム人です。
大阪の製造業は人材が不足しています。
日本の高校生にいくらPRしても働きに来てはくれません。
海外の人に来てもらい、共生していかないと事業は継続できません。
ベトナム人従業員を初めて採用したのは2007年です。
金属プレスの仕事が増え技能実習生2名を採用しました。
21歳と27歳の若いベトナム人でした。
言葉もわからないのに、プレス作業ができるのか不安でしたが、身振り手振りでコミュニケーションをとりながら、自分で工夫して作業ができる人材でした。
2008年のリーマンショックの時には、ある会社がベトナム人のエンジニアを大量に解雇しているので雇ってほしいとコンサル会社から相談を受け、2名を採用しました。
その後は毎年ベトナム人従業員を採用しています。
初めのころに採用したベトナム人が辞めずに働いてくれているので、その後に採用する従業員のモデルとなり、次の世代が育つ循環ができています。
彼らは夢と覚悟をもって日本にやってきます。
「日本に家を持ちたい」「日本で子供を育てたい」という彼らの気持ちに応える形で、会社の制度を整えてきました。
そうして今の私があり、会社があり、社員がついてきてくれるのだと思います。
トゥン君に工場長を任せたのは、私が18歳の時に親がやっていた工場です。
古い工場ですが、専門家に見てもらうと、これだけできるのかと言われるほど整理整頓が行き届いています。
引き出しを開けると工具がそろっています。
今ではトゥン君だけでなく、他のベトナムの従業員も品質管理のリーダーとなり活躍してくれています。
トゥン君たちには、PREXの「ベトナム人リーダー育成研修」に参加してもらいました。
研修に参加する前は、トゥン君が自分のところに泣いて来たこともありました。
日本人の社員が話を聞いてくれないことや苦労もあったようです。
研修後は、ずいぶん考え方が成長し、良い、悪いの判断がつけられるようになっています。
PREXの研修は日程が決まっていて、仕事をしに来てるのに、そんなに研修に参加して大丈夫かという心配もありましたが、研修期間だと思って割り切って、「お前に託したぞ」と送り出すしかありません。
託すとそれに応えてくれるものです。
これからも日本の高校生が当社を就職先に選ぶことはあまり期待できません。
ベトナム人従業員を採用して、いろいろな研修に参加させるのがいいです。
意識が変わるのは間違いありません
教えたらできます。教えていないだけです。
ベトナムでは、机の上のごみは下に落とします。
机を拭いて掃除をするという習慣はないそうです。
でも教えたらできます。
教えていないだけです。
きちんと教えて、平等に評価すると海外の方も働ける会社になります。
人が集まるところに仕事が来ます。人がいなければ仕事は来ません。
トゥン氏
2022年にPREXの「ベトナム人リーダー育成研修」を受講しました。
研修で学んだことを仕事に活かしています。
3Sや5Sや報連相、オフィスをきれいにする課題に取り組み、ワークショップを開催して学んだことを工場のみんなと一緒に勉強しました。
職場環境を改善するため、みんなで集まって意見を出し合い必要なところはすべて清掃しました。
私の職場は以前よりもきれいになりました。
働く人が快適に感じるように、より多くの人に多くのスペースを確保できました。
同僚や部下との関係作りも大切にしています。
みんなで交流したり、仕事や困っていることについてお互いに話し、助け合います。
研修で学んだことは何でもまず自分で十分に理解してから、他の人にも伝えました。
共に働く皆さんや会社にとって一番大切なことは、仕事に対する報連相だと学びました。
会社は私をサポートし、日本での生活と仕事について多くのことを教えてくれます。
- 掲載日:2024年1月17日
- 企業名:株式会社三栄金属製作所
- 氏名: 文 敬作氏
- 役職・職名: 代表取締役社長