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インタビュー記事2:「傷のない革を下さい」と頼んだら、3時間の大目玉をくらって出会った「ちゃんと地球に還る革」栃木レザー。- PREX Island

日本企業の方々 SDGs
インタビュー記事2:栃木レザーとの出会い

※2023年10月に社長の中辻大也さんと、(インタビュー中は大さんとお呼びしています) デザイナーのなぎささんにPREXの児島、奥村、田中、荒木がインタビューをさせていただきました。

最初は「革」のことなんて何も知らなかった。

【PREX児島】
環境に配慮されている「栃木レザー」の素材をメインに革のモノづくりをしているのは、クアトロガッツ商品の魅力の一つになっていると思いますが、「栃木レザー」を使われ始めたきっかけをお伺いできますでしょうか。

【大さん】
革のモノづくりを始めたのは、先ほどもお話しました軽トラいっぱい分の革をもらったことがきっかけでしたが、商品が売れて革がなくなると、次は革を仕入れにいきます。

当時は革のことも、ビジネスのことも素人でしたから、革を売っている卸売りに「革を売ってください」と行ってみたのですが、どこの誰かもわからない、路上で販売しているような若い二人組に革を売ってくれるところはなく、大半は門前払いでした。

諦めずに探し続けていると橋本産業という「栃木レザー」を専門的に扱っている会社と出会いました。

※栃木レザーをもっと詳しく知りたい方はこちら↓
「ちゃんと地球に還る革」栃木レザー専務取締役遅澤さんに聞いてみた|小さい財布の小さいふ。クアトロガッツ公式Webshop

アポなしで訪れたんですが、おっちゃんが出てきてくれて、僕らの相手をしてくれました。
革を色々と見せてくれたのですが、傷がついていたので、僕らが「傷の少ない革が欲しいです」と言うと、大説教を食らいまして、、、。
最初は、革を買いに行ったのに、なんで怒られなアカンねんと思いました(笑)。

ただ、この時に僕らを相手にしてくれた、おっちゃんは、革業界では知る人ぞ知る橋本会長だったんです。

※橋本会長とは↓
『わかる。ハシモト会長かく語りき』-小さい財布の小さいふ。クアトロガッツ公式Webshop

本物の革(人工的ではなく自然な革)は、動物が生きていた証なので、傷がついているものであるということを、この時に教えてもらいました。

栃木レザーは「効率」より、「いかに自然であるか」を重視して作られていて、製造過程が環境にとても配慮されています。
植物成分で鞣(なめ)されているので、自然分解されて土に還る「ちゃんと地球に還る革」なんです。

3時間ほど、僕ら2人のためだけに時間を使ってくれまして、
「本物の革とは何か」
「環境に配慮した作り方は時間やコストがかかっても大切なことなんだ」
ということを教わりました。
今思えば、本当に有難いことです。

すっかり橋本会長の話に魅了されましてね、そして迫力もあったんですよ(笑)。
最後は「栃木レザー買います」と勢いで購入することが出来たのですが、「栃木レザー」で商品を作ると仕上がりが全然違うんですよ。
お店に出しても売れるスピードも全然違いました。

僕は、信じる人を間違えないという良いところがあるのですが、この時、橋本会長を信じて「栃木レザー」の世界に入りました。

当時の僕らは、1~2枚程度しか買うことが出来なかったんですけれど、それでも橋本会長は売ってくれました。
それ以来、クアトロガッツはずっと「栃木レザー」を使い続けています。
今は少しでも売上げで恩返ししていきたいなと思っています。

【PREX児島】
クアトロガッツでは、SDGsの考え方が社会に浸透する前から、環境に配慮した植物成分で鞣された「栃木レザー」をメインで使った革のモノづくりをされていますが、環境に対する意識が変わったことや、SDGsが社会に浸透する前後で何か感じていることなどはありますでしょうか。

栃木レザー使ってて良かったわ~!!!

【なぎささん】
2015年以降SDGsが社会に浸透してきて、世間が環境への配慮に関心を寄せるようになったな~という感覚はありますが、私たちの考えが変わったということはないですね。

もちろん初めから、SDGsへの意識があったわけではないです。
本物の革を教えてくれた橋本会長との出会いから、自然に配慮されて鞣された革の方がいいじゃん。と思いまして、値段は高くなっても、「栃木レザー」を使い続けてきました。

私たちが栃木レザーを使い始めたときは、知っている人も少なかったのですが、今では革好きの間では、知っている方も増えてきていて、注目されています。

SDGsが社会に浸透してきて、感じること、そうですね~。

【大さん、なぎささん】
栃木レザーを使ってて良かったわ~!!!
橋本会長言ってた、本物の革を使え!っていうのは、正しかったんやな~。
信じてよかった~。
こんなとこです(笑)。

10年前にお客さんに届けた商品に再会。「経年変化」で感じる栃木レザーの魅力。 

【なぎささん】
環境配慮の面で「栃木レザー」は優れているのは、もちろん魅力的なポイントではありますが、私は「経年変化」をとても魅力に感じています。

10年前に商品を買ってくれたお客さんが、10年後に売り場に来て「こんなんなったで!」と、見せに来てくれたことがあったんです。
きちんと手入れもしてあって、すごく大切に使ってくれているのが嬉しかったです。

自分たちで心を込めて作って、お客さんに届けた10年後の商品を見たときに、10年も続けていたんだなっていうことを感じて感慨深い思いにもなりましたし、本物の革の凄さを確信しましたね。
ピッカピカに輝いていました!

【PREX児島感想】

SDGsが社会に浸透してきた今でこそ、使われている素材は環境に配慮されたものかどうかに関心を寄せる人も増えてきました。

社会の意識が変わり始める前から、「栃木レザー」との出会いで、社会や、他の誰かから言われたわけではなく、自分たちが良いと思った選択を信じて続けてきたクアトロガッツ。

そんなクアトロガッツの魅力はまだまだあります。
次の記事では、平和への想いを込めた取り組みについてのインタビューをまとめています。

インタビュー記事3:平和への想いを込めたモノづくり

  • 掲載日:2023年11月23日
  • 企業名:株式会社ガッツ
  • 氏名:PREX 児島