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【SDGsコラム⑥】擦らないでも消せる『消しゴム!?』を自作​- PREX Island

PREXスタッフ SDGs
【SDGsコラム⑥】擦らないでも消せる『消しゴム!?』を自作​

みなさん、こんにちは!
SDGs推進チームからコラム⑥をお届けします。

【背景】
昔話をしよう。
工学系の学生はT定規に手を添え、製図板に向かった。
鉛筆で書き損じた際は、消しゴムと『字消し板』なるものを用いて、細部を消して描き直す。
電動の消しゴムを使うと、その効率が上がる。
就中、トレースして墨を入れた後に修正する際は、電動消しゴムの先を砂消しゴムに取り替えるときれいに消すことができた。

【課題】
昨今、文具用品の某社から消せるボールペンや蛍光ペンが発売されて久しい。
これらの筆記用具には特殊インクが用いられており、付属の樹脂部分で擦ると、その摩擦熱でインクが見えなくなり、上書きできるため、書き損じの紙が削減され、資源の無駄使いが抑えられる。
しかしながら、これらの弱点は薄い紙では紙が傷み、伸びたり破れたりする。
また、印刷物の文字上に引いた蛍光ラインを消そうとすると、印刷された文字のインクが伸ばされ紙面が汚損され、悔やまれた諸氏も多いのではないだろうか。
小職は多くの面積を消そうとしてアイロンをかけ、重なっている複数頁を消し去ってしまうという失態をおかしてしまったことがある(笑)

 

【方策】
消せるボールペンやラインマーカー専用の電動式ならぬ、『電気式消しゴム』を自作してみた。
使い方は簡単、スイッチを押しながら、文字やラインの上を軽く、なぞるだけで紙を傷めることなく、
印刷された印字も汚すことなく、書いた文字やラインを消すことができる。

【原理】
「リセッタブルヒューズ」とも呼ばれるPPTC(Polymer Positive Temperature Coefficient)素子に電流を流すと発熱する特性を利用、その熱でインクの色を消す。
 また、この素子は温度上昇すると電流を遮断する特性があるため、設定された温度以上にはならないので、電池の無駄や過加熱の危険を抑えることができるという点でも優れている。
 この発熱素子は寒冷地仕様の自動車エアコンの暖房補助や家電のモーター過熱防止にも使用される。

 

【実施(工作)】
 電動消しゴムのモーター部分を外して、結線をPPTC素子に入れ替える。

 

【評価】
PPTC素子の固定が難しく安定性を欠くため、素子の周囲にフッ素樹脂(テフロン)製のスリーブを配することで解決。
軽く文字をなぞるだけで、紙に触れなくても消すことができる。
乾電池を充電池に替えることで、繰り返し使うことができて、環境にもやさしい。
〈材料費〉電動消しゴム(¥1500)、PPTC素子(¥20)

 

前回のSDGsコラム(冷風機の自作)に続き、省エネを考慮した実験をご紹介しました。
次回のSDGsコラムもご期待下さい!!

SDGs推進チーム一同

  • 掲載日:2023年6月6日
  • 氏名:SDGsチーム

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