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さばえSDGs推進センター インタビュー記事3:ジェンダーギャップ指数改善のためには、「みんなの意識を変えること」- PREX Island

PREXスタッフ SDGs
インタビュー記事3:ゴール5「ジェンダー平等を実現しよう」についての想い

世界ジェンダーギャップ指数ランキングにおける日本の順位を皆さんご存知でしょうか。
146ヶ国中116位です。
17個のゴールの中でも特にゴール5「ジェンダー平等を実現しよう」の達成に取り組むお二人に、日本のジェンダー指数改善に向けての思いを伺いました。

自由に生きる幅を広げること。それがジェンダー平等。

【サマンサさん】
ジェンダー平等に対して、誤解を持っている人が多いと感じています。
例えば、お年を召した男性は「男性の権利を奪われる」、「性別の境界線がなくなる」、「家事は5分5分にしないと」といった風に自らの立場を守る傾向にあります。
でも、ジェンダー平等とは決してそういう意味合いではありません。
ジェンダー平等は自由に生きる幅を広げること目指すものです。
男性だからと言って、バリバリ働いて家族を養わなくてもいい。
女性だからと言って、家庭に縛られなくてもいい。
性差に関わらずできる人ができることをする。
そういった固定概念をなくすことが大切だと思っています。
ジェンダー平等は決まった枠組みに当てはまるものではなく、自分の性別に関係なく、やりたいことを安心してできる社会づくりを進めることによって、「選択の自由」が当たり前になり、今よりはみんなが自分らしく生きられるようになるのではないかと思います。
そういう世の中の実現に向けて、まず私たちにできることをそれぞれの家庭の事情や家庭環境によって柔軟に考えるとよいかなと思います。

まずは考えるきっかけをつくること。そして話をすること。

【サマンサさん】
センターでジェンダーに関する話を提供することで、初めて参加した方がこれまで自身が持っていた考え方そのものが「ジェンダー平等」に対する固定概念だと気が付けることがあるんです。
気が付くことができると、これまで当たり前だと思っていたことに対して意識を向けることができます。
意識することで少しずつ考え方を変えることができ、それが行動につながります。
そして周りの人と話すこと。こういった方が増えていくと、少しずつ社会は変わっていくと思います。

【関本所長】
昔共働きをしていた時に、「食洗機を買ってあげる」と、妻に言ったことがあります。
妻から、「お皿洗いは私の仕事ではない!」と指摘を受けました。
気が付かないうちに、私自身の中にお皿を洗うのは女性の仕事という考えがあったようです。
先ほどサマンサが触れたように、ジェンダー平等に誤解を持つ傾向にあるお年を召した男性の気持ちもとてもよくわかります。
でもサマンサと仕事をして、話をすることで、私も理解を深め考えが変わってきました。
できる人がやればよい、その意味がよくわかるようになりました。
そして、今では「イクメン」という言葉にも疑問を感じるようになっています。
どうして、男性がすると褒められるのに、同じことをしても女性は何も言われないのかと。
そういう個人の日常の意識から変えていく必要があると思っています。

【サマンサさん】
日本はジェンダーギャップ指数が低く、北欧諸国は高い傾向にあります。
北欧諸国のジェンダー指数が高いからといってそのまま日本に当てはめようとしても意味がありません。
ジェンダー平等の妨げになっている原因は、国や地域によって異なるため、日本は日本のジェンダー平等について考える必要があります。
政治・経済・環境、多面的に考えて日本に合わせたジェンダー平等の形を見つけることが重要だと思います。
いつまでたっても、「性」に対する古い考え方があると、日本は変わらないと思います。
みんなの気づき、気づきからくる行動変化でちょっとずつ変わっていくことを期待しています。
また、センターはそうしたきっかけの場・行動に移せる場としての役割を果たせると思います。

鯖江市だって決して完ぺきではない。でも鯖江市が他の市とは違うところは向き合ってもがいていること。

【サマンサさん】
日本の場合はジェンダーの話がタブー化されているような気がします。
いろいろな問題と課題が複雑に絡み合っています。
メディアもまた、問題を少し難しくしている原因を担っているような気もします。
鯖江市に関しては、実際ジェンダーの格差はあるけれど、その格差についてじゃあどうすればよいのか、ということを考えることができていると思っています。
きちんと向き合っているところは鯖江市のいいところだと思います。

【関本所長】
例えば、区長会と婦人会で話し合う場があるとします。
そこで、ジェンダーについての意見を交わしあえることが大切だと思います。
もちろん反対意見出ても構いません。
とにかく話をすること。
そうすることで、ジェンダー平等についての理解が深まっていくと思っています。
鯖江市はそういった議論ができる、まちだと思っています。
鯖江市はこれからも「ジェンダー平等こそが輝く未来への鍵」を合言葉にして取り組んでいきます。

ここまでのインタビューの感想

私自身も「ジェンダー」と聞くと、なかなかフラットに会話ができる印象がありません。
勝手なバイアスがかかっていることがあるのでは?
私はそもそもどこの立ち位置なんだろう?
と自問自答することが多いです。
そういったテーマに対して、関本所長そしてサマンサさん、お二方の口から出た「話をすること」というお言葉はとても心に響きました。
とてもシンプルでした。難しくしているのは私自身だなと感じました。
話す場を設けること、話している場に参加してみること、私自身も向き合い方と考えるきっかけとなりました。

みなさん、さばえSDGs推進センターの取り組み、そしてセンターで働く関本所長、サマンサさんの想い、いかがでしたでしょうか?

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  • 掲載日:2023年2月14日
  • 氏名:PREX SDGs推進チーム