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インタビュー記事3:新規事業は焦らず腰を据えて取り組む- PREX Island

日本企業の方々 SDGs
インタビュー記事3:新規事業の芽を育てる組織

新規事業は焦らず腰を据えて

【辻】
今のところアフリカ事業で出る利益はそう多くありません。
そのため現地のパートナーに利益を製品や技術の普及活動に再投資してもらっています。

実は、以前興した新規事業がアフリカ事業とは比べ物にならない程の大幅赤字を出していましたが、今は当社を支える収益事業になっています。
そういう経験があるので、新規事業は焦らず腰を据えて取り組もうと思っています。

アフリカ事業を進めた結果、社内に活気が生まれました。
新しいことというのはそもそも活気が出ますし、アフリカ事業により当社の知名度が向上しました。
今までは「辻プラスチック?プラスチックの会社が何をしているの?」というものだったのが、「辻プラスチック?あぁ、アフリカ進出してるところだよね」と。
社員自身が当社を説明する機会も増えました。
何より、今までtoBのみだったところがtoCになり、当社の製品ユーザーの声を直接知ることができるようになりました。
このことが、とても励みになります。

また、販路開拓にも繋がっています。
「アフリカ事業の話を聞かせてほしい」とのことでご説明した企業さんから、プラスチックのtoBの方でオファーをいただく機会が増えました。
アフリカ事業の方も現地パートナーが国連案件に繋げてくるなど頑張ってくれていて、全体的に良い方向に向かっていると感じています。

インターンシップは全社総力戦・アフリカ出張は一人で

【辻】
現在、当社の従業員は31名。
海外部は4名で他の業務も兼任です。

インターン生の受け入れは海外部が中心になりながらも、技術的なところは技術職社員の力が必要になります。
「英語が・・・」など皆最初は戸惑っていましたが、そこは強制です(笑)。
今では社内に外国人がいることが当たり前になって慣れてきました。
長期だと時間的なゆとりもあるので、海外部が準備した英語資料と翻訳アプリを使って和気あいあいと当社製品技術を学んでもらっています。

海外部は私と林とあと2名です。
林はタンザニア調査の終了後すぐに入社しました。
採用条件は「アフリカの課題解決に関心があること。
そして、アフリカに一人で出張できること。」
関心がある人はわりといるのですが、一人で出張できる人はなかなかいませんでした。
実際、林には入社から数か月後にはアフリカに行ってもらいました。
もう一人の社員も同様です(ただし、現在は安全確保のため2人以上を推奨)。

もう一人はソーラー事業部のリーダーを引き抜きました。
事業が上手くいかなかった時に、元の事業部に戻れるようにと。
強制です(笑)。

自分で考え行動できる環境を作った結果

【辻】
当社は自由という訳ではありません。
ただ、自分で考え行動できる人で在ってほしいと思っています。
日頃から社員が自分で考え行動できる機会や環境を作ることを意識しています。
実は明日から私と林以外の比較的経験の浅い2人がブルキナファソへ出張しますが、リーダーは今年入社した社員を抜擢しています。
細かく指示は出していますが、現地を見て感じ、向き合い考える練習になればと。
そういう機会や環境を作ろうとすると、自然と一人一人が権限を持ち自由にできる環境になっています。
その分、自分自身でやることが多くて大変ですけどね(笑)。

【PREX奥村】
皆さん、辻プラスチックさんのアフリカビジネスやそれを実現する考え方、いかがでしたか?
海外事業、社会課題解決ビジネス、人材確保と育成、組織などの参考になる要素が多く含まれていたと思います。
同社のアフリカ事業に今後も注目です。

次のインタビュー

インタビュー記事4:新しい事業にチャレンジする組織に必要な3つのこと

  • 掲載日:2022年11月5日
  • 企業名:辻プラスチック株式会社
  • 氏名:PREX奥村