コロナに負けない①いろんな人とつながって、笑いあってするのが仕事ですよ。- PREX Island
日本企業の方々
近畿工業株式会社 代表取締役社長 田中 聡一氏①
JICA研修で各国の行政官にオンラインでお話ししました。
コロナの影響で、中小企業を取り巻く環境はいろいろ変化しています。
しかし、変わっていく環境を嘆いても、何も変えることはできません。
私たちにできる唯一のことは、変わった環境下で市場が何を求めてくるのか想像し、「私たち自身が変わること」です。
そうしないと生き残ることはできない、と考えています。
例えば、「テレワーク」。
コロナ後、満員電車で通勤する日々に戻るのか?と想像すると、おそらく3割の人はこのまま「テレワーク」を継続するでしょう。
そうなった時に、わが社が鉄道関係の部品を作っているとすると、3割ぐらいは作れなくなります。
自転車やバギーが鉄道に代わるのか、その時私たちが何に役立てるのか、それを考えて技術を高めていく必要があります。
このように社会全体の方向性を想像して、会社のなかのカイゼンの目的をそちらにむけていくとか、さまざまな対応を考えていくことが人間に求められています。
そのために「5つの人間力」を高められるように、近畿工業は人づくりを行ってきました。
スタートして14年が経ちますが、社員の成長を実感することが増えました。
「5つの人間力」とは
①変わっていく環境に対して、まず好奇心を持つこと
②すぐに行動ができる
③やりだしたら結果が出るまで必ずやる
④可能性思考で笑顔
⑤自分の考えを人に伝え、相手が考えていることを理解する会話力です。
(5つの中で⑤が最も大切)
20人の職場ですから、これを浸透させるのに難しく考えることはありません。
私は、社員の仕事の仕方やものの扱い方をそばで見ていて、社員が「何のために、誰のために、何をしたいのか」ということを考えるように質問攻めにしているだけです。
経営理念も同じ方法で浸透させました。
近畿工業株式会社 代表取締役社長 田中 聡一氏インタビュー②はこちらから
研修員からこんな質問がありました!
研修員
バーチャル工場見学で御社の様子がよくわかりました。
規模は大きくないですが、新しい設備が整っていると思いました。
20人の社員のうち4人の女性が働いているということですが、男女差別をなくしていこうという考えからですか?
田中 聡一社長
「一つのことをいろんな角度から見ましょう」とよく言います。
工場でも、男性ばかりだと一つの方向からしか物事が見えていないのだろうと考えました。
「女性が一緒に働いてくれるような金属加工業」にしたいという思いもあります。
今は中国やベトナムの方も一緒に働いてくれています。
「OSAKA町工場EXPO2020」で近畿工業のバーチャル工場見学ができます。
- 掲載日:2021年11月10日
- 研修名:2021年度 JICA中小企業振興政策(遠隔研修)
- 企業名:近畿工業株式会社
- 氏名:田中 聡一氏
- 役職・職名:代表取締役社長