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海外協力隊を経て、 ビジネスの世界へ。- PREX Island

日本企業の方々
共創の未来へ①

辻プラスチック株式会社の 林 佐紀です。

弊社はニジェールとセネガルに現地法人があり、その支店を通して製品のサブスクリプションのビジネスをしています。
アフリカは約6億人が電気のない生活をしていますが、携帯電話の需要はとても高いです。
携帯を持っていたとしても、問題は充電で4キロ先まで充電しに行くという方もいました。
効率が悪く充電費用もかかるため、なんとかできないかと留学生・現地の方と太陽光で発電しUSBで直接つないで、ランタンや携帯電話に充電ができる製品を開発しました。
中小企業の強みは技術力、中小企業ならではのフットワークの軽さ、支援窓口の存在です。
その反面、情報収集、語学、人材などに限りがあります。
海外ビジネスをするとなると現地パートナーの発掘が一番のネックになります。
協力隊の強みは、現地に実際に居住した経験から、「現地の人目線」で生活の価値や質が見えること。
アフリカに派遣された協力隊は体力と「なんとかなる」 精神が強い傾向にあると思います。
問題にぶち当たった時も、「どうしようか」 と悩んで止まってしまうのではなく 「じゃあこうしよう」 と解決策を考えることが自然と身についています。
アイデアを出す癖がついているということです。
ただ、協力隊は2年という期限付きで、使える資金には限りがあります。
またあくまでもボランティアで、ビジネスの経験や知見が限られます。
企業と協力隊が協力した結果、お互いの課題を補えたところが多くありました。
今、弊社ではエンジニア、上司、そして私がアフリカ案件を担当しています。
過去は上司が1人で担当していましたが、案件が増えると人材が必要です。
アフリカは今後人口が増えてマーケットが大きくなります。
また、弊社の製品が一番生かせるのもアフリカだと考えています。
私はアフリカのファン。
でも上司はアフリカが好きなわけでなく、ビジネス展開をすることに興味があります。
アフリカ好きな人ばかりの会社だと周りが見えなくなりますが、アフリカ好きがいてビジネス目線で考えられる人もいます。
両方の視点がないと、ビジネスの統制もうまくいかないのではないでしょうか。

辻プラスチック株式会社の林 佐紀さんにゲスト出演いただいた PREXオンラインカフェ「e-toco(えーとこ)#9」はこちらから

国際交流部の前田(智)です。

アフリカのことわざに「Fast Alone, Far Together」 というものがあります 。
「早く行きたければ、ひとりで進め、遠くまで行きたければ、みんなで進め」という意味です。
アフリカビジネス展開のために、辻プラスチック株式会社は、留学生や現地の方々と協働し、商品開発、販売をされています。
また、アフリカ事業チームを越えて会社全体の交流も生みだしています。
そうして全員の協力で、現地で本当に使える製品を製造されています。
まさにことわざ通り。
このコミュニティ間の仕掛人、間をつなぐ人が元協力隊の林さんです。
お互いの強みや弱み、限られた知識や経験から、お互いの課題を補完し新しい取り組みを生み出し問題解決に取り組める人材が企業では求められており、協力隊はそれができるのではないかと考えています。

  • 掲載日:2021年7月21日
  • 企業名:辻プラスチック株式会社
  • 氏名:林 佐紀氏