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モンゴルの信用保証制度の運用強化に向けて/JICAモンゴル中小企業金融およ び信用保証機能強化研修(2013年9月)


PREXは、JICAから委託を受け、9月26日から10月3日までモンゴルの信用保証機能強化のための研修を実施しました。
モンゴルで整備されて間もない「信用保証制度」の運用をいかに強化するべきか、これからの運用のための規則、規範作りをどう進めていくべきかを課題に15名の研修員が来日しました。

研修で学んだことをまとめるモンゴルの行政官。

研修で学んだことをまとめるモンゴルの行政官。


2012年11月開始「モンゴル中小企業信用保証ファンド」

モンゴルでは産業の中でも鉱業セクターが非常に大きな割合を占める一方でそれ以外の産業の育成や雇用の促進が課題となっています。
特に雇用促進の面から労働人口で大きな割合を占める中小企業の育成が政策課題となっています。
2012年に中小企業の資金アクセスを改善するためにモンゴル政府は、信用保証制度の設立に向け、同年2月10日に「融資保証基金法」を制定、同年11月より「信用保証ファンド」を運用しています。
しかしこのファンドは、歴史が浅いため、運用の細かいルール作りが十分になされていないという課題がありました。
このような背景から、ファンドに出資をした団体、運営にかかる機関、協力をする銀行など、関係者が一堂に集まり、いかに効率よく、公正な信用保証制度運用ができるかを学ぶ研修を実施することになりました。

質問が途切れない研修

休日を移動に使ってもたった6日間の研修です。
その中に、信用保証制度の概要、関係機関の活動、目的、細かい運用についての内容を盛り込まなくてはいけません。

東京で最初の訪問先となった全国信用保証協会連合会では、「保証料の支払いはどうするのか」「その計算方法は」「保証を付ける中小企業の経営状態を判断するのは金融機関か、保証協会か」「保証をつけて返済がされなければどうなるのか」と矢継ぎ早に質問が出ました。

忙しい研修の最終日、「日本は中小企業を支援するべきという理念がいきわたっている」「融資評価のために、データを使った分析も役立つ」「しかし、最終的な責任が少し不明確では」など日本の制度でよいと思ったこととモンゴルには適応できないと思ったことを多々あげられていました。
短い研修ですべてを学んでいただけたとは思えませんが今回の研修がきっかけになり、よりよい、モンゴルの企業に頼られる信用保証制度ができることを願っています。

国際交流部 関野