JICA研修 投資促進・ビジネス環境整備(B)<2025年1月~2月>
本研修は、アフリカ諸国における安定的な経済成長のための産業構造構築を目指し、自国の未発展な零細中小企業への支援を中心に国内地場産業の活性化を行い、同時にビジネス環境の整備を進めることにより外国投資を促し、持続可能で包括的な開発が行われることを目的として、アフリカ各国の研修員を対象に約1か月訪日研修として実施されました。
【コースリーダー高橋先生、井手上先生(オンライン参加)による事前課題発表への指導】
Q1, アフリカ諸国は、継続的かつ安定的な成長を皆が享受できる産業構造を備えているだろうか。
Q2, 継続的かつ安定的な成長を皆が享受できるための投資が奨励、促進されているだろうか。
Q3, アフリカの起業家やその他のアクターは、継続的かつ安定的な成長に資する分野に資する意欲や潜在的な能力を持っているだろうか?
上記3つの質問は研修の初日に高橋先生から研修員に投げかけられた問いです。本研修は研修員が自国の現状(強みや弱み、課題等)を見つめ直すことからスタートします。そしてさまざまな機関を訪問することを通じ、日本における投資誘致やビジネス環境整備の政策を学ぶだけではなく、海外に積極的に進出している企業訪問により、投資側の視点を踏まえたリアルなコメントを聞くことが出来ました。ほかにも、課題を克服するための論理的プロジェクトを立案することを目的とした演習として「課題分析ワークショップ」を取入れ、研修員自身が直面する課題をどのように解決するかを考え、計画しました。
【課題分析ワークショップの様子】
今回の研修では、新たに「ビジネスと人権」をテーマに、人権にかかる事例紹介と責任ある企業行動についてディスカッションを行うプログラムを実施することで、経済成長だけではなく人権が持続可能な経済発展と投資促進の基盤であり、外国投資と地域社会の調和を促進する適切な国内政策を確立することが重要である点について理解を深めました。
【ILOの田中講師と、関西大学の後藤教授による「人権デューデリジェンス(ビジネスと人権)」ディスカッションの様子】
本研修での日本の学びが自国の投資促進と地場産業の活性化に寄与できる政策の策定につながることを願っています。
今年はコースリーダーを務める高橋教授が京都大学を定年ご退官される年でした。
長きにわたり熱心なご指導、豊富な知見を惜しみなく研修員の皆様にお伝えいただいた高橋先生の多大なるご協力に心より感謝申し上げます。
【研修の最終日に、研修員も交えてささやかな退官のお祝いを行いました。】
JICA研修 投資促進・ビジネス環境整備(B)
★日程:2025年1月28日(火)~2025年2月19日(水) *研修受入期間
★参加者:投資促進やビジネス環境整備を担う公的機関、特に投資促進機関、投資省/庁、 開発省、計画省、産業省、工業省、貿易省、国レベルの商工会議所などで投資促進、ビジネス環境整備に関わる 3年以上の実務経験を持つ行政官など 9名。
★参加国:スーダン、ケニア、リベリア、ソマリア、タンザニア、 ジンバブエ、モザンビーク、ルワンダ、南スーダン
★コースリーダー:
・高橋 基樹氏(京都大学 大学院アジア・アフリカ地域研究 研究科 教授)
・井手上 和代氏(明治学院大学 国際学部国際学科 専任講師)
★委託元機関:独立行政法人国際協力機構(JICA) 関西センター
★講師・訪問先(敬称略 順不同)
【講師】
・後藤 健太 氏(関西大学 経済学部 教授)
・ILO駐日事務所
・白戸 圭一 氏(立命館大学 国際関係学部 教授)
・佐藤 哲 氏 (and Capital 代表取締役CIO)
・林 泰子 氏(PCMファシリテーター)
・一井 直子 氏(PCMファシリテーター)
・高原 彦次郎 氏(コンサルビューション株式会社)
・JICA 経済開発部
・合田 真 氏 (日本植物燃料 代表取締役)
【訪問先】
・近畿経済産業局 国際部
・経済産業省 通商政策局
・JETRO 海外ビジネスサポートセンター
・UNIDO 東京投資・技術移転促進事務所
・TOKYO町工場HUB
・トミテック
・京都海外ビジネスセンター
・JETRO京都
・西陣織工業組合 西陣織会館
・京都伝統産業ミュージアム
・ウチダ
・歴史街道推進協議会
・サラヤ
・クボタ
(担当:木村、児島 2025年3月25日掲載)
*本研修に関するお問い合わせは、こちらへお願いします。
prexhrd-pr@prex-hrd.or.jp