JICA研修 2024年度 課題別研修 中小企業振興政策(A) <2024年6月~7月>
本研修は、中小企業振興において、自国の課題明確化および振興策の立案能力強化を目的とするもので、中小企業振興に携わる中央省庁、地方自治体行政職員、商工会議所等公的支援機関等の職員など8名が参加しました。国レベルでの政策立案・実施を学ぶため東京の中央省庁による講義から始まり、地方レベルでの施策や取組みを視察するため兵庫県を中心に様々な関連機関や企業を訪問しました。今年度からはようやくコロナ前の形態に戻り、4週間全ての研修日程が日本での対面形式で実施されました。
【写真①:講義の様子】
【写真②:訪問先(MOBIO)での視察の様子】
本研修において特筆すべき事項は二点あります。まず、研修の成果物であるアクションプランの質向上のために、専門家による「PCM手法を活用したアクションプランの作成」の講義およびワークショップを導入した点です。PCM手法とはプロジェクトの効果的な実施を目指したJICAや国際機関などが開発援助の現場で用いる手法であり、この手法を理解した上で作成することにより実行可能性の高いアクションプランが仕上がります。これまでPCM手法を学んだことがある研修員は1名のみで、ほぼ全ての研修員にとっては初めての学びとなりました。多くの研修員から「大変有意義な時間で、帰国後も即活用できる内容であった」との声があがっていました。
もう一点は、全ての研修日程が対面形式に戻ったことを受けて、オンライン形式では実施がかなり難しかったワークショップや意見交換の時間を意識的に増やした点です。従来、2時間講義のみであった時間をワークショップに半分の時間を充て、講義で得た知識や情報を駆使して研修員らで講義内容に関連した課題解決に挑みました。習得したての新鮮な知識とアイデアを出し合いながら、研修員の皆さんの積極的な参加も目立ちました。ある研修員からは「このようなワークショップ形式だと、気軽に研修員同士で意見交換ができ理解がさらに深まる」との感想もありました。同じ空間に議論する相手がいて、目を合わせて言葉を発することで瞬時に連帯感が生まれ、信頼関係も構築されるという対面形式の醍醐味を十分に生かせたのではないかと感じました。
【写真③:ワークショップの様子】
【写真④:模擬発表の様子】
4週間という限られた時間の中で実施された研修ですが、本研修が何らかの形で研修員の皆さんの国の中小企業振興に寄与することを期待しつつ、そして研修員の皆さんが日本という国を知る、または探求するきっかけとなればと願っています。
【写真⑤:コースリーダー平井先生と研修員の皆さん】
JICA研修 2024年度 課題別研修 中小企業振興政策(A)
★日程:2024年6月25日~7月17日 *研修受入期間
★参加者:中小企業振興に携わる中央省庁、地方自治体行政職員、商工会議所等公的支援機関等の職員 8名
★参加国:インドネシア、ラオス、マーシャル、モンゴル、ネパール、パキスタン、 北マケドニア、ベトナム
★コースリーダー:平井 拓己氏 (武庫川女子大学 准教授)
★委託元機関:JICA関西
★講師・訪問先(敬称略 順不同)
【講師】
平井拓己氏(武庫川女子大学社会情報学部・准教授)
福田尚好氏(中小企業診断協会・相談役)
永井俊二氏(大永コンサルティング代表取締役)
喜多桂子氏((特活)ジーエルエム・インスティチュート・講師)
山元一洋氏((特活)ジーエルエム・インスティチュート・講師)
【訪問先】
歴史街道推進協議会
中小企業庁
中小企業基盤整備機構
日本政策金融公庫
JICA本部経済開発部
東京都中小企業振興公社
兵庫県産業労働部地域経済課
兵庫県信用保証協会
神戸市産業振興財団
大阪府産業局MOBIO事業部
兵庫県立工業技術センター
三昌
ヒトカゾク
ブーランジェリーアン
近畿工業
(担当:船見、児島 2024年8月2日掲載)
*本研修に関するお問い合わせは、こちらへお願いします。
prexhrd-pr@prex-hrd.or.jp