日本に学んだ中央アジアの研修員、455名(2015年12月)
1996 年から研修員が参加
PREX の研修に中央アジア地域(ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン)の研修員が参加するようになったのは19 年前の1996 年からです。
これらは、1991 年にソ連から独立し市場経済に移行した国々ですが、約70 年にわたる社会主義経済からの変化は大きく、今後の経済発展のためにも官民いずれにも市場経済について理解できる人材の育成が必要という観点から、PREX において中央アジア地域対象の事業として初めて、顧客志向のサービスや製品のあり方を通じて市場経済について理解するというコンセプトの「市場経済理解のためのマーケティングセミナー」* を実施しました。(* JICA からの受託)
2000 年代に入り、ウズベキスタン、キルギス、カザフスタンで日本の支援により「日本センター」が設立されたことを受け、2002 年頃より、日本センターで「ビジネスコース」を受講した各国の企業経営者、起業家また現地講師などを対象とした「ビジネス実務研修」や「現地講師育成研修」などを実施してきました。
中央アジア地域PREX 同窓会は2001 年に設立しましたが、その後も着実に参加人数は増えており、現時点で455 名が同窓会メンバーとなっています。
毎年、多くの企業の経営に学ぶ
日本センターに関連する研修の特徴は、各国企業の経営者や経営幹部、また現地で企業を指導する立場の経営コンサルタントなど、民間の人々が参加していることです。また、訪日研修では、日本企業の経営の強みである「経営理念」「人材育成」「生産管理」「カイゼン」などのテーマを中心に、具体例を通じて理解を深められるよう、特徴ある経営をしている企業の現場を訪問し、現場視察や経営者からの講義、そして意見交換によってプログラムを構成していることも特色です。
昨年度の研修だけでも下記のような企業を訪問しています。
ゼロ精工/サントリー酒類/レイ・クリエーション/山田製作所/新生紙化工業/タナカテック/オムロン/京都太陽/松栄堂/伝統工芸青山スクエア/山中商会/安久工機/イートアンド/伍魚福/ AS ブレーキシステムズ/イズミヤ総研/榛木金属工業/オオウエ/ジュノビューティー/ペリーレッド/モーハウス/パークハイアット東京/関西ホームサービス/武田薬品工業/おたべ(現・美十)/松崎マトリクステクノ/トヨタL&F(順不同)
研修員が研修で訪問する企業の業種はさまざまです。
現場訪問と経営者や従業員の皆さんとのやり取りを通じて、日本の企業に共通する普遍的な特徴や強みを理解することができます。
今回の同窓会フォローアップで、帰国した研修員から聞かれた、研修への印象やその後の自分自身の考え方の変化などに影響を与えたものは、研修後すぐに応用できる手法や工夫にとどまらず、むしろ、経営者の姿勢や考え方、経営者と従業員との関係、企業を社会的な立場だと捉えて目先の利益だけでなく長期的な視野で経営や組織の運営をしようとする姿などは、実際に日本で企業を訪問して実感できるものばかりです。