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第44回関経連アセアン経営研修 <2023年11月~12月>


京都アンプリチュードショールームにて日吉屋  西堀社長(前列左から3番目)と共に
https://wagasa.com/ja 
https://www.amp-kyoto.co.jp/ 

「イノベーションとはハイテク技術だけを指すものではない。
伝統技術からでも、どんな小さな企業からでも、イノベーションは生まれるのだと知った。」
カンボジア人企業経営者のソフィアさんの成果発表での言葉です。


(写真 ランプシェードの仕組みに興味津々なソフィアさん)

今年度の研修テーマは昨年度に続き、サステイナビリティとイノベーション。その2つのテーマと、経営者の皆さんの関心が高い「企業経営」を学ぶことができる訪問先にお伺いしました。
その一つとして、京都にある日吉屋の社長でTCI研究所の代表でもある西堀耕太郎氏にご講義をお願いしました。

西堀社長は奥様の実家である和傘工房の5代目を継承しましたが、現代日本において和傘の需要はほとんどありません。厳しい経営環境の中、ある日、和紙が光を通す様子がとても美しいと感じた西堀社長。試行錯誤のうえ、デザイナーとブランディングのプロの力を借り、現代インテリアにも合う、和傘のデザインと仕組みを活かしたランプシェードを生み出しました。まさにイノベーションです。

そのストーリーと西堀社長のテンポよくわかりやすい語り口に、参加者の皆さんがぐっと引き込まれている様子が伺えました。

ミャンマーの経営者ロサリンさんからは、「大きく変化しようとすると反対意見も出るのではないでしょうか?」と質問がありましたが、「ランプシェードを開発する前、最初の取り組みとして和傘をウェブショップで売ったのですが、ウェブショップでの売り上げが全体の9割を占めたことがあったんです。成果を見せることができたことが良かったと思います」とのことでした。ロサリンさんは西堀社長のお話に大変感銘を受け、終了後、西堀社長によるミャンマー経営者に向けた講演の可能性を打診していました。

世界各地で伝統技術は衰退の一途を辿っています。海外から来られる皆さんが毎度「日本の伝統と現代の融合」に感動して帰っていかれる様子から、その変化は日本以上に早いのかもしれないと感じます。伝統工芸品は昔からある自然素材を使用しています。また、小さな工房や企業であっても、いろんな方の協力を得て、共創は可能です。西堀社長のお話から得た気づきを各国で広めていただき、サステイナビリティに向けたイノベーションが生まれることを願っています。


講演打診中のロサリンさん

第44回関経連アセアン経営研修

★日程: 2023年11月27日(月)~12月1日(金)
★参加者: 海外カウンターパート機関推薦企業・経済団体幹部12名
★参加国: カンボジア・インドネシア・ラオス・マレーシア・ミャンマー・シンガポール・タイ・ベトナム
★コースリーダー: 関西大学 経済学部 後藤健太教授 
★委託元機関: 関西経済連合会
★講師・訪問先(順不同)
2025日本国際博覧会協会、島津製作所、山岡製作所、日吉屋、パナソニックミュージアム、
関西文化学術研究都市推進機構、国際電気通信基礎技術研究所、トレファーム、
福寿園CHA遊学パーク、木村石鹸工業

    

(担当:奥村 2023年12月18日掲載)

*本研修に関するお問い合わせは、こちらへお願いします。
prexhrd-pr@prex-hrd.or.jp