アフリカ研修―21年間で40カ国451名が参加 (2014年11月)
今号は「アフリカ」特集です。昨年6 月、第5 回アフリカ開発会議(TICAD V)が横浜で開催され、日本の官民が一体となりアフリカでの持続可能な経済成長を支援する政策が示されました。
また、今年1月には安倍首相が日本から民間企業の代表らを同行しアフリカを訪問。
日本とアフリカのビジネス関係の強化のためのトップセールスも推進されています。
PREX は20 年以上前からアフリカからの研修員受け入れに携わっていますが、近年は日本とアフリカの関係の変化を反映し、より幅広い分野の研修を実施しています。
中小企業振興政策から農業の産業化まで幅広い分野の研修を実施
PREX がアフリカからの研修員を初めて受け入れたのは今から21 年前の1993 年度です。
当初はアフリカ以外の国も対象国となる「集合型」の研修への参加が中心でしたが、ケニアや南アフリカ、仏語圏アフリカなど特定の国や地域を対象とした研修も次第に始まりました。
現在、年間30 ~ 50 人ほどがアフリカ諸国から研修に参加していますが、研修分野は幅広く、中小企業振興政策、貿易投資促進、太陽光発電、産業人材育成、生産性向上などを中心に、今年度からは次頁以降でご紹介するように、農業の産業化に関する研修も開始しました。
PREX がこれまでにアフリカ諸国対象に実施した研修としては、2001 年度から5 年間実施した「仏語圏アフリカ中小企業政策セミナー」があります。
西アフリカを中心としたフランス語圏アフリカ諸国(セネガル、トーゴ、コートジボアール、ブルキナファソほか)から、5 年間で50 名以上が参加しました。
PREX で長年実施してきた「中小企業振興政策」セミナーの経験を活かすとともに、アフリカの現状に合わせた振興政策の立案能力向上を目的とし、各国での取り組みを参加者間で継承しながら政策に反映させるという内容でした。
また、2009 年度から3 年間実施した「アフリカ地域ものづくり中小零細企業の生産性向上セミナー」は、生産性向上の活動を地域の企業に指導・推進する組織の職員とモデル的に実践する企業の幹部とが研修に参加し、国内・地域企業への生産性向上活動の普及を目指しました。
これらの分野は、PREX が従来からアジアや中南米を対象として研修実施していますが、アフリカ諸国対象とするにあたり、アフリカの産業構造や政策課題、企業の現状を踏まえた研修とすること、また日本での経験や具体的な取り組み事例をアフリカの国々に活かせるよう、参加者自らが自国での課題に対応した活動計画の作成と実践を目指しました。
アフリカと関西のパートナー関係構築に向けて
ここ数年、日本の民間企業の中にはアフリカ諸国をビジネスパートナーと位置づけ、CSR だけではなく実業でアフリカでのビジネスに乗り出す企業も出てきています。
また、安倍首相が訪問時にトップセールスも行われたように、外交においてもビジネスにおいても、日本はアフリカをパートナーと位置づけるようになりました。
これまでの「遠い国・地域」というイメージは次第に変化し、アフリカがアジアのような身近な存在となる日もそう先ではないでしょう。
そのような変化を受けて、PREX も研修事業、交流事業を通じた、アフリカの人々、国々と関西とのパートナー関係を築くことに取り組んでいきたいと思います。
国際交流部 瀬戸口