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日本・ベトナムの関係をよりよくするには- PREX Island

研修の参加者
グェン・ミン・ベトさん

日本・ベトナムの関係促進をめざして

グェン・ミン・ベトさん

訪日研修で理解した日本企業の姿

1996年~2003年の7年間、日本に留学し東京工業大学情報工学科卒業しました。
2003年3月帰国後、在ベトナムの日系大手ソフトウェア会社の子会社で、ソフトウェア開発管理の仕事をし、2005年8月から独立し日本向けのソフトウェアオフショア開発のグリーンサン社を設立しました。
その後、2009年に日越翻訳事業と日系企業向けのベトナム投資コンサルのグリーンサンコンテンツ社を設立しました。
これまで16年間にわたり日本の政府・企業・民間の皆様から多くのお世話になっていることになります。
今は年に3回は日本に出張しているので、今回の日本訪問でも「新しい」という感覚はありませんでした。
しかし、「研修」という点が大きく違っていました。
いつもは、個人的な営業出張で、ソフトウェアと翻訳のお客さんを廻り、昼間はサービス紹介などをし、夜は飲み会ばかりですが、今回は2週間にわたり毎日、日本の製造業の会社の現場見学をし、京都と奈良の日本文化ツアーに参加し、日本の中小企業と意見交換も経験しました。今まで自分が知らなかった日本の製造業の姿を理解しました。

訪日研修で日本の製造業を訪問した研修員

訪日研修で日本の製造業を訪問した研修員

ベトナムから見た日本

日本からのベトナム投資ブームは今回で3回目です。
回目はベトナムがドイモイ政策開始してから、1997年アジア経済危機まででした。
この時期は、大手商社や、冒険的な企業がベトナムへの進出を試すという様子でした。
2回目は2001年からリーマンショックまででした。
この時期では中ぐらいの日本企業がベトナムに進出してきましたが、まだチャイナプラスワンという思惑で、中国の1つのリスクヘッジとしての進出でした。
3回目は2010年末から現時点までです。
今は国交レベル、企業レベル、民間レベルでも「ベトナム」と言う言葉は日本人には良い印象のようです。

ベトナムでの日本企業への信頼

日本企業がベトナムに進出するのに、ベトナム人の親日感情は大きなアドバンテージです。
儒教文化圏の中で、中国と韓国は歴史的な問題があったため反日感情がありますが、ベトナムと日本は意外と仲が良いです。
国交レベルでは両政府が戦略的に提携する方針を出していますし、企業レベルでも日本企業は品質に厳しいですが、ノウハウを伝授してくれ、支払いも期限通りしてくれる良いブランドです。
但し、日本の商品は値段が高く、日本企業は賄賂を出さないため簡単にはベトナム市場で物が売れないようです。
公共プロジェクトや機材販売などの市場では日本商品の浸透はまだ難しいですが、一般家電製品などでは日本商品は中流層向けに結構人気です。
デジカメならばキャノンやソニー、冷蔵庫ならば日立というブランド感があります。
但し、貧しい階層では低価格の韓国や中国製品の方が市場を占有しています。
私の意見では、日本は戦後までに繊維や工芸品が発達し、1960年代に過去の光栄を捨て自動車や家電製品に転向し、高度成長を果たしました。
今の日本は勇気を持って、過去の栄光を再度捨て、自動車と家電製品を減らしながら、新規エネルギーや、宇宙や、ロボットや、飛行機などの人が真似できない最新技術に進むべきだと考えます。

民間レベルで留学生を増やしてほしい

今後の日本とベトナムの連携ですが、政府レベルでは色々実施してきているので、企業レベルと民間レベルでもっと深まるとよいと考えています。
企業レベルでは、PREXやJICA、JETRO、商工会などが主体で、ビジネスマッチング会を多く開くことです。
今回の研修で勉強した知識も大事でしたが、一緒に研修に参加した数人の社長は「日本の素晴らしさを実感したので、帰国したら絶対日本企業と仕事したい」と断言していました。
その気持ちが生まれたことは大きな価値でしょう。
民間レベルではもっともっと留学生を増やすことだと思います。
震災後、中国学生が減った一方、ベトナム学生がダントツで増加していると在日のいくつもの日本語学校が評価しています。
これらの留学生は将来の日本企業の現地コアメンバーになったり、会社を設立し日本と仲良く仕事をしたりすることに違いないでしょう。
私もその中の1人で今まで頑張っています。
(グリーンサン社 代表取締役会長グェン・ミン・ベト
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  • 掲載日:2012年11月30日
  • 氏名:グェン・ミン・ベトさん
  • 役職・職名:グリーンサン社 代表取締役会長