世界は人で、できている。
HOME > PREX island > 地域の国際化、多様化と向き合う人たち 続編

みなさん、岡山県小田郡矢掛町をご存じですか?- PREX Island

日本の専門家PREXスタッフ SDGs
地域の国際化、多様化と向き合う人たち 続編

みなさん、岡山県小田郡矢掛町をご存じですか?

倉敷にほど近い、かつて宿場町として栄えた自然豊かな町です。
そこに「やがけ町家交流館」という地域のコミュニケーションの場となっている施設があります。そこで働かれている青年海外協力隊としてセネガルに派遣されていた田賀朋子さんにお話をお伺いしました。(国際交流部 前田)

岡山県のやかげ町屋交流館で働く 田賀朋子さん

みなさんは、どんな国の、どんな外国の方が同じ地域に生活していらっしゃるか、ご存じですか?
気づけば地元に外国人が増えていた、なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「そういえばベトナムの技能実習生が地域にいるのにあまり話す機会がないですね」
田賀さんが、上司にかけたこの一言から、矢掛町で「ベトナム フェスティバル」という企画が始まりました。技能実習生の方は日本語をあまりうまく話せないこともあり、同じ国から来た人々のコミュニティ内だけで交友関係が限定されてしまう、また借金の返済や家族への仕送りのために節約して生活している方も多く、地域の日本人住民とコミュニケーションをしようという方は少なかったそうです。そんなベトナム人の方々にも楽しんでいただきながら、地域住民との交流もしてもらおうと取り組んだのがこの企画です。

矢掛の方がユニークなのは、町役場だけでなく、ベトナム人技能実習生を受け入れている日本企業や、大使館、ベトナム航空の支援を受け開催されたことです。当日は岡山県内だけでなく、四国からもバスで多くのベトナム人の方々が矢掛に来て、ベトナム料理のお店を出店し、大盛況だったとのこと。さらに、矢掛に住まれているベトナム人以外の外国籍の方も参加され、「私たちも何かやりたい」との声が上がるほどでした。ALT(学校の英語指導の補助教員)、地域おこし協力隊、技能実習生、観光客、地域住民等、さまざまな国籍と肩書の方が一緒に集う素晴らしいイベントだと思いました。

その外にも、岡山大学、地元の高校や地域の学生さんとも共同しながら異文化交流に取り組んでいるそうです。何年も連続で留学生と定期的な交流を続けている地区もあります。人口15,000人弱の矢掛町で、こんな素敵な取り組みがあるとは、彼女に聞くまで知りませんでした。私の地元もとても田舎で、地域の日本人と外国人の間には大きな溝があり、自分は何もできないと思っていましたが、矢掛町のように、取り組み方によって外国人を巻き込んで地域づくりをすることができると感じました。

PREXの事務所がある大阪上本町にも国際交流センターや日本語学校があります。近くの商業ビルにはエスニック料理のお店も多く入居しています。上本町を舞台に、私たちも何かできるのではないか、と勇気づけられたお話でした。
まずは、私たち日本人が世界にオープンに、知ることに貪欲に、楽しくなることから始めてみましょう。
(国際交流部 前田)

やがけ町家交流館 矢掛町の観光拠点 ランチなどお食事に|やかげ町家交流館 (information.jp)
ベトナム フェスティバル 第3回ベトナム・フェスティバルin矢掛 | 矢掛町の観光拠点 ランチなどお食事に|やかげ町家交流館 (information.jp)

  • 掲載日:2021年1月27日
  • 研修名:在日外国人支援に携わる方々へのインタビュー
  • 氏名:前田(智)

関連記事