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日本だから できるのでは? とよく言われます。- PREX Island

日本の専門家 カイゼン
大阪工業大学教授 皆川健多郎氏

日本だから できるのでは? とよく言われます。

カイゼン活動についての講義

研修事業でカイゼン活動についての講義を担当している大阪工業大学の皆川健多郎です。
講義では、演習を交え、 5Sやカイゼン活動について理解を深めていただいています。
特にレゴを使った演習は好評で、研修員の方にはそのことでご記憶いただいているかもしれません。
研修では、多様な文化を持つ方とお話しをします。
インドの方から「やる気を上げるのにサラリーをあげるのが一番では?」、メキシコの方から「3Sではなく、5Sの”しつけ“が大切では?」といった質問があります。
また、「日本だからできるのでは?」ということも。
研修員の皆さんには、目的志向型のカイゼン活動の重要性について伝えています。
カイゼン活動の成果は、生産性向上へつながり、その結果、少ない人数での生産実現にたどり着くケースもあります。
カイゼンをした結果、自らの仕事を失う、こうした活動に対して、現場の人の心に火はつきません。
お金儲けのためのカイゼンではなく、自らの力で現場を革新し、その結果、自らの給料もあがる、「カイゼンは結果的に自分のためである」と思います。
さらにカイゼンが進んだ現場は、“働く人の能力をフルに発揮することができる現場”になっているといえます。
そんな現場ができればきっと素敵ですね。
しかし、「わが社の社員はなかなかカイゼン活動をしてくれない」といった言葉も聞かれます。
それは日本でも同様です。
そのようなとき、まず「褒めてはどうですか」とアドバイスします。
小さな気づきにも、「よくこんなこと気づいたね」と声をかけるのです。
そうすると言われた人は、嬉しくなって意欲が生まれます。
このようにして、トップから現場まですべてを巻き込んだ全員総攻撃のカイゼン活動への展開を薦めています。
特に5Sは、誰にでもできるカイゼン活動です。
しかし、必ずしもすぐに成果が出る(良くなる)とは限りません。
よって、良くなるまでやり続けることが重要です。
「カイゼンは永遠なり」ということになります。
海外の人たちは「すべての日本の企業はカイゼン活動をして効率的に働いている」と思われています。
ところが、日本の中にもまだまだ5Sやカイゼン活動に関心のない企業もあります。
日本全体でみると労働生産性は、OECD加盟36カ国中21位と低迷をしています(日本生産性本部調査)。
しかし、製造業はこれらの数字が比較的高く、優れた企業を参考に、できることからやってみてはどうでしょうか。
そして、それぞれに合ったオリジナリティあふれる、より良い方法を見つけてください。
さらに日本も海外から学ぶことがあり、私も研修を通じて多くのことを教えていただいています。
研修の最後には「今日が共にカイゼン活動に励む最初の1日になることを期待しています。
そして、一緒により良い社会をつくりましょう」ということを研修員の皆さんにお伝えしています。

日本企業の皆様へのメッセージ

海外の研修員との交流は、私たち日本人にとっても、新たな気づきを得る機会にもなります。
ぜひとも、海外の研修員の見学や研修員との交流にチャレンジされてはいかがでしょうか。

  • 掲載日:2019年2月21日
  • 企業名:大阪工業大学
  • 氏名:皆川健多郎 氏
  • 役職・職名:大阪工業大学 教授