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PREXスタッフのコラム( 国際交流部):<研修レポート>研修事業は、変化している- PREX Island

PREXスタッフ
研修事業は、変化している

研修事業は、変化している

私がPREX で働き始めた1990 年代初め、PREXは主にアジアの国々に対する研修事業を実施していました。
当時は中国からの研修員が一番多かったのですが、経済発展の面では日本との間にまだ隔たりがあり、研修員の中には、支給された日当を節約するため、食事を十分にとらない方もあったほどです。
それが今ではGDP で中国は日本を追い越し、東南アジアをはじめとする途上国も目覚ましい成長を遂げつつあり、私たちの実施する研修事業も、日本の経験に学んでもらうというものから、お互いに学びあうものへと変化してきています。

経験を共有し学びあう場

9-10 月に実施した「JICA 観光人材育成研修おもてなし」は、途上国の経済発展を支える柱の一つである観光産業におけるサービスの質を、日本の優れた「おもてなし」を参考に、より向上させるための人材を育成するという目的で企画されたものです。
「日本の優れたおもてなしとは、何だろうか?」という問いに対する答えは多様にあり、またそれぞれの国の事情も異なり、そのままの形で持ち帰ることはできません。
実施に当たっては、研修員が自ら考えるとともに、他の国の研修員や日本人とのディスカッションを通じて理解を深める形としました。
参加した各国の研修員は、日本のおもてなしの事例紹介を通じて、自国のおもてなしの素晴らしさを再認識し、お互いの経験を共有しながら学びあうことができました。

アセアンの経済人との学びあいの場

11 月末に実施した関経連主催の「関西アジアフォーラム」は、東南アジアの経済団体代表者に、日本で実施するべき人材育成のテーマについて意見をいただくことが主な目的でした。
参加者からは「自分たちも日本に学ぶが、日本も自分たちに学ぶべきところがある(特にインターネット接続環境と、英語力について!)」との意見が寄せられました。
関経連は長年アセアン地域の経済人に対する人材育成研修を実施しており、PREX 設立後はPREX が実務を担当しています。
研修のテーマも日本的経営を学ぶ内容からスタートし、最近では環境問題などグローバルな課題を取り上げています。
世界の政治も混迷の度合いを強めている昨今、各国の行政官や経済人との人的なネットワークを築き、日本を理解するファンをつくることのできる研修事業は、今後の日本にとって重要な役割を担っていると感じます。
この事業に、もっと多くの日本人が研修員と一緒に学び、交流できる機会を作ることができれば、さらに意義が深まると考えています。

  • 掲載日:2017年2月24日
  • 研修名:JICA観光人財育成研修おもてなし、関西アジアフォーラム
  • 氏名:酒井 明子