PREXグローバルネットワーク フォーラム(オンライン、2022年3月実施)

研修レポート

研修概要

PREXは設立以来、152カ国、18,600名以上を対象に、人材育成のための研修を実施してきました。
その参加者のうち、日本での研修に参加した研修員の方々を対象に14の地域毎の「同窓会」を設立し、フォローアップ事業を通じて関係を維持してきました。

日程

2022年3月

PREX担当

PREX Follow-up Team

画像をクリックするとグローバルネットワークフォーラムのPR動画をご覧いただけます。

 

PREXは設立以来、152カ国、18,600名以上を対象に、人材育成のための研修を実施してきました。
その参加者のうち、日本での研修に参加した研修員の方々を対象に14の地域毎の「同窓会」を設立し、フォローアップ事業を通じて関係を維持してきました。

2019年4月、この「同窓会」の枠組みを、「PREXグローバルネットワーク(以下PGN)」として再編し、参加者の国で分けるのではなく、これまでPREXが日本で実施した研修の参加者全員をメンバーと位置付け、国を超えたネットワークを作ることとしました。
2020年のPREX設立30周年を記念し、日本で一堂に会しての記念行事を計画していましたが、コロナ禍の影響を受けまして、海外からPGNメンバーを招いての行事開催は断念しました。 2022年3月に、ZOOMを利用したオンライン型で、PGNメンバーと研修事業でご協力いただいている皆さまとの交流フォーラムを開催しました。

研修員の中から、6名の方に、日本での学び、自国のCOVID-19の影響、その他現状をご説明いただきました。 「地域活性化・産業振興」、「企業経営・カイゼン」、「海外との貿易・投資」の3つのテーマに基づき、研修事業でご協力いただいている講師の方々にファシリテーターをお願いし、日本側の参加者の方々と研修員との意見交換・交流を進めていただきました。

研修に参加した後の学びの成果、コロナで大きな影響を受けたビジネスの立て直しに生かした研修で得たヒント、苦しい状況を乗り越え好調になりつつある国の産業の様子、など様々なプレゼンテーションがありました。

それぞれの研修員の声は、以下のブレイクアウトルーム1、2、3からご覧いただけます。

■ 各ブレイクアウトルームファシリテーター

ルーム1:「地域活性化・産業振興」 武庫川女子大学 情報メディア学科 平井 拓己 准教授
-> ブレイクアウトルーム1へ

ルーム2: 「企業経営・カイゼン」 ソシオビズ研究所 伴 俊夫 代表
-> ブレイクアウトルーム2へ

ルーム3:「海外との貿易・投資」 関西大学 経済学部 後藤 健太 教授
-> ブレイクアウトルーム3へ

■ フォーラムに参加した研修事業でご協力いただいている日本の皆さまの感想

公益財団法人東京都中小企業振興公社 山本氏
ナイジェリアのヘンリー氏には私どものオフィスに来てくださったことをうれしく思っております。
中小企業のサポート支援について、質問を沢山いただき、このような仕事を自分の国でされたい、というコメントをいただき感激しました。
また、実際にセンターを立ち上げることができたと聞き、素晴らしいことだと思っております。
モルディブは個人的にいきたい国の一つです。
コロナの影響で観光業は大変ですが、情況が落ち着いたら是非、伺いたいと思っております。
コロナ下ではオンラインでの観光ビジネス、というのが東京では始まっております。
そのようなビジネスを考えていかれるのもよいのでは、と思いつつ拝聴しておりました。
ありがとうございます。

株式会社山田製作所 山田氏
5S活動の見学にいつも来ていただきありがとうございます。
今日のプレゼンテーション、チンギスさんはCOVIDの影響という大変な中で、雇用を守るという強い意志を持たれています。
イマードさんは戦争のために、ビジネス環境が破壊されてしまいました。
お二人とも、カイゼンの学びを中心とし、自社の経営を強靭なものにしようとされている努力をお伺いすることができました。
私たち中小企業は平和の中でこそビジネスを展開できるのだということを改めて学ぶことができました。
カイゼンの本当の目的は経営者も従業員も含め、全員で守ることを決め、そして全員で決めたことを守る企業風土を作ることを目的としています。
今後も社員と経営者が共に学び、育ち合う企業を、お互いに切磋琢磨して作り上げていきたいと確信できるプレゼンテーションを伺うことができました。

日本政策金融公庫 姫路氏
セルビアの中小企業の輸出促進の取り組みを伺うことができました。
4月以降から海外出展の取り組みを企画されているそうで、そのような取り組みが成功することを期待しております。
コロナ禍の状況ではeコマースが発展してきていますので、そのような技術を活用して輸出を図る企業の支援ができれば、というようなことを考えながらプレゼンテーションを伺っておりました。
スリランカのカシール氏からは投資呼び込みのための取り組みについて伺うことができました。
金融機関としては、企業に対し、投資に関する情報提供などによるサポートも重要であると感じながら伺っておりました。

■ PREXフォローアップチーム フォーラムを終えて

これらのプレゼンテーションを受け、ファシリテーターの講師の先生方、日本側参加者の皆さまからは、帰国後の活動を知る機会があり、よかったと思います。
テーマ別に分かれていたので、参加しやすかったなど、おおむね好評なご意見をいただくことができました。

また研修員からも、グローバルネットワークのメンバーたちが一堂に会し、経験や意見を交換し、時間を共有することができた、フォーラムを通じて国を超えたネットワークの可能性がわかった、帰国から今までの厳しい状況の中で繋がり続けてくれた日本の友人たちのサポートを感じられた、など、といった前向きな声を聴くことができました。

今回が初の試みであり、意見交換の時間配分や運営の仕方には反省点も沢山あります。
しかし、今回の経験を活かし、PREXは今後も、人とひとをつなげていく場をつくるために努力してまいりたいと思います。

 

PREXグローバルネットワーク フォーラム (ブレイクアウトルーム1:地域活性化・産業振興)

プレゼンテーション① ナイジェリア・ヘンリー氏

ナイジェリアのラゴス商工会議所で勤務しています。
JICAの中小企業振興関連のコースに参加しました。
多くの興味深い事例を知ることができましたが、私は、日本の東京都中小企業振興公社、神戸市の創業支援の取り組み、日本の中小企業の特徴、中小企業振興策、日本政策金融公庫の役割を主にアクションプランに反映させました。
帰国後に、上司に中小企業支援センター設立の大切さを説明し、その際に前述の日本での学びも関係者と共有することができました。
最終的には、上層部との話し合いを経て、2020年、ラゴスに中小企業支援センターを開設することができました。
コロナで色々なサービス提供に支障も出ましたが、将来的にも継続的に中小企業への継続的な支援を目指し、中小企業用のアプリケーションを開発するようなことを考えています。
今はコロナの影響を受けているので、対面のサービスは提供できない等、課題もありますが、中小企業への継続的な支援、そして、国内の中小企業とコンサルタントをつなげていく取り組みなど、あきらめず取り組んでいきたいと思っています。
このフォーラムに参加できて光栄です。

株式会社マネジメントオフィスいまむら 今村氏
ヘンリーさんのプレゼンテーションで、ナイジェリアの中小企業支援に対してどういった課題があるのか、関心がわきました。
日本では経営者の高齢化という特有の課題があるのですが、ナイジェリア特有の問題は何でしょう?

ヘンリー氏
やはり貸付レートが高すぎて資金へのアクセスができないことが一番大きな課題ですね。
あと、企業に対する技術導入をしたいのに、そのための資金を得るルートがないので、そこをどうにかしなければいけません。

山陽製紙株式会社 山村氏 
ヘンリーさん、サマさんご両名にお伺いしたいのですが、お二人の国でSDGsに対する関心は、どの程度高いか、ざっくりとした感触で結構ですので、ご教示いただけますでしょうか。
弊社は、紙の再利用などに注目し、環境を意識したビジネスを展開しているので、お二人の国の環境に対する状況をお伺いしたいです。

ヘンリー氏
ここ何年か、リサイクル、フードロス、ごみの分別等は、ナイジェリアにとって大きな問題になっています。
これに対して、国や地方自治体は住民の方々の意識付けが重要であると考えています。
特に今は廃棄物問題が大きな課題になっていて、まずはごみ廃棄の場所を決める、ごみの分別をしてもらう、という教育を学校でもしています。
企業に対しても、環境汚染を引き起こすような廃棄はいけないということを伝え、法律の整備をしている所です。
あとは、日本企業とパートナーシップを結び、廃棄物のリサイクルの仕方ノウハウを教えてもらう、という取り組みをしているという状態です。

サマ氏 
モルディブデでもSDGsは多くの人に知られており、関心も持っています。
課題で言えば、モルディブは観光立国なので、旅行客が出す廃棄物が多くあります。
それらの処理は、その島で発生した廃棄物は、その島内で処理をするという方法を徹底しています。
どうしても処理できない廃棄物が出たときだけ、特別な廃棄物処理施設を持つ島に持っていき処分をします。
あと、環境という視点から言えば、今モルディブではエコツーリズムを推進しています。
できるだけエコな、そして環境を意識したツアーを推進するようにしています。
山陽製紙様はリサイクルペーパーを作られているとお伺いしました。
前述のエコツーリズムの話題の中でもリサイクルペーパーは当然知られていますし、私も使ったことがあります。
御社がモルディブに商品を輸出されたいとお考えなら、マーケットは必ずあると思いますし、喜んで使わせていただきたいと存じます。

山陽製紙株式会社 山村氏
世界的にSDGS、環境、というのは大きな課題になっていると思います。ぜひチャンスがあればモルディブにも伺ってみたいと思います。

公益財団法人東京都中小企業振興公社 山本氏 
お二人に、お二人の国のスタートアップに関する動向について、お伺いしたいと思います。
と申しますのも、自分は東京でスタートアップ支援をしていますが、規制が多いため東京ではなく、より規制の少ないところで事業を始めよう、というような動きがあります。お二人のお国ではいかがでしょうか。

ヘンリー氏 
ナイジェリアは規制も少ないですし、創業は簡単で、とてもシンプルです。
外資とのパートナーシップを求めていることもありますので、特にナイジェリアの商工会議所を通じてお話いただければ、特に簡単です。日本のJETROと連携がありますので、JETRO様を通じ、ナイジェリア商工会議所にコンタクトいただければと存じます。

サマ氏 
モルディブではスタートアップは簡単です。規制もそんなにありませんし、求められている基準さえクリアすれば起業できます。100%外資でも大丈夫ですし、モルディブのパートナーと共同で創業することも可能です。個人的には、後者の方が簡単ではないか、と思います。

 

プレゼンテーション②  モルディブ・サマ氏

もともと観光省で勤務していましたが、今はモルディブ空港で勤務しています。皆さんご存じの通り、モルディブの主要産業の一つに観光があります。
今回のコロナ禍で色々ありましたが、政府も各種対策をとり、観光業は順調に回復しています。
私はJICAの観光振興研修に参加したのですが、日本で学んだ「おもてなし」が印象に残りました。
「おもてなし」は見返りを期待せず、より一層の無形のサービスを提供しようとする心だと理解しました。
そして、「おもてなし」のこころは私が日本で研修を受けている間、実際に体験したことです。
日本の皆様の親切な心は、「おもてなし」の精神の体現で、私にとって最上の体験でした。 この体験を生かし、勤務を続けていきたいと思います。

田代珈琲株式会社 田代氏
モルディブの研修員の方が来られて、それがご縁でモルディブにカフェを作りたいという方に協力することになり、私たちもコーヒーをモルディブに輸出するというご縁ができました。
紆余曲折があり、ご縁のできた方はコロナの影響も受け、カフェを作る、という戦略よりは、リゾート地域に自分の商品を販売していく方向に方向転換をされています。
モルディブの中小企業の方にとっては、リゾート地域に自社製品を販売していく、というのは一般的な事なのでしょうか。

サマ氏
たいていの場合は、中小企業直接ではなく、卸売りは大企業が担うことが多いですね。
ですので、その方がリゾート地域に商品の販売をお考えなら、自社単体として売り込みをされるよりは、卸売りをしている大企業につなげてくださるような仲介業者さんを探されるほうが有効では、と思います。

平井准教授(ファシリテーター)
ナイジェリアとモルディブからのプレゼンテーションをいただきありがとうございました。
お二人には、参加者の方からの多くの質問に答えていただきました。
出てきたトピックとしては、SDGsがそれぞれの国でどう受け取られているか、またスタートアップとそれに関する規制などについての質問がありました。参加者の皆様には多くのご質問をいただき、ご協力ありがとうございました。

PREXグローバルネットワーク フォーラム (ブレイクアウトルーム2:企業経営・カイゼン)

プレゼンテーション③  キルギス・チンギス氏

映像制作会社を経営していますが、今回のコロナは私たちのような中小企業にとっては大きなチャレンジでした。
売上40%減、手持ち資金は50%なくなり、政府からの支援はありませんでした。
この状況で自分のこれからの仕事、将来を考えたとき、研修で学んだ「不利な条件をチャンスにする」、「仕事のデジタル化で作業プロセスを効率化する」、といった仕事の見直しをすることで、結果、新規顧客、新規プロジェクトを獲得することができました。
日本の文化も大好きです。
これからも両国の文化的・経済的つながりを強めるために少しでもお役にたてたら、と思います。

プレゼンテーション④  シリア・イマード氏

1999年から紡績会社を経営し、2007年にはオーダーメイドのタフトラグ製造を開始するなど、順調にビジネスを拡張してきました。2010年にはJICAの研修で、日本にて経営を総合的に学ぶチャンスに恵まれました。 帰国後も日本で学んだカイゼン活動、5S、提案活動を自社経営に適応し、手ごたえを感じていました。
しかし、皆さんご存じの通り、2012年からシリアで戦争がはじまり、私の工場は閉鎖となってしまいました。
最初は自宅にとどまっているしかありませんでしたが、シリアのJICA帰国研修員と協力し、カイゼンに関する教科書の作成、発行(アラビア語にて)や、各所でこれらのテーマの講演を行い、学んだことを忘れないよう活動を維持してきました。
5年後の2017年にようやく工場に戻ることができたのですが、すべては破壊され、機械は略奪されていました。
それに加え、当然シリアにもコロナは広がり、今のインフラの状況、原材料の高騰などなど、これらの状況を考えると、近い将来に生産活動に戻ることは難しいでしょう。
それでもシリアにも従業員のために環境を整えていこうとしている企業はあります。困難は沢山あります。
しかし、それでもあきらめず、これからも自分なりの活動を続けていきたいと思います。
皆様のフォローアップとご支援に心から感謝しています。

伴氏(ファシリテーター)
皆さんシリアスな状況に囲まれていますが、これから、将来に向けてどんな新しいことができるか、という観点でリラックスして意見交換ができれば、と思います。
プレゼンテーションをくださったお二人とも、大変な状況の中で参加いただき、御礼を申し上げたいと思います。
日本と、本日プレゼンテーションをいただいた国々の方は、当然違う環境にありますが、しかし、逆に急激な変化、予期せぬ変化、それに対する素早い対応とチャレンジが必要とされていることは共通なのではないかと感じました。
お互いに今回の意見を交換し、将来に向けた元気、勇気のもとを感じ取っていきたいと思います。
そのような観点で、チンギスさんと、イマードさん、何かコメントとして付け加えていただく事はありますか?

チンギス氏
この時期は私たちにとって、大きなターニングポイントだと考えています。
一人ずつの業務プロセスを見直し、大きな視点で経営のことを考え、仕事を振り返る、いい機会になりました。
たとえばですが、COVIDの前は必須、と思っていたオフィスやその他スペースは、今は作業ができる環境さえあれば、オフィスはなくてもいいのでは、とも思っております。
例を挙げれば、わが社にも就労時間等についてルールがありました。
でも今は、それぞれの職員が決められた締め切りまでに、決められた仕事を終えることができればよい、という考え方になりました。 そして、厳しい就業規則というものもなくなりました。
仕事を振り返った結果、チームとして自分たちを考え、よりお互いを信用しつつ働けばいいという考え方にいたっています。
上からの命令というものがなくても、人々は自主的に働いていくのだということを実感できました。

伴氏(ファシリテーター)
フィロソフィーの側から経営を考え直したというのは非常によい視点だったかと思います。
そういった視点から仕事を振り返っていくことが、ご自身の楽しいアイディアを生み出していくことにつながっていると思います。
そして、イマードさんの場合は、COVID以上の状態で、会社や人材、すべての物が破壊されてしまったということで、ちょうど日本の戦後のような状態かと思います。
イマードさんは先の光が見えにくい状態にあるかとは思いますが、もしご自身で、今これならやれるのでは、というお考えをお持ちであれば、ご意見をいただきたいと思います。

イマード氏
日本の戦後の復興過程は私たちが学ぶものであり、勇気を与えられる経験です。
今、私は、日本は一度敗戦で何もかもなくしたけれども、自分たちの努力により復興を果たした、ということをシリアの大学や各機関で講演をしています。
日本の経済復興の話は私たちにとても勇気を与えてくれます。

伴氏(ファシリテーター)
自分の会社の事だけでなく、自分のお国のことを考え、活動されるのが大変印象に残りますね。

Miguel Diversity consulting 水野氏
感想になってしまいますが、本日のお話を伺い、私も自分の会社の価値を考え直しているところです。
お客様に価値を認められ、お客様とともに価値を作り上げ、それをご理解いただくのが今の自分の会社の課題と考えています。
世界の情勢、私たちを取り囲む情勢も厳しいですが、この中でどのように革新をはかっていくか、が自分の課題です。
プレゼンテーションいただいた皆様はより大変で、そんな状況ではないかもしれませんが、今日のお話を伺い、アフターコロナ、情況が変わった後にどう会社の価値を生み出していくのか、過去を振り返り、どう顧客を引き付けていき、自分たちの技術を向上させイノベーションをおこしていくのか、が今後の私たちの課題かと感じた次第です。

伴氏(ファシリテーター)
チンギスさんの会社は映像会社ですが、業務の見直しにカンバン方式を取り入れられたとおっしゃられていましたね?
カンバン方式は幅広く、色々な取り入れ方ができるとは思いますが、映像制作会社のお仕事に「カンバン方式」を取り入れよう、と思われたのか。
そのきっかけや、どのように取り入れられたかを少しお伺いできますか?

チンギス氏
コロナの前から取り入れていたのですが、それはあまり仕事の中で大きな比重をしめた業務ではありませんでした。
COVIDになって、変わったのですが、まず仕事をプロセスを見直すために、仕事のプロセスを全て書き出し、必須であるものといらないものを見分けていき、作業を見直す、という作業をしました。
小さい例ですが、例えば紙がなくなりそうになる前に、ある一定の箇所に発注ポイントカードをいれてき、紙が切れてしまう前に発注が出きる、というような工夫も取り入れています。 このような感じで、日本で学んだことを仕事に生かしているところです。

株式会社サンパック 青山氏
プログラムを通じ、自分たちにとっての仕事とはどういうものなのだろう ?と改めて考えさせていただき、自分たちのほうが勉強をさせていただきました。
プレゼンテーションを伺って、大変な状況の中で、頑張り、そしてビジネスで生き残り、改めてこういうディスカッションの時間を共に持てている、ということはとても意味のあることだと感じました。

PREXグローバルネットワーク フォーラム (ブレイクアウトルーム3:海外との貿易・投資)

名古屋大学大学院国際開発研究科 小林氏
今回の参加を楽しみにしています。
スリランカの方のプレゼンでココナッツのバリューチェーンに関する調査を共有されたとのことなので、詳しいことを教えていただきたいと思っています。

日本政策金融公庫 姫路氏
日本政策金融公庫の職員です。両国の投資、金融環境を伺いたいと思っています。

 

プレゼンテーション⑤  スリランカ・カシール氏”

スリランカ投資委員会で、わが国への投資誘致に関する業務に携わっています。
私は自分の国が発展するには、スリランカに拠点をおいてビジネスを展開してくれる、かつ、潜在力のある企業に沢山来ていただく事が必要だと考えています。
日本の研修では沢山の学びがありましたが、いろいろ考え、帰国後にスリランカのココナッツについてバリューチェーンに関する調査結果を関係者で共有することにより、産業促進のアプローチをいくつか改善することができました。
委員会としても輸出加工区やの開設や、輸出加工区域内での輸出入に関するサービスの提供、その他、さまざまなサービスを提供していますが、まだまだFDI誘致は十分だとは思っていません。
現在の投資家の再投資促進、投資家の問題解決のために政府機関と協業していくなど、より、積極的に、かつ、俊敏にサービスを提供していかなくてはなりません。 これからも、学びを生かし、FDI招致のためのアクションを取っていきたいと思います。

プレゼンテーション⑥ セルビア・フラスタ氏”

地方開発庁の振興部門でPRアドバイザーとして働いています。
外国からの投資誘致や、母国の企業が海外市場に参入するための活動を日々行っています。
研修では、市場調査の重要性や、自分たちの知識、しかも潜在的な知的財産を活用すること、自国の開発ポテンシャルを特定し、それをどう輸出に結び付けるかを考える必要性がある、など沢山のヒントを得ることができました。
しかし、他の方々と同様、セルビアもコロナの影響からは逃れられず、いままで参加していたヨーロッパのほとんどのフェアはキャンセルになってしまいました。
今は予定されている展示会に向け準備自体は進めていますが、この状況が続けば、オンラインでの活動として続けていかざるを得ないと思います。
幸い、自動車を中心に、貿易は好調なので世界の情勢をみながら、地方開発庁としてやるべきことは何か、引き続き考えていきたいと思います。

後藤教授(ファシリテーター)
講義を通じ、投資にしても貿易にしても、つながりが増える、特に投資、貿易については、グローバルバリューチェーンという概念についてフォーカスしてきましたが、しかし、コロナでこの状況が直接的に変わった、という理解をお二人は示されたと思います。
ただ、コロナの前から変化は起こっていて、保護主義の台頭などがありましたが、コロナでそれが大きく加速したと感じています。
この環境で第一に考えないといけないのは、貿易と投資の未来はどうなっていくのか?各国の貿易と投資にどういう影響がでてくるのか。
2番目に考えないといけないことは、一定のルールにのっとって存在していたグローバル社会の在り方が不透明になってきました。
21世紀、世界は今までは自由で開かれていた多国間システムのおかげで繁栄を築いてきましたが、そのシステムの役割は、どうなったのか?
終わってしまったのか?
3番目として、持続可能性にむけた新しい課題と可能性について、転換点に来ているように思います。
グローバルゼーションの在り方が不透明になっている中、全体的な信頼性が低下しているのではないか?という状況があるのでは?
では、今社会は持続可能性のある社会と逆の方向に向かって動いているのではないか?
こういう大きな背景を考えると、貿易と投資に対してかなり大きな影響を与えると思います。
皆さんは、この状況に対して、現在どのような認識、そして、それに対して何ができると思っておられるのか、プレゼンテーターのお二人、そして日本側の参加者の皆様のご意見が聞ければと思っています。

フラスタ氏
UNCTADの投資レポートによると、世界のFDIが2021年、1/3も下がりました。
これは金融危機の時もひどかったですが、今回の減少はコロナ感染が原因です。
ただ、セルビアでは対内投資は微増しているのが現状です。
これはおそらく、サプライチェーンの影響で、簡単には他の場所に代替できないということ、ひょっとしたら地域ブロック化しているということがあるのかもしれません。
いままで域外にいっていたもののが、再度域内に戻ってくるカタチに再編成されてきているのではないでしょうか。
あとは単純に、労働コスト、物流コストが上がってきていることにより、グローバルバリューチェーン自体が短くなっているのではないか、と考えています。
日本企業のセルビア向け投資も、減少状況はありません。
特にこのパンデミックで経済もひどい状態になるのではないか、と考えていたのですが、幸い自動車産業に対しドイツからの投資がけん引したような形で、堅実な状態を保つことができました。
ですので、セルビアの経済全体としてはそんなにひどい影響を受けなかったのでは、そして、その要因は自動車産業の役割が大きかったと考えています。

PREX中山氏
セルビアは輸出も輸入も対象はドイツが突出しており、特に自動車、および、電子部品の製造など、経済的なつながりが強いのでは、と感じています。
となると、持続性という観点からみると、関係性が強いのがドイツだけで大丈夫なのか。
特に今、ドイツも天然ガスが必要量供給されるのか、などの問題を抱えています。
セルビアが製造のための原材料、稀金属(レアメタル)など原材料を自国で賄えるのか。
もし海外から輸入しないといけないとすれば、それがどこから輸入されて安定して入手できるのかということでも違いがあると思います。
その辺については、どのようにお考えでしょうか。

フラスタ氏
正直な意見を申し上げますと、本当に色々な要素があり、将来のことは不明確だと思っています。
ただ、知っている限りのことを申し上げると、確かに我が国には自動車産業がありませんが、現在セルビアに新しい自動車工場が建設されており、大規模なR&Dセクターもできることになっております。
そういう意味では、直近については大きな不安は感じていません。
しかし、これからの状況の変化によって将来どう変わっていくか、不透明だとは思います。
レアメタル等、原材料の調達についても、詳しくはわからないのですけれども、確かに存在する外国企業などで、レアメタル等を必要としている所もございます。ただ、こちらが輸入なのか、国内で賄えているのかは恐縮ながら存じ上げません。

後藤教授(ファシリテーター)
原材料の問題については、日本も資源が自国にないので重要な課題だと感じました。
戦略的に原材料の入手先を多様化できるかどうかも関係してくるので、重要な点だと思います。
日本の場合は、資源は海外に頼っていく、ということを1960年代に決断がなされました。
国内の炭鉱なども閉鎖し、そのような材料は海外から、という方向性になりました。
しかし、今、グローバル化の在り方が変わってきていて、国と国との信頼関係が下がってきた、というのは、日本にとって、非常に深刻な事態ととらえています。

フラスタ氏
わたくしのほうからご質問させていただきたいのですけれども、コロナの状態になってから補助金、助成金など中小企業をサポートするために、何をされてきましたか?
というのも、今までは対面でコミュニケーションをとりつつ、企業をサポートしてきたのですけれども、それができなくなった中、どうしていけばよいのかと思っています。日本側の経験をご教示いただけませんか?

日本政策金融公庫 姫路氏
日本政策金融公庫では、コロナ禍になって、経済活動が停滞し、資金繰りが厳しくなったSMEからの融資申し込みが非常に増えました。
政府系金融機関として、政府の発表する中小企業支援策のパッケージのもとで、中小企業へ金融の面でサポートを実施してきました。
コロナ禍における支援では、影響を受けたSMEへの低利・長期融資を提供してきました。
一定の要件に該当する場合には実質無利子で融資を行うケースも実際にありました。
対面が難しいという状況で、電話で経営状況をヒアリングしたり、オンラインツールでインタビューしたり、という方法により融資審査が滞らないようにしてきました。

pagetop
loading