コラム

専務理事’ s Eye①

閉講式で考えること

今回より、不定期で「専務理事ʼs Eye」を掲載します。昨年(2025年)の5月に専務理事に就任し1年が経過した陣内専務理事。ここでは、陣内専務理事が感じるPREXの魅力や活動の様子、そして日々の想いを発信していきます。第1弾である今回は、PREXが関わる全ての研修の閉講式や修了式に出席する陣内専務理事に、「閉講式で考えること」と題して、それぞれの研修の特徴や違い、実際の様子についてお話しいただきました。また、そこでのエピソードも掲載しています。ぜひご一読ください。

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語学力より伝えたい想いと、場数。
私は専務理事という立場上、PREXが関わる研修の閉講式や修了式に出席する機会があります。そして、そのたびに英語で祝辞を述べる役目があります。
私は英語が苦手です。就任当初は、短いスピーチであってもとても憂鬱な気持ちになっていました。それでも、この役職に就いて一年以上が経ち、多くの閉講式を経験する中で、ようやく少しは慣れてきたように思います。英語が上達したかどうかは怪しいですが、度胸だけはついた気がします。

現場の空気を知ることから始める。
閉講式に出席する際には、できるだけ事前に1~2コマの研修プログラムを見学するようにしています。最後に挨拶をする以上、どのような研修だったのか、雰囲気だけでも感じておきたいからです。
研修を見学していると、研修会(チーム)ごとに実に様々な個性があることに気づきます。質問が次々に飛び出して予定時間を超過してしまうほど活発なチームもあれば、普段はあまり質問しないものの、指名されると鋭い質問が出てくるチームもあります。自由奔放で視察先で迷子になりそうなチームもあれば、時間をきっちり守る模範的なチームもあります。
また、同じチームでも時期によって雰囲気が大きく変わることがあります。研修開始直後に見学した際には静かで少し遠慮がちな印象だったのに、数週間後に再び訪れると別のチームかと思うほど打ち解けていることがあります。何かきっかけがあったのかと職員に尋ねると、「夜に懇親会をしてから一気に距離が近くなったのかもしれません」と教えてくれました。
研修の成果は講義や視察だけで決まるものではありません。こうした交流の機会を設けながら、研修員同士や講師との信頼関係を築き、学びやすい環境をつくることも大切な仕事です。その話を聞いた時、職員の皆さんが日頃から知恵と工夫を凝らしながら研修運営に取り組んでいることを改めて実感し、とても嬉しく思いました。

笑顔に秘めた胸の内。
閉講式が終わると、研修員の皆さんは別れを惜しみながら歓談し、記念撮影を行います。私自身は英語への苦手意識もあり、自分から積極的に輪の中へ入っていくことはありませんが、時折、研修員の方から声をかけていただくことがあります。
先日もある研修員から、「あなたは普段何をしているのですか」と質問されました。私は少し考えてから、「書類にハンコを押して、あとはニコニコしているだけかな」と答えました。ちょうどその時に記念撮影が始まり、それ以上話す機会はありませんでした。
もっとも、今度同じことを聞かれたら、こう答えようと思います。
「決まった仕事は書類にハンコを押すことくらいです。あとはニコニコしながら、少し先の未来を考えています。将来問題になりそうなことは何か、今やっておくべきことは何かを考えて、必要なことを進めるのが私の仕事です」と。
極端な話、私自身は毎日ハンコだけ押していても、組織はしばらくの間は動いていくでしょう。しかし、それでは将来に課題を先送りすることになります。だからこそ、少し先を見据えながら考え、行動することが必要だと思っています。
このことは、研修に参加される方々にも共通するような気がしています。多くの研修では、将来を担う若手行政官の皆さんが参加されます。そして研修の最後には「アクションプラン」という行動計画を作成していただいています。
おそらく、そのアクションプランを実行しなくても、それぞれの国の行政は日々進んでいくでしょう。しかし、未来を変えるのは、まさに研修で得た学びを実践に移すことなのだと思います。
閉講式で研修員の皆さんの表情を見ていると、彼らがそれぞれの職場に戻った後、アクションプランを着実に実行してくれるものと信じています。そしてPREXもまた、そうした挑戦を支える存在であり続けたいと思います。私自身も、引き続きハンコを押しながら、ニコニコしながら、少し先の未来を考えていきたいと思います。

【JICA研修 中小企業振興政策(A)閉講式にて祝辞を述べている様子】

  • 陣内
  • 2026-10-26
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