北マケドニアのデヤン氏は、私が2011年に担当した「JICA中小企業振興のための金融・技術支援(A)研修」の参加者です。
デヤン氏が帰国した後、たまたまお互いをSNS上で発見し、現在に至るまで交流を続けてきました。13年たった今、彼は国際NGOのプロジェクトマネージャーとしてマケドニアの中でも経済的にあまり発展していない地域を対象に「未来へのポジティブチェンジ・北マケドニアにおける女性養蜂家プロジェクト(3年間実施)」を運営しています。 オンラインでお聞かせいただいたお話を紹介します。
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北マケドニアのデヤンです。自分が参加した研修では理論的な講義だけでなく、多くの現場に訪問することができ、理論と現場の両方から学ぶことができたことが、非常に有益でした。
また、二つ目の学びとしては課題解決に取り組むとき、行政やアカデミア、関係機関などがお互いの役割を調整し協業する仕組みがあるということを知れたことです。これは、日本では当たり前のことかもしれませんが、マケドニアでは必ずしもすべての機関がうまく協業できているわけではありません。今、自分が担当している「養蜂家育成プロジェクト」では日本でのこの二つの学びを生かして、参加者が理論とともに養蜂の技術を実際に見て、かつ実践もできる内容にしています。
マケドニアはドナーからの支援が多く、本当にたくさんのプロジェクトが実施されています。中には、企画段階で現地の状況にそぐわないプロジェクトが出てきてしまうこともあり、これはやむを得ないことかもしれません。自分のプロジェクトはそのようなことがないように、支援する場所を選ぶ時も実際に現地に足を運んで決めました。また理論と実践が必ず同時に学べる内容にしています。日本での研修を通じて、学んだ知識をもとに自分で実践していくことの大切さを強く感じたのでそれを存分に生かした内容としています。また、日本の企業振興の考え方と方法は、今の仕事にフルに生かすことができています。このプロジェクトで養蜂の技術を学んだ人たちが質の良いはちみつを生産し、地域に貢献できるようになってほしいと思います。
研修では、10歳から興味があった「日本」という国に行くことができ企業振興という専門テーマについて学ぶことができたことで自分は貴重な知識と体験を得ることができました。それ以上に人間として成長することができたと思っています。この事はどんな人の前でも胸を張り自信をもって言うことができます。これも研修員として応募者の中から私を選んでくれたJICA、研修を実施してくれたPREX、そしていろいろな所で学ばせてくれた日本のおかげだと感謝しています。これからもこの学びを忘れず、人の手助けとなれるよう自分を向上させていきたいです。
【デヤン氏】
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10歳の時に「サムライ」、「ニンジャ」にあこがれた少年が大きく成長し、今では仕事の傍ら両国の学生の交流のお手伝いもしているとか。世界の中で今まで研修に参加した研修員は時間が経ち、どういった毎日を送られているのでしょうか。マケドニアでは今も一人の大きな志を持った親日家が活躍を続けています。
(国際交流部 関野)
【「養蜂家育成プロジェクト」の様子】
- 関野
- PREX
- 2025-10-16