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PREXのベトナム人リーダー育成研修に参加して

 

PREXのベトナム人リーダー育成研修に参加して

藤本産業株式会社のニュウさんは、マーケティングを担当し今年3年目です。ベトナム語の翻訳やウェブサイトのリニューアルで活躍されています。藤本社長の推薦を受けて、2024年7月に「PREXベトナム人リーダー育成研修」に参加されました。この研修は、日本企業で働くベトナム人社員を対象に、企業の中核を担うリーダーとなれるような人材を育成することを目的に毎年、実施しています。研修は、①経営理念 ②カイゼン ③組織管理 ④人材育成をテーマに構成しています。講義と演習に加え、テーマに沿った企業訪問を通して理解を深めてもらうことができます。さらに研修で学んだ内容(情報)を自ら使える知識にするために、各自が会社で実行するアクションプランを作成してもらい、研修最終日に所属先の上司も参加する、アクションプランの発表会を行っています。
ニュウさんは、研修で訪問した企業の中で、株式会社ベルでの「経営理念に沿った行動(社員幸福度 ≧ 顧客満足度)」や、株式会社クリエイションでの金銭以外の心理的動機づけ(達成感、成長感、部下への期待等)についての講義や、三元ラセン管工業株式会社での「コア技術の伝承と人材育成」について特に学んだようでした。資格保持者一覧を職場に明示して各自がやる気を持ち、自ら手を挙げて資格をとる仕組みに関心を持っていました。アクションプランは、ブランディング活動と企業理念の浸透をテーマに発表されました。(PREX 荒木)

【研修最終日の藤本産業株式会社 藤本社長からのコメント】
研修成果に驚きました。ニュウさんは、研修に参加する際に「金銭以外の動機付け」について学びたいと話してくれましたが、今日の発表では、ニュウさんが「金銭的なもの以外の動機付け」を体現してくれていました。
日頃から、ニュウさんは、私が不安になっている時に、すごく良いパスを出してくれます。励まされることが多く、とても感謝しています。
今回作ってくれたアクションプランは、会社の経営にも有用です。「言うは易く、行うが難し」ですが、ニュウさんがアシストしてくれることを期待しています。日ごろから皆の模範になってくれていて、学んだことを会社の業務に活かしてくれると思います。会社と共に成長してくれたら嬉しいです。
(藤本産業株式会社 代表取締役社長 藤本 翔平 氏)

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藤本社長の考える魅力的な職場についてお聞きしました。
当社は、ねじの卸をメインにしている会社です。2020年の年末に家業を継いで、4年目を迎えるところです。私たちの会社は、東大阪にあります。その他に、国内の拠点が4箇所と海外拠点(中国とベトナム)があります。グループ全体で170名ほどの規模です。私たちの目指すべきゴールのひとつとして、魅力的な職場―ダイバーシティ&エンパワーメントを掲げています。外国籍の社員が8カ国、約20名が働いてくれています。中には10年以上働いてくれている社員もいます。外国人がたくさんいることによって、さまざまなメリットがあり、表層だけのダイバーシティではなく本質的なダイバーシティを実現しようと、いろいろな取り組みを頑張っています。

外国人材の採用はどのように取り組まれていますか?
当社には、もともと、貿易部がありましたので外国人の社員が数名いました。一般社団法人Transcend-Learningの吉田氏とご縁があり、吉田氏からアドバイス頂いたことをフォローした結果、今の当社があります。改めてフォローして良かったと思っています。さまざまな施策がありましたが、「探究思考ブック」という本に紹介いただいたのは特に良かったです。社員は、自分の会社の記事が紀伊国屋書店に並ぶことに誇りを感じました。会社紹介の動画も作っていただきました。私たちは、こうした動画を作ったことがなかったのですが、完成後は、機会を見つけては、この動画を見てもらっています。結構ポジティブなフィードバックが返ってきます。採用のための合同説明会の際にも、この動画を流すと外国人の留学生にも当社で働くイメージが湧くのだと思います。動画を見た瞬間に、目の色が変わります。「この会社は働きやすそう」と思っていただける、すごく良いツールになりました。今後のことはどうなるかわからない部分もありますが、いろんな施策を通して、さらに良い会社を作っていけたら良いなと思っています。

8カ国の方を採用されていますが、同じ国の方を採用する会社も多いと思います。
なぜいろいろな国の方を採用されているのか、それによるメリットや苦労されている点も教えてください。
特に考えて分けている訳ではなく、ご縁があった人に入ってもらっていると、いつのまにか8カ国になっていたというのが正直なところです。メリットは、多様な意見が出てくることです。特に日本人社会では、そんなこと言わないであろう意見もバンバン出てきます。そこは良い部分だと思っています。一方で、デメリットも多少はあります。国によって、文化や考え方もかなり違います。外国人という一括りだけではなくて、国ごとの特性が色濃く出ます。また数が増えるほど、健全なぶつかり合いも増えます。その辺りは少し気を遣うところはあります。

「健全な良い意味でのぶつかり合い」を会社として大事にして、チームプレーに転換する時に何か工夫されていることが
あれば教えてください。
外国人の方にとっては、空気を読むであるとか、なんとなく感じるというのは、すごく難しいと思うので、納得するまで話し合う、きちんと、うやむやにせずに、はっきりさせるということはすごく大切にしています。当社で扱っているねじは、一本でも欠けると、あたりまえに動いていたものが動かなくなります。人材も同じです。人や国の不平等のない世界、これが藤本産業がめざす当たり前です。ともに発展する社会を作りたいです。

  • 掲載日:2024年11月26日
  • 研修名:ベトナム人リーダー育成研修
  • 氏名:PREX荒木