広東省の食品衛生管理担当行政官、日本の現場に学ぶ/兵庫県・広東省JICA草の根技術協力事業 訪日研修(2013年5月)

伊丹市立学校給食センターを訪問し、衛生の取組や、食育等について学び、実際に給食を食べさせていただきました。

5月20日より約2週間、広東省で食品衛生管理に携わる行政官等5名が来日し、友好自治体の兵庫県にある機関・企業等を中心に日本における食品衛生管理について学びました。今回の研修はJICA草の根技術協力事業(地域提案型)「中国広東省における食の安全安心と食育の推進」プロジェクトの一環であり、昨年度から3年計画で実施するものです。昨年の実施を予定していましたが、尖閣問題による混乱により、今年度に延期となりました。

日本と広東省の食の安全に対する取り組みの違い

広東省では、食の安全に対する事故が発生した場合、行政側の責任となるとのことで、食品衛生に係る行政部門に対する圧力が大変強いとのことでした。日本では、行政の監理監督が基礎にあるものの、食の安全に対する責任は、基本的に企業が負うことに大いに感銘を受けていました。また、日本では、食品業界団体が重要な役割を担っていることにも大いに関心を示していました。業界団体が企業に対して幅広く国の政策や法規を知らしめ、従業員の研修や指導に力を入れ、企業の自己管理レベルを向上させていること、また、互助事業の発展にも力を入れており、協会の日常的な事業展開とともに、企業の困りごとを助けていることを知り、広東省の食品業界団体にも、このような役割を担ってもらいたいため、業界団体の育成に努めたいとのことでした。

広東省での食の安全に関する主な行政組織は、衛生庁を筆頭に、食品生産段階を管轄する農業庁、製造段階を管轄する品質技術監督局、消費段階を管轄する食品薬品監督管理局と各段階での縦割り管理となっています。情報の共有など縦割り管理による弊害もあるため、研修員によると、今年6月に大きな行政機関の改編があるので、自分たちも帰国後異動になる可能性があるかもしれないとのことでしたが、8月現在まだ改編は半ばであるそうです。いずれにしても、今後広東省ではますます食の安全を行政側が重視していくこととなると考えられます。

このプロジェクトでは、広東省に2社モデル企業をつくり、日本側専門家が工場の衛生管理等を指導して現地の食品衛生管理担当行政官、食品企業、市民の教育の場とすることにより、広東省における食の安心安全に貢献したいと考えています。

中国でも、食べ残しをしないようにとのキャンペーンが!

日本と中国の食事に対する考え方の違いについては、中国を訪れたことのある方はみなさんご承知のことと思います。中国では、出されたお料理をすべて食べてしまうと、ホストは料理が足りなかったと思い、追加します。日本人の場合は、食べ残すと失礼だと思うので、基本的に全部食べようとがんばります。ということで、典型的な中国人がホスト、日本人がゲストとなった場合、悲劇となってしまいます‥‥というお話をよく耳にするほど、中国では食事に出かける場合、食べきれないほどの料理を注文し、食べ残すことが普通だったのですが、2013年、広東省食品安全委員会事務局は、広東省薬品監督管理局とともに「光盤行動(注:お皿を空にする、食べ残しをしない)キャンペーン」を展開し、食事のマナー、食品の浪費根絶を大きく提唱し、各界からの大きな反響を得たとのことです。他の地方の中国人からも、「光盤行動」についての話を聞きましたので、おそらく全国的なキャンペーンなのだろうと思います。食事のマナーや、浪費をしないなど、食についての関心が高まっていることを感じました。

国際交流部 酒井

研修概要

研修名
JICA草の根技術協力事業(地域提案型)
「中国広東省における食の安全安心と食育の推進」
実施期間
2013年5月20日(月)〜6月1日(土)
研修参加者
5名
研修内容
広東省の食品衛生管理担当行政官等が日本における食品衛生管理の取組を学ぶ
委託元機関
JICA関西
お世話になった方々、企業・団体(敬称略、訪問順)
・兵庫県
・兵庫県伊丹健康福祉事務所
・伊丹市立学校給食センター
・但馬屋食品
・小西酒造
・横浜検疫所輸入食品検疫・検査センター
・日本食品衛生協会
・日本食品分析センター
・サラヤ
・コープこうべ
・神戸国際大学

研修のテーマ :  環境