セルビアの食品の日本への輸出を目指す/セルビア共和国・国別研修「対外輸出促進」(2013年2月)
中東地域 持続可能な観光開発研修

ブルガリア大使館でコマーシャルカウンセラーのバルチャノフ氏から日本進出時の苦労談をお聞きしました。

開発途上国にとって日本は食品の輸出先としても大変魅力的な市場の一つです。2月から3月にかけて、セルビア共和国の研修員5名が訪日し、日本市場、日本人の嗜好、マーケティングをはじめ様々な分野について学びました。研修に参加したのは投資輸出関連の中央機関、地方機関、養蜂組合、農業委員会、果物生産者など、専門が多岐にわたる研修員達です。3週間にわたる日本での研修、また日本での生活を通じて学習、体験した貴重な知識をこれからの商品輸出にいかします。

奈良県五條市の堀内農園で代表から農園経営についてお話を聞く。ジャムなどの加工品を、小規模だが高付加価値の販売戦略で全国に展開するビ ジネスモデルを学びました。

セルビア共和国をご存知ですか

みなさんはセルビアという国をどのくらいご存知でしょうか。南東ヨーロッパのバルカン半島の中央に位置する共和国で、かつてはユーゴスラビア連邦人民共和国に属していました。人口は726万人、面積は北海道とほぼ同じです。このたびセルビア共和国から5名の研修員が訪日し、日本への食品輸出について学びました。セルビアは農業国で、ベリー類(ラズベリー、ブラックベリー、ブルーベリーなど)の大産地で、またワイン、はちみつ、ジャム、穀物などの生産も広く行われています。

セルビアのはちみつ業界について説明する研修員。セルビアのはちみつは品質は良いのですが、残念ながら、フランスやドイツ経由でフランス製、ドイツ製として日本に入ってきます。

自分たちの国の商品に自信を持ちました

研修員たちは、スーパー、ワイナリー、はちみつ会社、デザイン会社、惣菜会社、農園などの企業やJETRO、空港の検疫所、大使館などの訪問、専門家のレクチャーやディスカッションを通じて、日本市場や流通の特徴、日本人の嗜好、マーケティング手法を学びました。研修を通じて研修員たちが学んだことの中で一番意義深かったことは、自国商品のおいしさと品質は日本の消費者に十分受け入れられるという勝算を自らが感じとったことかもしれません。きっと自国の商品に自信を持って今後の輸出振興の活動につなげてくれると思います。残念ながらセルビアの産品は、例えばはちみつですと、フランスやドイツへ輸出され、フランス製やドイツ製として日本に入ってきます。ワインですと周辺国のワインと一緒に混ぜられ日本に入ってくるなどしており、せっかくのセルビアの食品の良さが日本人にはわからないという状況です。私もセルビアブースでワインの試飲をしましたが、決して有名産地に劣るものではありませんでした。

印刷・デザイン会社で商品パッケージのデザインや品質の重要性について話を聞く研修員たち。日本で売れるためには食品の品質が素晴らしいことに加え、パッケージやデザインが人目をひくものであることが必要なことを学びました。

食品展で飛び込みの商談を体験しました

日本で最も大きな食品展であるFOODEX JAPAN に参加し、日本企業へセルビアの食品を売り込む商談も体験しました。最初はコースリーダーの平野先生が日本のインポーターと面談のアポをとり、そのあと研修員と平野先生が先方のブースを訪れパンフレットを手にしてセルビアの商品の説明を行いました。 翌日になると研修員自身がFOODEX 出展者の中から目をつけた相手先に飛び込み営業をかけて今後の商談の約束を取り付けていました。

3週間にわたる研修を終えて修了式に臨んだ研修員たち。前日のアクションプラン発表会では自分たちの目標が実行可能な方策に分解され実行スケジュールも明確でコースリーダーの先生からも全員が高い評価を受けました。

セルビアという国の売り込みが大切です

もうひとつ学んだことは、ベリー類やワインを売り込む前に、セルビアという国のイメージそのものを売りこむことが非常に大切だということです。日本ではセルビアのイメージが人々の頭の中には白紙で記録されているのでこれからが大きなチャンスです。日本の消費者がセルビアにポジティブなイメージを持てば、商品にも良いイメージを持つはずです。例えば今回の研修ではブルガリア大使館を訪問し、コマーシャルカウンセラーからブルガリアが日本へ輸出を始めた時の苦労談などを伺いましたが、ブルガリアではとても長い時間をかけてブルガリアとヨーグルトのイメージづくりをしてきました。大相撲の琴欧州関などの著名人もブルガリアを日本人に近づける協力をしてきました。セルビアは新しい国ということもありこの点では遅れをとっているのです。

帰国後の活動が実を結ぶことを期待して

最終日に発表したアクションプランは全員がコースリーダーの弓場先生から高い評価をいただきました。帰国後のアクションプランがタイムチャートとともに詳しく記されており、セルビアの食品の日本への輸出に弾みをつけてくれることは間違いありません。新鮮で本当においしいラズベリーやフルーティで上品な味わいのワインが日本でも身近に手に入るようになることを心より祈念して筆を置きたいと思います。

国際交流部 浜口

事業概要

研修名
セルビア共和国・国別研修「対外輸出促進」
実施期間
2013年2月26日(火)~3月14日(木)
研修参加者
セルビアの貿易振興輸出に携わる行政官・民間企業幹部 5名
研修内容
  • 講義(日本の流通制度の特徴と日本人の嗜好、日本の商習慣など)
  • 訪問(輸入商品を取扱う企業、輸出促進を担当する公的機関、FOODEX JAPANへの参加等)
  • 発表(インセプションレポート発表、振り返り、アクションプラン発表など)
お世話になった方々、企業・団体(敬称略、訪問順)
関西空港検疫所、元JICAセルビア国派遣 平野勝氏、有限会社ゼータ 弓場俊也氏、株式会社イズミヤ総研、神戸はちみつ園、流通科学大学教授 崔相鐵氏、ブルガリア大使館、JETRO、株式会社ロック・フィールド、寿精版印刷株式会社、神戸ワイナリー、堀内農園
研修のテーマ :  貿易振興