【グローバル人材育成事業】企業の海外展開とグローバル人材の確保をテーマにセミナーを開催(2013年2月)

阿部正行代表理事が指導するハノイ貿易大学の学生たち(この学生たちは今すでに日本で日本企業の正社員として働いています)

海外進出を考えている中堅・中小企業が最も苦労するのは現地で活躍してくれるグローバル人材の確保です。今回、中堅・中小企業の経営者を対象に、ベトナムのトップクラスの大学であるハノイ工科大学とハノイ貿易大学で日本語が話せるビジネス人材の育成事業をされているNPO法人VCI人材戦略研究所の阿部正行代表理事を講師に迎え、ベトナム進出の留意点や人材の確保等についてお話を頂きました。以下、阿部講師の講義内容をご紹介します。セミナーには堺市内の中小企業の幹部など約40名が参加しました。(2013年2月18日、堺市産業振興センターにて実施)

ベトナムの裾野産業の育成に貢献

私は足かけ19年ハノイに滞在し、ハノイ工科大学やハノイ貿易大学の学生を中心に約160名の卒業生を日本企業へ送り出してきました。

2002年ごろに一度ベトナムブームがおこりました。その時期に多くの日本企業も進出し、ワーカーレベルの仕事は多くなりましたが、技能レベルが高い仕事はほとんどなかったため、ベトナムの優秀な人材を日本企業へ送り、人材育成をしてもらえないかとベトナムサイドから依頼されてこの仕事を始めました。ベトナムの裾野産業の育成に、日本の技術を生かしてほしいという強い思いがありました。

ベトナム人学生の夢をかなえる

ベトナムでは、産業界に資する人材を送り出すという意識が弱く、ベトナムの大学の先生は就職には一切関与しません。 学生達は自分たちで仕事を探さないといけませんし、就職活動自体も実にあっさりしています。ベトナムは一言でいうと、“学生の能力はあるが、磨かれていない”状態なのです。そこに私たちの活動の意義があると思っていますし、日本で働きたいというベトナムの学生の夢をかなえてあげたいと思っています。

ベトナム人は勤勉であるとよくいわれますが、特にベトナムの女性は非常に頑張ります。私が教えている学生達は日本へ行きたいと熱心に勉強しています。多くの学生が日本人と同じように責任感やメンタリティーを持って目標を持って前向きに取り組んでいます。

互恵的な関係で新たな関係づくりを

日本企業では、伝統の技術や技といったものが継承できないという問題を抱えているのではないでしょうか。日本は今後人口減の時代を迎えます。ところが、日本の歴史的背景から移民を受け入れることは難しいのではないかと思います。アジア人も一緒にやろうよという考えを持った企業に学生を採用していただき、互恵的な関係で新たな関係を作っていくということを是非めざしてほしいと思います。

日本にいるベトナム人は4万人弱で、その大半は研修生、実習生です。大学卒業者で働いている人は約2000名、留学生は約3000名とまだまだ少数です。ベトナムは若者の国ですから今後日本への若い労働者の供給地として非常に有望です。

彼らは日本の文化にもすぐに溶け込みます。日本の会社の厳しさについては観念的にはわかっていたとしても、実際に働いてみて改めて厳しさを感じたという意見をよく聞きます。また、ベトナム人は非常に家庭を大切にします。日本人は仕事中心に物事を考えるので、ベトナム人が家族中心で物事を考えることを理解しがたい時もありますのでこの点は気をつけたほうがいいかもしれません。テト(旧正月)に帰りたいというベトナム人は多いのですが、私から学生には、みんなから長期の休みを取っても差し支えないと認められるまで働いたうえで、テトの休みの申請をしてはどうかと指導しています。

採用前には、企業の社長・幹部が直接ハノイを訪問し、学生と面接を実施するのが一般的です。学生は面接を通じて日本企業を身近に感じ、その会社で働くことを前提に集中して残りの期間の学業に精励するようです。日本企業は一人の従業員を家族のように扱い、社員教育もかなりきっちり行うので、その恩を忘れないようにと言い聞かせています。

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