中米・カリブ地域官民パートナップシップによる地域産業振興研修(2012年11月)

2008年度の研修員、コスタリカのマリアさんは
農産物を活かした地域振興に取り組んでいます。

本研修は今回で6回目を迎えました。コースリーダーである奈良県立大学の村田武一郎教授の講義、アクションプラン作成指導を軸にして商工会議所などの官民連携プロジェクト事例、伝統産業の活性化事例、地域資源を発掘しての観光振興事例などを現地を訪問しながら学びました。テレビ会議によるフォローアップでは、帰国研修員がアクションプランの進捗を発表しました。

様々な地域振興・観光振興事例を体感し母国での実践につなぐ

今年度も中米・カリブ地域の研修員が自国での応用に具体的なイメージを持ちやすい魅力的な事例を数多く訪問しました。枚方市の杉・五兵衛では有機循環農法による6次産業(1次産業(農業)、2次産業(製造業)、3次産業(小売業)を掛け合わせた造語)への取り組みを学び、滋賀県高島市では商工会、地域特産品の販売拠点である道の駅藤樹の里あどかわ、針江を訪問しました。京都では、企業の海外展開支援に取り組む商工会議所と伝統産業の付加価値化に成功した企業に学びました。その後、淡路島や徳島、奈良を訪問し、それぞれの地域資源を活かした持続可能な地域産業振興、官民連携のあり方を体感し、最終日には、研修で得た新たな視点から自らの地域振興のためのアクションプランを作成しました。その中から4カ所を右に紹介します。

2011年度の研修員、ホンジュラスのアダさんは、鉱山跡地を地域観光振興の拠点にする活動を進めています。

帰国研修員が互いに刺激を受けながらアクションプランを実現

持続的な経済成長の達成による雇用拡大と人々の生活の質の改善、都市と地方の格差是正が大きな課題となっている中米・カリブ諸国にとって、同研修の内容は現地のニーズをとらえたものであり、多くの帰国研修員から具体的な成果に関する報告がなされています。また、参加国間では互いの情報交換を通じながら自主的な活動が進みつつあります。
昨年度から本研修のカリキュラムの中で、過去に本研修に参加した帰国研修員を交えたテレビ会議によるフォローアップ研修を実施しています。帰国研修員の人数は今年度の参加者11名を加えると60名を数えますが、そのうち30名を超える研修員が参加しました。日本時間8:00から(現地時間では17:00あるいは19:00)、日本、ドミニカ共和国、グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカの7カ国をテレビ会議で結び、お互いの地域振興事例を共有化しました。

帰国研修員が日本の事例を参考に自国の地域振興を展開

テレビ会議で自国のアクションプランの進捗を発表したいという研修員が引きもきらず、希望者全員に発表してもらいたいところでしたが、時間の制約もあり、6名に発表してもらいました。
昨年度のホンジュラスの研修員、アダさんからは昔の鉱山の跡地を地域観光振興の拠点にしようと関係機関や地元大学を巻き込んだ活動の報告がありました。 同じく昨年度の研修員、グアテマラのウィリーさんからは、小規模生産農家と大手流通との連携を図ることでバリューチェーンを強化、生産性と雇用の改善を実現した事例の報告がありました。
2008年度の研修員、コスタリカのマリアさんからは、農産物の多角化や、新商品開発への取り組みを通じて、地域にお金が落ちる仕組みづくりについて報告がありました。
帰国研修員たちが日本で学んだ知識・経験を生かした母国での活躍には目を見張るものがあります。彼らの成果が本研修を息の長い研修に押し上げていることも間違いありません。今年の研修員たちも、来年のフォローアップ研修では素晴らしい成果を発表してくれることを是非期待したいと思います。

国際交流部 浜口

工房街道/奈良県

奈良県宇陀地方に点在する様々な伝統産業の職人工房をネットワーク化し、地域の観光振興につないだ事例で、コースリーダーの村田先生が活動の音頭をとっておられます。研修員たちはプロジェクトの計画評価方法を学ぶとともに、工房の一つである和紙の工房でオリジナル作品づくりに挑戦しました。

工房街道にて和紙づくりを体験。

工房街道が抱える課題と解決策を発表する研修員。

針江/滋賀県高島市

針江地区のすべての民家に備わる川か 端ばたという湧水。それらを地域の宝ものとして発掘して大切に保存していく地域住民による観光振興の活動を見学しました。研修員たちは、ゆったりした時間の中で散策をしながら、自分たちの暮らす地域の宝ものは何なのか思いを巡らせていました。

針江を散策する研修員たち。

針江の川端を泳ぐ鯉。

いろどり/徳島県上勝町

いまや地域振興の全国ブランドとなった葉っぱビジネスの最前線を視察しました。お年寄りが日本一元気で暮らす町、またIターン、Uターンの若者が引きも切らない町で、地域農産品の付加価値化を切り口に自分たちにも応用できそうなヒントをつかんだようです。

いろどりの横石社長の講義。

上勝町の温泉を体験。

杉・五兵衛/大阪府枚方市

徹底した有機循環農業を展開し、6次産業の魁となった農園を訪問し、農産物にどうやって付加価値をつけていくのかを学びました。有機野菜バイキングをいただきながら、園主のユニークな発想のプロセスやここに至るまでの苦労談に耳を傾けていました。

杉・五兵衛の有機野菜バイキング。

杉・五兵衛で園主の話に耳を傾ける研修員たち。

研修概要

研修名
中米・カリブ地域官民パートナップシップによる地域産業振興研修
実施期間
2012.8.24(金)~9.14(金)
研修参加者
地域産業振興に携わる行政機関の担当職員、農産品加工、手工芸、地域観光など地域の有望産業の協同組合幹部
お世話になった方々、企業・団体(敬称略、訪問順)
奈良県立大学 村田武一郎教授、神戸市産業振興財団、近畿経済産業局、杉・五兵衛、高島市商工会、道の駅藤樹の里あどがわ、針江生水の郷委員会、京都商工会議所、日吉屋、薫寿堂、味きっこう、上勝町、いろどり、工房街道、OM環境計画研究所 大森代表、北野工房のまち
研修のテーマ :  地域振興