広東省の食の安全確保の取り組みを調査/兵庫県・広東省JICA草の根技術協力事業 専門家派遣(2012年11月)

PREXは、兵庫県と広東省と連携し、友好提携30周年にあたる今年度より3年間、「食の安全・安心」をテーマに、JICA草の根技術協力事業を行います。本事業は、広東省で食の安全と安心を進めるための人材育成を図るものです。8月5日から11日まで第一回目の専門家派遣事業として現地状況の調査を行いました。

広州分析測定試験センターでは、食品の成分検査、微生物検査、食中毒などの食品事故に係る検査測定も行っています。

広東省の状況

食品生産は、広東省の9つの支柱産業の一つです。広東省政府は食の安全確保に力を入れていますが、食品添加物の乱用を含めた一部企業の違法生産と生産規範の不完全および食の安全を管理監督する公務員の数と能力の不足によって、重大な食中毒事故が起こっています。今回の専門家派遣事業では、今後3年間のプロジェクトを実施するにあたり、現地の状況を把握するための調査を中心に行いました。

広東省における食の安全には、19の政府機関が関与しています。広東省衛生庁が総合調整役となり、原材料生産段階では農業庁、加工・製造段階では品質技術監督局、消費段階(レストランやスーパーマーケットなど)では食品薬品監督管理局が主に責任を担っています。科学技術庁は、すべての分野に係っています。縦割りの弊害が大きいという理由で、衛生庁の中に2011年5月に食品安全委員会が設立されました。この委員会が中心となり、各部門との調整を行っています。

広東省は気温と湿度が高いことから、微生物による問題が多く、製造から輸送までの保管期間の状況を改善することも課題です。広東省で発生した食中毒は2010年には大きなものが11件、患者数は362名、死亡1名でした。2011年もほぼ同様だったそうです。人口規模からみれば、件数は少ないですが、50人以上の患者が出ないと食中毒事件として扱われないため、実際にはもっと多くの食中毒が発生していると思われます。また、営業許可証をとっていないような小規模な企業の管理ができておらず、経営者のモラル欠如により、違法な添加物を加えたりすることがあるそうです。また、「職業的苦情者(クレーマー)」も出現し、問題がありそうな商品があればそれを買って損害賠償を求めるとのことで、賠償額は購入額の10倍だそうです。

予想以上にきちんと管理されている工場

今回は、広東省で標準レベルの食品メーカーを訪問させてほしいと希望し、6カ所の企業を訪問させていただきました。ほとんどすべての企業が、ISOやHACCPの認証を得ており、予想以上にきちんと管理されている印象を持ちました。

(国際交流部 酒井)

研修のテーマ :  環境