PREX初、帰国研修員が経営する企業の幹部研修/陝西偉志集団幹部職員研修 (2012年7月)

御幸毛織四日市工場にて、高級紳士服生地の製造現場の
見学後、社長と意見交換する研修員。

PREX中国同窓会会員で、2006年JICA中国中小企業振興コースに参加した西安市の第五碧栄氏から、当人が総裁を務める企業「陝西偉志集団」の幹部に対する訪日研修の実施を要請されました。PREXが同窓生の企業の職員を対象として研修を実施するのは初めてです。今回は、グループの中核企業である服飾公司の幹部職員を対象に、日本企業の企業経営、服飾業界のマーケティングやブランド管理等を学ぶことを目的とした研修を実施しました。

全額自費で自社幹部職員に研修を

PREXはこれまでも、同窓会員の要請による研修事業を実施していますが、研修員は行政官と企業幹部でした。今回は、日本の政府開発援助(ODA)の予算で実施した訪日研修に参加した研修員が、全額自費で自社幹部職員の訪日研修を行うもので、PREXとしては初めての取り組みでした。

日本で学びたいとの要望をもらえることは、PREXが実施した研修事業、ひいては日本によい印象を持ってもらえたということであり、大変嬉しく思います。中国は、先進国・中進国・途上国・後発開発途上国(LLDC)のすべての地域を抱えた国だといわれていますが、ODAによる対中支援が難しくなる中、今後は今回のような自費による研修事業の要請にも積極的に応えていきたいと考えます。

日本のアパレル業界のブランド管理やマーケティング戦略を学びたい

服飾公司は紳士用スーツの製販が主要な事業であることから、日本のアパレル業界におけるブランド管理やマーケティング戦略等を学び、同業種を訪問したいと希望がありました。専門家に伺うと、日本には、オーダーメードを扱う小規模企業はあっても、大規模な縫製工場は海外へ出ていることと、かなり閉鎖的な業界であるため、工場見学を依頼するのは困難が予想されることがわかりました。

PREXのネットワークと研修ノウハウの蓄積を生かして

今回は、東洋紡在籍のPREX OB 安藤さんに相談し、東洋紡テクノウール 米田社長、御幸毛織 奥村社長のご協力を得て、御幸毛織四日市工場を見学させていただきました。また、陝西偉志集団より、10年以上にわたって技術研修生を受入れている、島根県にある松井島根ファクトリーにもお伺いし、工場見学と、今岡社長との懇談の時間をいただきました。また、同社訪問前日には、陝西偉志集団から同社へ派遣されている24名の研修生のみなさんとの懇親会も実施し、意義深い訪問となりました。

国際交流部 酒井

日本初来日の西安市の経営幹部

研修員8人中7人が日本初来日、関西空港に到着してから、大阪、三重、愛知、島根、東京と移動し、成田空港から帰国するという行程で、富士山や日本旅館での宿泊、温泉の体験もできました。りんくうプレミアムアウトレットを見学したところ、上海にもこのような施設があるとのことでした。ただ、上海の施設よりは店舗数や品揃えが豊富であるとのことでした。

大阪から島根県に移動する日は大雨の翌日で、新幹線で新大阪から岡山までは順調だったものの、島根方面へ向かう特急の出発の見込みが立たない状況で、岡山で3時間の足止めとなりました。島根県では松江城や出雲大社などを見学し、楽しい時間を過ごしました。

研修員が苦しんだのは食事でした。日本食は薄味なので、豆板醤などを持参するよう再三助言したのですが、せっかく日本に行くのだから日本の味を楽しもうと考え何も持参しませんでした。ラーメンや天ぷら、回転寿司にも挑戦しましたが、和食には3日目くらいでギブアップしてしまいました。

 研修員たちは、日本の街が美しい(清潔)こと、人々の資質が高いことに感銘を受けていました。また、地下鉄では女性専用車があるということに驚き、西安で開通した地下鉄にも、将来できるかもしれないねと話していました。

研修員8人は全員男性で、自社製品を纏って全員が大変熱心に研修を受講しました。10日間という短い期間に移動の多いスケジュールでしたが、滞在を楽しんでいただけた様子でした。

研修概要

研修名
陝西偉志集団幹部職員研修
実施期間
2012.7.3(火)~7.12(木)
研修参加者
陝西偉志集団 服飾有限公司の幹部職員8名
委託元機関
陝西偉志集団
お世話になった方々、企業・団体(敬称略、訪問順)
松下幸之助歴史館、OFFICE ZETA、御幸毛織、東洋紡テクノウール、松井島根ファクトリー、長田染工場
研修のテーマ :  経営管理