日本企業の魅力を伝え、日本との関係を作る研修へ/JICA日本センター訪日研修(2012年6月)

イートアンドにて工場見学の後、餃子づくり体験・試食を楽しみました。中央アジアとは違う餃子の作り方に皆さん興味津々でした。

昨年度、PREXは中央アジア地域およびアセアン地域の日本センター関連の訪日研修を8件実施しました(参加国は、ベトナム、ラオス、カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス)。参加した研修員も1年間で74名と過去10年間の、日本センター訪日研修の実績の中でも最大のものとなりました。過去10年間の実績を振り返るとともに、参加者の声を通してこの研修の役割をご紹介します。

「日本人材開発センター(通称:日本センター)」は市場経済への移行過程にある8カ国(ベトナム、ラオス、カンボジア、モンゴル、ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、ウクライナ)において、各国のビジネス人材育成の拠点としてJICAの支援で2000年以降設置されました。それぞれのセンターではビジネスマン向けの「ビジネスコース」などを実施しています。 PREXは2002年からの10年間で52件の研修を受託実施し、のべ338名が参加しました。 参加者は現地でビジネスコースを受講したビジネスマンや、ビジネスコースを指導する現地講師、そしてビジネスコース運営を担当する日本センターの現地職員などです。

高島屋京都店にて百貨店のマーケティング戦略について講義を受けました。開店時の入り口でのお出迎えの様子には全員が驚きと感動を覚える、印象的な訪問となりました。

イズミヤ千里丘店にてマーケティング戦略と人材育成についての講義の後、店舗を見学しました。

日本でしか見られないものを紹介したい

日本センターが設置されているのは、いずれも市場経済への移行中の国々であるため、民間企業の発展の歴史は短く、企業経営のモデル、指針となるべき企業や経営者がまだ少ないのが実態です。

この点を踏まえPREXは、日本センター訪日研修には、企業活動の現場を見てもらうとともに、熱い思いで企業経営をリードしている日本の経営者との面談など、日本の研修でしか紹介できないものを、できる限り多く盛り込むことを10年前から目指してきました。

研修参加者は現地で既にビジネスに関する専門的な講義や演習を受講しており、日本での研修には、成功した企業の発展の歴史や、その中での経営者のあり方、経営理念など企業の軸となるものの重要性、そして従業員との信頼関係の大切さなど、現地では十分に学ぶことのできないものが求められています。

日本企業の魅力を知る

今年2月に受託実施した「日本センター現地講師育成研修」には、中央アジア3カ国の日本センターで現地講師として活躍しているコンサルタント19名が参加しました。

研修最終日、研修員に日本で学んだことについて確認すると、「企業の長期的な戦略やビジョンを持つことの大切さ」「経営者が従業員を家族だと思い、人材育成に注力していること」「お客様を心から大切にし、社会や地域に貢献できる事業・製品戦略を持っていること」「従業員一人ひとりが日々小さな改善を積み重ねていること」「たとえ資金がなくても夢や強い思いがあれば成功できることを体現している経営者がいること」など印象的な感想を聞くことができました。

研修では登山・アウトドア用品の開発・製造・販売をしている「モンベル」を訪問し、28歳で起業後、現在も同社の代表取締役である辰野会長から、ビジネスを始めた背景や起業にいたる経緯、経営者として大事にしていることなどについて直接お話をうかがう機会もいただきました。資金がなくても夢があれば成功できること、経営者として従業員を大切に思い、企業としての社会的な役割を果たすためにも企業の継続的な発展を考えることが重要であることなど、ご経験に基づく貴重なお話を聞くことができ、研修員の中には感激で涙を流す人もいました。

企業経営に関する専門的な知識やノウハウを現地で身に付けている参加者ですが、日本企業への訪問を通じて、現場でしか感じられない、企業経営にとって大切なことを学んでいます。

それらは日本企業の強み・魅力にほかならず、短い日本の滞在期間の中でも確実にその魅力を理解してもらえたのだと思います。

日本との関係づくりの場を目指す

この10年間で日本センターのある国々そして日本の経済状況は大きく変化してきました。これまでのように日本の企業や経営者をモデルとして学ぶだけでなく、これからの研修には参加国企業と日本企業との対等な立場での関係強化という役割も求められています。

日本企業の強みや魅力に対する理解を深めた訪日研修の参加者だからこそ、日本そして日本企業との関係づくりもよりスムーズに進められるはずです。

今後は各国の状況紹介や意見交換会、交流会など相互交流・情報交換の開催によって、日本との関係づくりに寄与できる研修プログラムも実践していきます。

国際交流部 瀬戸口

日本センター 訪日研修の実績

年度 件数 参加者 参加国、人数
ウズベキスタン カザフスタン キルギス ベトナム ラオス
2002年度 3件 22名 5名 4名 11名 2名
2003年度 3件 20名 1名 4名 12名 3名
2004年度 7件 37名 9名 8名 1名 14名 5名
2005年度 7件 44名 8名 9名 6名 16名 5名
2006年度 6件 22名 4名 6名 5名 7名
2007年度 7件 37名 9名 4名 7名 14名 3名
2008年度 5件 31名 8名 5名 4名 14名
2009年度 4件 24名 8名 5名 4名 7名
2010年度 3件 27名 12名 15名
2011年度 7件 74名 16名 18名 7名 20名 13名
52件 338名 80名 57名 35名 128名 38名

昨年度訪問した主な関西の企業(順不同)

研修のテーマ :  経営管理