メッキで機能を創造 コダマを訪問(2012年1月)

日本一信頼されるメッキ屋を目指す
コダマで会長を囲む8カ国11名の研修員

アジア・中南米から参集した11名は、いずれも中小企業指導の実施にあたる行政官。日本の中小企業振興策を理解するには、まず、政策の対象となる中小企業の現状を知ることが不可欠との認識からプログラムでは中小企業の見学・経営トップとの面談を複数回設けました。その中から、今回は「日本一信頼されるメッキ屋」を目指すコダマ訪問の様子を研修を担当したシニアコースリーダーのレポート、訪問先企業、講師、研修員の声を通してご紹介します。講義、工場見学、質疑応答などで研修員一同は中小企業の活動状況を見聞しました。

西村 愛(いとし)

PREX
シニアコースリーダー

装飾メッキから機能メッキへ

地下鉄北巽駅を西へ約500mの巽橋のほとりに本社工場のあるコダマは、「メッキで機能を創造する」会社。玄関のドアを開けると研修員全員の写真と8カ国の国旗を描いた歓迎ポスターが目に入ります。一同が喊声を上げました。
1960年創業のコダマは、大阪万国博覧会や沖縄海洋博覧会の公式メダルのメッキを担うなど装飾めっきで業績を拡大しました。バブル崩壊で景気に陰りが見え始めた頃、児玉昌弘社長(現会長)は、装飾や防蝕が主流だったメッキから、機能性を重視したメッキの転換を決意し、全社一丸となって実現しました。

公的助成金の活用

研究開発や教育訓練などで国や地方自治体の助成金を活用した同社の事例に対しては研修員から案件の形成・審査基準・金額等活発な質問が飛び出し研修員の関心の深さがうかがえます。「メキシコでは助成金は大企業に流れがちだが、日本では中小企業が助成金を上手に活用しているのはすばらしい」とファンさん。

独自の技術開発とコダマ宣言

顧客の求める品質に応えるべく絶えざる努力を続けるコダマは、「受託生産だからといって単なる下請けでは駄目」との信念のもとに、発注先の技術者と打ち合わせを重ね、積極的な提案型技術開発を行っています。「わが社の提案する仕様を勘案した図面が改めて顧客から出されることもあります」と平井益子社長は語ります。 社長以下全従業員が協力して作成した「コダマ宣言」は会社の基本理念であり行動の指針となっています。従業員とその家族を会社のもっとも大切な財産と考え、その幸福の実現を目指しています。「私たちの国の考え方と似ている」とブータンのカルマさん。昨年来日された国王夫妻も「国民総幸福量は世界一」とおっしゃっていました。

熱のこもった質疑応答

講義と工場見学を終えてのQ&Aでは、真剣な質問が続出します。「バングラデシュではメッキは各々の会社で行っています。なぜ日本では専門化するのですか」「助成金を受給するためにどのような計画を立てるのですか」「社員の幸せをどのように具体化しているのでしょう」などテーマは多岐にわたりました。フィールドワークを兼ねて同席されたプール学院大の平井准教授や同社の顧問税理士徳野氏のコメントも混じり、まさに談論風発、最後の記念撮影には全員の興奮冷めやらぬ顔が並びました。

研修概要

研修名
中小企業振興政策研修(A)
実施期間
2012.1.13(金)~2.3(金)
研修参加者
ウルグアイ、コロンビア、パキスタン、バングラデシュ、ブータン、フィリピン、マレーシア、メキシコの中小企業の発展・振興に従事する行政組織の職員11名
委託元機関
独立行政法人国際協力機構(JICA)大阪国際センター
お世話になった方々、企業・団体(敬称略、訪問順)
プール学院大学平井拓己准教授、プレーリードッグ、中央電機計器製作所、京都府中小企業技術センター、がんこフードサービス、阪南大学中小企業ベンチャー支援センター、ものづくりビジネスセンター大阪、コダマ、中小企業庁、エアコンサービス、中小企業基盤整備機構、中小企業大学校東京校、近畿経済産業局、パナソニック、流通科学大学上田義朗教授、徳野会計事務所、日本政策金融公庫、池田泉州銀行
研修のテーマ :  中小企業振興