日本の省エネ推進を支えた制度、技術、背景を学ぶ/JICA省エネに関する企業と行政の取組み(2011年11月)

大阪市立大学にて測定機器を用いて実習を行いました。

2011年11月10日から12月2日、カザフスタン、スリランカ、中国の行政官が日本の省エネ研修員たちは、省エネルギー法、エネルギー管理者制度、トップランナー制度などの法や仕組み・制度、そして産業界の最先端の省エネ・環境技術、企業や自治体の教育・啓発プログラムを学びました。制度や技術はもちろん大切ですが、日本を省エネ大国に導いたのは、それ以外にも大きな要因があったことを、研修員たちは研修が進むにつれて気づいてきたようです。

関西経済連合会でおこなわれた関西の省エネ企業との交流会で熱心に質問を浴びせるカザフスタンの研修員
 

先進事例を効果的に学ぶためのプログラム 
日本は世界に先駆けて多方面の省エネ・環境対策に取り組み、さまざまな施策や経験が蓄積されています。一方、途上国では技術、コスト面の問題から対策が遅れているものの、その関心は次第に高まってきています。今回はカザフスタン、スリランカ、中国から5名の研修員を迎えましたが、エネルギー事情も人々の環境意識も異なる国々、また研修員の立場も政策立案者であったり、エネルギー関係の技術者であったり様々です。どのような研修内容にすれば母国での省エネ推進に役立つ情報や知識を持って帰ってもらえるか、試行錯誤しながら研修プランを組み立てていきました。第一に省エネ推進の制度そのもの、次に推進を支える多方面の具体的な省エネ・環境技術、最後に推進の基盤となる企業や国民の教育、啓発活動という三本柱で構成し、研修員たちが分野に応じて、効果的に深くも広くも学べるプログラムとしました。研修員からは、「省エネ実践事例はもちろん、行政の役割、省エネとお金の関係、環境教育のあり方、見える化の大切さ、など実践できることを幅広く学べた」との声がありました。

関西の省エネ企業と研修員の交流会を実施 
関西経済連合会、近畿経済産業局の協力を得て、研修プログラムの中に関西の省エネ企業6社と研修員の相互プレゼンテーションと情報交換を行う場を設けました。参加した企業からは、大気浄化、排水処理、断熱塗料などの先端技術が次々と紹介されました。研修員たちは母国に導入できそうな技術をもった企業の担当者と予定時間を大きくオーバーするまで熱心に話しこんでいました。研修の場を一歩進んだビジネスマッチングまで進めていく新しい取り組みとして有意義であったと思います。研修員からも大変好評で、「今後も企業との交流の機会をもっと増やしてほしい」という要望が多くあがりました。

研修員たちが体感した日本の省エネ推進力 
研修員から多かった質問に、省エネ対策にはどのくらいの補助金がでるのか?制度に従わなかったときの罰則はどのようなものか? というものがあります。ところが、補助金の額は決して多くはない、また罰則を受けた事業者はほとんどいないことを知り、首を傾げはじめます。そして、多くの訪問先で話を聞くにつれて、環境問題に取り組まないと生き残れないと企業は考えていること、市民も自分たちが環境にとって今できることは何かを考えて自然に行動していることを理解してきたのです。研修員からも「省エネ実践は強制するものではなく、取り組む人々の意識改革を優先させることが重要であることがわかった」との意見もあったように、制度や技術の学習に加え、日本の省エネ推進を支えてきた強みも理解してもらえたものと思います。(国際交流部 浜口))

研修概要

研修名
省エネに関する企業と行政の取り組み
実施期間
2011.11.10(木)~12.2(金)
研修参加者
カザフスタン3名、スリランカ1名、中国1名
委託元機関
独立行政法人国際協力機構(JICA)大阪国際センター
関係機関
関西経済連合会、大阪市立大学、地球環境センター
お世話になった方々、企業・団体(敬称略、訪問順)
京都女子大学 蒲生孝治教授、パナソニックエクセルインターナショナル、パナソニックセンター東京、資源エネルギー庁、省エネルギーセンター、パナソニック電工東京本社、富士通、近畿経済産業局、サントリーホールディングス、おおさかATCグリーンエコプラザ、ダイキン工業、山武、IDEC、オムロン、山岡製作所、京エコロジーセンター、TLV、関西経済連合会
研修のテーマ :  環境