世界をリードする経営幹部のあり方を考える/第32回関経連アセアン経営研修 (2011年10月)

アスクで銅線剥離機のデモをしていただきました。簡単に銅線と塩ビが分かれる様子に感嘆の声が上がりました。

10月3日より1週間、関西経済連合会より委託を受け、「第32回関経連アセアン経営研修」を実施しました。対象はアセアン7カ国(インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー)の企業経営幹部及びモンゴルの行政官12名で、日本企業の経営戦略、中でも世界的にホットな話題である「環境への取り組み」と「リスクマネージメント」をテーマに取り上げて、専門家からの講義や関西の企業との懇談を行いました。
実施期間:2011年10月3日~9日

環境対策は「言うは易し」? 

「国際基準に環境対策を合わせると、費用がかかり、値段が高くなります。対策をとっていない地元企業は安い費用で製造し、私達は価格競争に負けてしまいます」、「企業の利益とは、企業が開発した製品の販売によって成り立ちます。新しい商品に買い替えてもらうことが、本当に環境対策になるのでしょうか。『企業の利益』と『環境への配慮』は矛盾していないでしょうか」、「リスク管理のため、事業維持計画は必要なのは分かります。しかし、大企業だからこそできるのであって、中小企業や零細企業にはそこまで費用をかけられません」、「従業員の労働安全対策はどこまで必要でしょうか」、研修員が所属している企業の現状と課題が次々と浮かび上がってきます。
「環境ビジネスは儲かるのか」という疑問に解決策を見つけようと、熱心に話を聞いていた研修員。枚方市のアスクを訪問した時はビジネスの話で盛り上がりました。試作品加工を行っている企業ですが、産業廃棄物処理の話から、銅線剥離機の製造を思いつき、開発に取り組まれています。特に細線と呼ばれるケーブルから簡単に銅線を取り出せることは、銅線のリサイクルに役立ち、また儲かる話だとの説明でした。電線があるところでは必ずケーブルはあると聞いた研修員からは、剥離機を購入することを想定した質問が集中しました。「環境」をキーワードとした新しい商売ネタを探しているアジア企業のたくましさを垣間見たような気がしました。

経験に基づいたアドバイス

今回ご協力いただいた方々からは経験に基づいた貴重なご意見をいただきました。日本が引き起こしてしまった公害問題の経験から、環境対策は今すぐやらないと、後になれば費用もかかる上、企業としての社会的責任を問われるとの話は考えさせられました。また、企業は従業員あってのこと、従業員を大事にすべきと断言されたことは研修員の心に響きました。
抱えている課題に対する直接の回答はないかもしれませんが、「経営幹部は、利益だけでなく、従業員や社会のことを考えて判断する。その判断を従業員に明確に伝えて、企業をリードしていく。その判断は遅らせてはならない。そのような経営幹部のあり方について再認識した」と最後に研修員が述べた言葉が、今回の研修の本当の成果ではないでしょうか。環境問題と経済発展との両立など、これから様々な面で岐路に立つでしょうが、1週間を共に過ごした仲間とその時の意見交換を思い出して下さい。きっと乗り越えられると信じています。(国際交流部 三浦)

 

 
 
研修のテーマ :  経営管理