西安と京都~古都の下水道改善の取り組み/JICA草の根地域提案型事業(2011年7月)

s専門家の方々が熱心に調査中。多くの西安市の職員の方々にご案内いただきました。

京都市は友好都市事業の一つとして2006年より西安市の水環境整備事業に協力してきました。本事業は、2009年に最終年度を迎えましたが、西安市の要望により「中国・西安市における水環境改善─合流式下水道の改善」研修を2010~2011年度の2年間実施します。今年7月20日~27日にかけて京都市上下水道局の合流式下水道に関する専門家4名と共に西安市で現場調査、セミナー、西安市関係職員との意見交換会を実施しました。

恵の雨

調査第一日目は朝から雨で、時折、強く降っていました。あいにくの雨かと思いきや、雨が少ない西安での同事業においては恵の雨。なぜなら合流式下水道システムの問題は雨の日に発生するからです。雨が強くなると、合流式下水道管の容量を超えて汚水と雨水が混ざった下水が、未処理で河川へ流れ出ること、また、下水処理場の処理能力を超えた下水が河川へ未処理放流されることが起こるのです。午前のヒアリング先への移動中に、道路の脇に泡の漂う大きな水たまりが広がっている状況を観察することができました。都市化が急速に進んでおり、道路は片側4~6車線程もありました。そのような広い道路で雨が降ると地面に浸み込まず、直ぐに流れ出ている様子や、道路や町に積もった粉塵等の汚濁物質が洗い流されている様子が見られ、合流式下水道への影響を感じさせるものでした。 午後には雨が上がりましたが、合流式下水道管から河川へ通じる放流口にはゴミが残っており、河川は透明度が低く感じられました。

好評を博したセミナー

 京都市の下水道事業、合流式下水道改善事業を紹介するセミナーを開催しました。当日は下水道事業に携わる公的機関、企業を中心に113名の参加がありました。京都市上下水道局の専門家からの講義の後、質疑応答の時間を長めに設けたところ次々と専門的な質問が飛び出しました。92名の方からアンケートを回収し、 85名の方からセミナーで新たな知識を得ることができたと答えていただきました。同様のセミナーをこれからも開催してほしいという要望も多くありました。 同事業は現場調査とセミナーによる情報の普及に加えて、西安市職員が西安市の状況に適した合流式下水道改善計画案を策定することを支援する目的があります。メールや現地での意見交換会を通じてアドバイスを行い、11月の訪日研修には研修員が改善計画素案を持参する予定です。

国際交流部 コースリーダー 奥村 玲美

 
研修のテーマ :  環境