アジアの優等生が日本に学ぶ“ハーモニー”/JICAマレーシア行政初級管理職研修(2011年6月)

三重県意見交換会にて、熱心に発言する研修員イッザさん。

PREXでは2005年まで9年間にわたり、マレーシア各省庁から行政官約300人超を対象に、同国ルックイースト政策の一環である「マレーシア経営幹部セミナー」をJICAより受託・実施してきました。2006年からはマレーシアサイドの要請に応え、「初級」・「中間」と対象管理職のレベルを細分化し、2研修に発展・改編されましたが、今回はこのうち「初級管理職研修」を実施し、15の中央政府機関と1地方政府から選抜された行政官20名が、日本経済発展を支えた理念をはじめとして具体的課題解決手法にいたるまで、日本の実践的なマネジメントにつき広範にわたり学びました。

日本の強みは「チーム総合力の発揮」

マレーシアは、ASEANを構成する10カ 国の中でも、着実な経済成長を遂げる「ア ジアの優等生」。経済面では1997年にタ イから広がったアジア通貨危機を比較的 早く乗り切り、その後リーマンショックの影 響を受けて2009年にマイナス成長となるま で、経済成長率5パーセント程度を維持し てきました。政策面では従来の日韓重視か ら、台頭著しい中国と関係強化を図る方 向にシフトしています。こうした状況を踏ま え、同国行政官にとって日本で研修する 意義はあるのか、といった黙示的な懸念 が示されることもあり、事実、研修員への 連絡を確実にするためにグループアドレス 作成を依頼すると、はるかに利便性の良 いバーチャルオフィスをネット上に設けてく れるなど、さすがはIT産業を経済重点分 野に指定している国の研修員、と感心さ せられる局面がありました。そこで今回は、 この懸念を払拭すべく講師の方々にお 願いし、日本に学ぶ意義に触れていただく こととしました。この結果として、研修の集 大成であるアクションプランには、「改革」と ならんで「チームメンバーへのリスペクト」 という項目が掲げられ、個々のレポートにも “ハーモニー”といったキーワードが見受 けられることとなりました。どちらかと言え ば個人主義的な色彩の強い印象の同国 研修員にとって、“なでしこジャパン”のW 杯優勝においても発揮された「チーム総 合力の発揮」は、学ぶべき日本の強みと捉 えられた様子がうかがえます。

“帰国研修員の声”を反映し、意見交換 を数多くとりいれたカリキュラム

本研修の特徴として、地方自治体への 訪問と訪問先公務員の方々にご参加い ただいた意見交換会の実施が挙げられ ます。これは、これまでの研修において要 望の高かった、「同じ立場の行政官ともっ と交流したい」というニーズに応えた改良 点です。  三重県庁・亀山市役所、堺市にご協力 いただき、意見交換会を実施し好評を博し ました。  帰国直後に研修員ひとりひとりにPREX からの謝意をこめてメールを送ったところ、 全員から、日本ではマネジメントにつき多く のことを学んだ、日本で学んだ事を所属の 組織で実践していきたい、という意気込み のあふれる返信が間髪をいれず届いてい ます。引き続き、プログラムのさらなるスパイ ラルアップを続けてより付加価値の高い研 修にしていきたいと考えています。

国際交流部 担当部長 末尾 寿広

研修のテーマ :  経営管理

ページの先頭へ戻る